ニュースレターNo.34/2006年11月発行
第10回JPNICオープンポリシーミーティング報告
ポリシーワーキングチェアからの報告
2006年7月7日に、日本教育会館にて第10回のJPNICオープンポリシーミーティング(以下、JPOPM)を開催し、約60名の皆様にご参加いただきました。APNICから参加したSonさんに、APNICでのポリシーの状況等についてご講演をいただいた他、来場出来なかった方からのメールでの質問にもお答えいただきました。ミーティングにご参加いただいた皆様、議論に参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。また、お忙しいところご来日いただきましたSonさん、講演/質問を逐次通訳いただきましたJPNICの奥谷さん、どうもありがとうございました。
さて、今回のミーティングも議題が非常に多く、議論や意見収集の時間を長くとるために昼食をとっていただく時間の短縮、いくつかの情報提供プレゼンテーションのスキップ、といった時間調整をさせていただくことになってしまいました。参加いただいた皆様には、あわただしくなってしまいましたことを、ポリシーWG一同、お詫びを申し上げます。
今回実施いたしましたプログラムは以下のようになっております。
- JPOPM10開会挨拶
- APNIC Resource Services Manager Son Tran氏ご講演
- 前回までのフォローアップ Action Item 確認
- [提案] ポリシーWG規約変更提案
- [提案] WHOIS登録ルールの変更提案
- 活動報告 IPv4アドレス枯渇に向けて
- [提案] Lame Delegationの改善に関する提案
- [提案] 歴史的経緯を持つPIアドレスに関する今後の取り組みについて
-
APNIC 22 にむけて
- IPv6 PIアドレスのAPNICへの提案状況
- 現行 IPv6アドレス配布ポリシーの変更
- IPv6割り当てポリシーの変更
-
日本・世界の動向
- 第21回APNICオープンポリシーミーティングの報告
- JPNICアップデート
- コンセンサス確認/まとめ
JPNICより行われた提案については、別途紹介がありますので、それ以外を簡単に紹介させていただきます。
今回、ポリシーWGから、現行のポリシー形成プロセス※1についての文書の改訂提案を実施しました。この提案は、これまでポリシーWGがJPOPMを数回運営してきた経験をもとに、ミーティングでのコンセンサスの形成をよりフレキシブルにすることを目的としています。現在の規定では、参加者の過半数の賛成をもってミーティングでのコンセンサスとすることなっていますが、重要な少数意見があった場合や、意見が割れた場合などにおいては、賛成票の数のみでコンセンサスを得られたと決定することに問題があるため、
- コンセンサス判断をミーティングでの議論、意見の質、量をもとにポリシーWG議長が実施すること
- ミーティング後に実施されるメーリングリストでの最終結論決定を従来の議長決定からポリシーWGでの決定とすること
に変更することでコンセンサスを得ました。このポリシー形成プロセスの議論にも多くの皆様に積極的に参加いただき、参加者の皆様が意見提起、議論に高い意識をもっていらっしゃることを改めて感じました。
その他、IPv4アドレス枯渇期におけるポリシー等に関する報告や、前回のJPOPM9にてコンセンサスを得たIPv6プロバイダ非依存アドレスについてのAPOPMでの提案状況に関する紹介など、提案以外の情報提供を目的としたプレゼンテーションについても、メーリングリストでも議論されています。
各プレゼンテーションの資料は第10回JPNICオープンポリシーミーティングのWebページ※2に掲載しております。また、議事録も近日中に同Webページに公開する予定です。
ポリシーWGでは、JPコミュニティの皆様のご意見をもとに、JPNIC・APNICへのポリシー提案、提言を実施していきます。皆様のご協力、ご意見をよろしくお願いいたします。また、ポリシーWGや、ポリシー形成にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非ご協力ください。jpopf@venus.gr.jpまでご質問・ご提案等をお寄せいただけますよう、よろしくお願いいたします。
(ポリシーワーキンググループ チェア/NTT情報流通プラットフォーム研究所 藤崎智宏)
- ※1 JPNICにおけるIPアドレスポリシー決定プロセス
- http://www.nic.ad.jp/doc/policy-process.html
- ※2 第10回 JPNICオープンポリシーミーティングプログラム
- http://www.venus.gr.jp/opf-jp/opm10/