ニュースレターNo.37/2007年11月発行
DNS関連WG報告
dnsop WG(Domain Name System Operations WG)報告
今回のdnsop WGミーティングは、3時間枠にて行われました。まずはじめに、前回draftだったドキュメントの確認が行われました。draft-ietf-dnsop-serveridがRFC4892として発行されたことが報告されました。これによって、DNSサーバ個体のサーバIDを確認する手法が標準化されました。また、draft-huston-6to4-reverse-dnsがIESGレビューの段階にあり、draft-ietf-dnsop-reflectors-are-evilならびにdraft-ietf-dnsop-default-local-zonesが、WG Last Callにてコメントを受けた後の更新待ち状態であることが報告されました。
次に、draft-ietf-dnsop-as112-opsについての議論が行われました。前回のプラハでのミーティングならびにそれ以後の議論で、AS112が現在提供しているゾーン以外におけるゾーンのサービス提供や、IPv6トランスポートでのサービス提供についての意見が出されました。そこで、それらを文章に入れるかどうかの議論がなされました。結論としては、新たなものを盛り込むより、現在の運用を早くRFCとして発行するほうがいいだろう、という流れになりました。
さらに、draft-ietf-dnsop-respsizeに関しても、同様にEDNS0を文章に入れるかどうか議論がなされました。これも同様に、EDNS0まで話を広げずに、現状を早めにRFCとして発行し、EDNS0を含めたメッセージサイズの議論は別の文章にしたほうがいい、という意見が出されました。
今回一番議論が多くなされたのは、draft-ietf-dnsop-resolver-primingでした。これは、一部のDNS実装が行っているprimingという挙動を標準化する文章です。このprimingに関しての議論では、(1)ルートDNS サーバにIPv6トランスポートが提供され、AAAAレコードがhintファイルに追加された場合のprimingの挙動、(2)ルートゾーンにDNSSECが導入された場合のprimingの挙動、という2点について議論が行われました。特に(2)に関しては活発に議論が行われ、結論としてはpriming時にDNSSECのvalidationが行われても害は無いであろう、という方向になりました。
- □ Domain Name System Operations(dnsop)Charter
- http://www.ietf.org/html.charters/dnsop-charter.html
dnsext WG(DNS Extensions WG)に関連する動向
前回のプラハでのミーティングにて宣言された通り、dnsext WGのミーティングは行われませんでした。次回も行われる予定は無いようです。前回のミーティングからメーリングリストで行われた議論としては、主に次のものが挙げられます。
- DNAME update : DNSSECにてvalidationをする場合の挙動
- 2929bis update : Resource Records仕様の更新
- DNSSEC key rollover : DNSSEC鍵更新に関する問題点
- dnsext WGチャーター更新
なお、DNSSEC ExperimentsがRFC4955として、DNSSEC Opt-InがRFC4956として発行されました。DNSSECに関する文章はまだdraftのまま残っているものがあるため、引き続きメーリングリストにて議論されると思われます。
- □ DNS Extensions(dnsext)Charter
- http://www.ietf.org/html.charters/dnsext-charter.html
(JPNIC DNS運用健全化タスクフォースメンバー/東京大学 情報基盤センター 関谷勇司)