ニュースレターNo.30/2005年7月発行
JPNIC IPv6アドレスサービスの拡張について
JPNIC IP事業部●奥谷 泉
JPNICでは、2005年5月よりこれまでの申請取り次ぎサービスを拡張し、IPv4アドレスと同等のサポートを行うIPv6アドレス登録管理業務を開始いたしました。主な特徴としては申請業務およびWHOISにおける日本語対応、JPNICへの窓口の一本化、そして申請資格の拡大をあげることができます。なお、IPv6アドレスの申請基準、料金体系に変更はなく、引き続き従来通りの基準・料金で業務を行っていただくことが可能です。
ここでは、今回拡張を行ったIPv6アドレスサービスがどのような点でこれまでと異なるのか、簡単にご紹介したいと思います。
1. サービスの日本語対応
これまでの申請取次ぎサービスでは、APNICが申請フォーム、データベース登録、WHOIS検索サービスの提供を行っていましたが、これらすべてのサービスをJPNICが提供できるようになりました。これに伴い、現在はJPNICでご用意したフォームにて住所、連絡先等の情報を日本語でも申請をしていただけます。いただいた情報は、IPv4アドレス登録管理業務同様に、JPNICデータベースに登録され、必要な情報をJPNICがAPNICへ転送いたします(図1-1、1-2)。
また、これまではAPNICのWHOISのみでしかIPv6アドレス情報の検索を行うことができませんでしたが、サービス拡張後は、JPNICのWHOISでも検索サービスを開始し、登録情報を日本語でもご確認いただけるようになりました(図2)。
2. JPNICへの窓口の一本化
これまでは、APNICのフォームを利用していたこともあり、手続きの種別によりJPNICとAPNICそれぞれに申請窓口を設けていましたが、すべての手続きはJPNICを窓口として申請を行っていただけるようになりました(図3)。従って、一部手続きのためにAPNICへお問い合わせいただく必要もなくなり、現在はIPv6アドレスの手続きに関するご質問・ご要望はすべてJPNICがお受けしています。
申請種別 | 従来 | サービス拡張後 | |
---|---|---|---|
申請窓口 | 登録DB | 申請・DB登録 | |
割り振り | JPNIC | APNIC | JPNIC |
割り当て審議 | JPNIC | - | |
逆引きDNS | JPNIC | APNIC | |
割り当ての登録 | APNIC | APNIC | |
登録情報変更 | APNIC | APNIC | |
ハンドル取得 | APNIC | APNIC |
3. 申請資格の拡張
拡張前のサービスでは既にIPv4アドレスの登録管理業務を行っている組織のみがIPアドレス管理指定事業者としてIPv6アドレスの割り振りを受けることが可能でしたが、現在は、IPv4アドレスの割り振りを受けていなくてもIP指定事業者となりIPv6アドレスの割り振りを受けることが可能になりました。これによりIPv6ネットワークのみの運用を希望される事業者のご要望にもお応えできるようになりました(図4-1、4-2)。
4. その他
この度のサービス変更を反映し、JPNICではポリシー文書をはじめ、IPv6アドレスに関する各種文書をJPNIC独自のものとして新たに策定いたしました。
これにより、今後はIPv6アドレスにつきましても、IPv4アドレスポリシー同様にAPNICとの連携を図りながら、JPNICポリシーとしてコミュニティで議論を行っていただけます。
- IPv6関連新規策定文書:
- 「JPNICにおけるIPv6アドレス割り振りおよび割り当てポリシー」
- http://www.nic.ad.jp/doc/ip-addr-ipv6policy.html
- 「IPv6アドレスに関する申請手続きについて」
- http://www.nic.ad.jp/doc/ip-addr-ipv6-process.html
- 「IPv6割り振り/割り当て申請のためのJPNICガイドライン」
- http://www.nic.ad.jp/doc/ipv6-guideline.html
以上のように、この度のIPv6アドレスサービスの拡張ではJPNICで対応させていただく部分を拡大し、IPv4アドレス登録管理業務と基本的に同等のサービスを提供させていただけるようになりました。引き続きみなさまにとって利用しやすいサービスを検討していきたいと考えておりますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
IPv6アドレス登録管理業務についてご不明な点がありましたらip-service@nir.nic.ad.jpまでお気軽にご連絡ください。