ニュースレターNo.36/2007年7月発行
JPNICオープンポリシーミーティングショーケースレポート
1月末に沖縄でのJANOG19と併催された、JPNICオープンポリシーミーティングショーケースのレポートをご紹介します。
JPNICではIPアドレスポリシーについて議論を行う「JPNICオープンポリシーミーティング」を年に2回開催していますが、今回はその番外編と言えるJPNICオープンポリシーミーティングショーケースを2007年1月24日(水)、沖縄ハーバービューホテルで開催しました。
これは初のコラボレーションの試みとしてJANOG19と併催し、国内のオペレーターを中心にポリシー策定の仕組みや最新動向を知ってもらうことを目的としたセッションです。
最終的に目指しているところは、より幅広い観点からアドレスポリシーの検討を進められるよう、オペレーターの方にIPアドレスのポリシー策定に興味を持っていただき、運用の観点から策定に参加してもらうということですが、今回はまず「知っていただく」ことに重点を置いたプログラム構成をとりました。
当日はポリシー策定の仕組みと最新動向の紹介、過去の発表者の事例紹介、そして、最後にIPv4アドレスの在庫枯渇に向けた対応をテーマとした模擬ポリシーディスカッションという流れでプログラムを進め、アジア太平洋地域のポリシー動向についてはAPNICのトレーナーである藤井美和さんに紹介していただきました。
中でも好評だったトピックスは4バイトASの実験結果の紹介、IPv6 PIアドレスを認めるポリシーがどのように作られたのかの事例紹介、そしてIPv4アドレス枯渇に向けたポリシーの紹介です。
その後に参加者の方とお話をした印象では、特に2007年1月時点では2012年頃に在庫枯渇が予測されているIPv4アドレスへの対応として、割り振り停止日を設定し、2008年に告知するという最後の発表に対して今後のオペレーションへの影響を重く受け止めた方が多かったようです。当日の発表資料は末尾で紹介しているJPNICオープンポリシーミーティングショーケースのWebページに掲載していますので、興味のある方はご覧になってみてください。
参加者数はJANOG参加者の約1/3の92名、と単独で開催した場合より3割程度多くの方にご参加いただき、このうち約9割の方がこれまでオープンポリシーミーティングに参加した経験のない方ということです。アンケートでは「これまではIPアドレス関連のポリシー策定プロセス自体を知らなかったがそれを知ることができた」「最近の動向を知ることができてよかった」等のご意見が目立ち、このセッションを通じて理解を深めていただけたことは喜ばしいことと感じると同時に、まだ充分にリーチできていないところが多いことを実感しました。
スケジュールの都合上、議論の時間が充分にとれなかったことが残念ですが、それでも限られた時間の中でマイクに立って発言してくださる方が見受けられ、今後JANOGミーティングの参加者層を中心としても議論の活性化の可能性はあるように思います。
今後どのように進めていくかは通常のJPNICオープンポリシーミーティングとの関係もあわせて、現在JPNIC内部で検討を進めているところです。
最後に会場の手配、JANOG19とあわせた参加者の申し込み受け付け等、JANOGスタッフのみなさんには多大なご協力をいただき、この場を借りて感謝を申し上げます。
- □「JPNICオープンポリシーミーティングショーケース」
- http://venus.gr.jp/opf-jp/events/jpopm-showcase1.html
(JPNIC IP事業部 奥谷泉)