ニュースレターNo.3/1995年3月発行
1. 巻頭言 --- 試行と施行 --- English Page
JPNIC センター長 村井 純
私はオーディオマニアではないし収拾癖もないのだが, 音楽や映像は好きなので,我が家では何百ものEP, LPのレコードやビデオ(勿論β)が少なからぬ空間を埋めている. 先日その空間の関係でオーディオシステムを変えようとしたときには, レコードプレーヤーも,PHONO端子のあるアンプも, βのデッキも町の電気屋ではなかなか見つからなくなっていることに気がついた. 考えてみれば,我が家にもCDとVHSやLDがあふれはじめている. どうもテクノロジの発展とマーケットの理論は一般の生活に, 予想もできない, きまぐれな変革をもたらしてしまう.
そういえば, 10base5のEthernetを組み込んで設計した我が家も築7年となったが, 結局せっかくスマートに見えるはずだった各部屋の同軸ケーブルの先には見苦しい (と家族が言う) 10baseTのハブがぶら下がっている. そこに専用線をつないで久しいが, 「食事中にNETSCAPEするのはやめなさい.」とどなられる子供をみていると, (この場面が気味悪がられないためにも,)FTTHなんて10年前倒れても驚かない. 先端テクノロジの発展の基盤としてのインターネットで, ネットワークの運用をスムーズに支援するためには, 予想の難しい事柄の思考,よい結果を得るための試行, 健康な運用のための施行が極めて早いリズムで回転しなくてはならない. JPNICの役割と責任はさまざまな活動との連携と協調でこの困難な作業を進めることであり, より充実した活動が進められることを切に願いたい.