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ニュースレターNo.44/2010年3月発行

インターネットは情報オペレーティングシステムとしては機能したが、 現実社会のオペレーティングシステムとしても機能するのか?
~IP Meeting 2009 開催報告~

今回のInternet Week、そしてIP Meetingのタイトルは「インターネットの進化論」。そして、IP Meeting午後の部全体のディスカッションテーマは、「インターネットは地球規模オペレーティングシステムになりえるか?」でした。

現在のインターネットは、社会や多くのシステムがそれなしには動かないという意味において「インフラ」です。この「インフラとなったインターネット」に関わる我々は、今後、どうなっていくのかという予測を持てばいいのでしょうか、また何を見据えていけばいいのでしょうか。

今回のIP Meetingでは、このように誰も答えを持たない、ある種抽象的なテーマを選びました。これにはプログラム委員会でも賛否両論がありましたが、年に一度「IP Meeting」という場に人が集まり、それぞれの目で何かを語ることから意思が生まれていくかもしれないという期待もありました。

まず、JPNIC後藤滋樹理事長から「そもそも進化と退化とは」という話がありました。

  • 「アナログ」から「デジタル」に移行すると、普通は元に戻れない。
  • デジタル時代は、ブランド戦略が取りにくく、デジタルデフレでは利益の確保が難しい。
  • コンピュータは、キャッシュが顕在化し、演算とストレージも分離した。インターネットは社会的認知向上を遂げた。
  • 進化の点では、「電話との地位が逆転した」「動画の通信」「商用のインターネット」等が挙げられる。
  • 退化の点では、「ホストカウントが減る」「通信速度の減速」「ネットワークのただ乗り論」「セキュリティ」「紛争も増加」等がある。
  • 退化の原因は、技術的な運用や技術そのものではなく、すべては社会的な変動の影響や普及・成熟の結果である。
  • インターネットを作ったのは人間だが、問題を起こすのはそれを「使う人」であり、インターネットがいろいろな人をカバーしているということ。
  • 未来を語るということはなかなかうまくいかないが、インターネットは、政府などがビジョンを示さず発展した歴史があるので、「自分たちでビジョンを語ることも重要ではないか」と期待している。
  • ただし何かを熱心に推進しようとしても、急進的な改革はうまくいかない。
  • インターネットは、昔は軽かったが、今は乗る人が多すぎて飛べない。空飛ぶ絨毯は、重すぎると飛べない。
  • 人間はなかなか考えが変わらない。頭はタンパク質でできているため、デジタル製品のように一晩でのダウンロード/リセットはできない。
  • このように社会の変革は長丁場であるから、進化を語るには時間がかかることを考えて、健康第一で、頑張って欲しい。
写真:JPNIC理事長 後藤滋樹
基調講演「情報システムの進化と退化」を行うJPNIC理事長 後藤滋樹

その後、今回の難しいもくろみに対し、適切にテーマを投げかけてくださったのが、慶應義塾大学の斉藤賢爾さんです。「インターネットは地球規模オペレーティングシステムになりえるか?」を大前提とした、六つの切り口をパネリストに提起しました。

会場ではTwitterも利用されて(iw2009のハッシュタグの下に#evol)、議論がされました。ふたを開けてみれば、斉藤さんが提示した質問のほとんどに、それぞれの方が何らかの答えを示してくれた結果になったようにも思います。これを見て、思うところがあるか否か、また答えがあると感じるか否かは人それぞれでしょうが、ただ、どんなことでも考えてみる行為そのものが、進化にとっての第一歩であるのかもしれません。

【問題提起:】インターネットは地球規模オペレーティングシステムになりえるか?

写真:斉藤 賢爾斉藤 賢爾
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科


「地球規模オペレーティングシステムは何か?」と問われれば、地球をハードウェアとしたときの、オペレーティングシステム(OS)です。ハードウェアとしての地球の中には、さまざまな資源(リソース)があります。天然資源である化石燃料、水や、それ以外にも、建物、自動車、電気……また人間そのものも資源と言えるかもしれません。これらの資源を、コンピュータのOSのようにマネジメントして、ユーザーとしての人間に、アプリケーションを通じて利用させ、資源の循環がうまくいくように調整してくれる仕組みとして定義してみました。

人間が活動するにはエネルギーが必要であり、そのエネルギーを生み出すには資源が必要ですが、この資源を有効に使うためには、いくつかの側面で難しい問題があります。

化石燃料に頼ってそれを燃やすことで、温室効果ガスが出てきます。また、こういった化石燃料は有限の資源であるため、供給にはピークがあり、価格もその供給如何に左右されます。さらには、自然の循環から外れて水を消費することにより、水不足が起こることが懸念されています。

現在、実体経済活動を主として貨幣経済システムで動かしており、その情報交換手段として通信システムを用いています。しかし、この貨幣経済は、我々の社会で有効に機能しているでしょうか?貨幣経済は情報的な経済活動です。実体的な経済活動と、情報的な経済活動の規模には、現在、大きな隔たりがあり、後者が前者を凌駕しています。

このような中で、次の問題提起をします。皆様、一緒に考えてみてください。

Q1.
インターネットはエネルギーの使い方をどう変えるか?
Q2.
インターネットは地域の自立をどう支援できるのか?
Q3.
インターネットは貨幣を含む信頼と約束の基盤をどう変えるか?
Q4.
インターネットは人間の住環境をどうプログラマブルにするのか?どうセキュアにできるのか?
Q5.
インターネットは所有から共有への変化をどう起こし、持続させられるか?
Q6.
インターネットは人類の活動の原資である発明・革新をどのように支援し続けられるのか?
写真:「インターネットは地球規模オペレーティングシステムになりえるか?」
午後のパネル「インターネットは地球規模オペレーティングシステムになりえるか?」の全景

【Q1:】インターネットはエネルギーの使い方をどう変えるか?

【Q3:】インターネットは貨幣を含む信頼と約束の基盤をどう変えるか?

写真:秋山 卓司秋山 卓司
日本クロストラスト株式会社


全人類の使っているエネルギーの総計は、現在15.8TWと言われています。また、人口は増えており、2050年には90億~100億人になるのではないかと言われています。こうなると、平均使用量が同じだとしたら、当然、エネルギーの使用総量も増えていきます。多くの地球上の資源は有限である中、これをどこまで使ってもいいのでしょうか。この頃、果たしてどういう世界ができていて、インターネットがどういう役割を果たしているのでしょうか。

「貨幣とは何か」を考えた場合に、「有限な資源を再配分するための道具」ということもできます。その貨幣が、社会の中で現況十分に機能しているかどうかと言われると、そうでもありません。そう考えると、貨幣に変わるリソース再配分の手段を見つけなくてはいけないのではないかと思います。そのツールとして、「インターネット」は十分その手段になり得るのではないでしょうか。

つまり、デジタルは有限な資源ではないということを考えると、無限のリソースの配分に、貨幣は使えません。エントロピーというものを再配分するのであれば、インターネットのような仕組みが必要で、資源の再配分においてインターネットは地球OSと言えるのではないでしょうか。

【Q5:】インターネットは所有から共有への変化をどう起こし、持続させられるか?

写真:伊勢 幸一伊勢 幸一
株式会社ライブドア


2年前に事業会社としてできたライブドアの社是は、「オープンアンドシェア」です。全社員、UNIXというプラットフォームならびにインターネットというインフラの上で生きています。つまり、基本的に、ソースコードオープン、インターネットに端末をつないでリソースをシェアしています。そんな背景から、「所有から共有へ」ということを考えてみました。

所有型の生産活動では、資源や資産等の所有物を提供して対価を得ることで経済活動を行っています。一方、共有型の生産活動とは、お互いの資産を共有し、足りないところを補うことで対価を得る経済活動なのかと思っています。

このオープンとシェアによる生産活動は「共生」、つまり、互いの所有物を共有することで、全く新しい価値を創出することです。インターネットによってそれを行うことを「インターネット共生型」と言い、従来の所有物によって生産活動を行うのは「インターネット寄生型」と呼んでもいいかもしれません。このような「インターネット共生型」の例がいくつか見られるようになっていると思います。

ものすごい量の情報と交換する頻度がインターネットで生まれてきました。結果、インターネットの側でそれをコントロールするのは困難です。つまり中央でのコントロール制御では賄いきれず、情報公開に対するインテリジェンスがエンドの方に移ってきたのかなと思います。どういうことかと言うと、インターネット側では黙っていても何もしてくれません。テレビはスイッチを押せば情報が送られてきますが、インターネットはこちらからブラウザを立ち上げてアクションを起こさないと見返りはきません。ただし検索窓にワードを入れた瞬間、大量の情報がやってきます。

現在の課題・懸念は、我々の側に、情報を選別して解析する洞察力や能力が必要とされているのではないか、ということです。デジタルデバイドということが解消されて、すべての人へのコネクティビティがイコールになった次には、情報を選別して得る能力としての「リテラシー」が必要になってくるという問題が生まれてくるでしょう。

インターネットが地球規模OSとして、リソースを効率的に割り当てる基盤になるかということについて言えば、インターネット以外に、地球規模で人と人とのコミュニケーションを提供できるメディアがないのではないでしょうか。その中で、デバイドや熱やコストを考え、一つ一つをクリアしていくことが必要なことです。

最も重要なのは、変化をし続けていかないといけないのは、人類の方だということです。リテラシーを上げていかないと、その恩恵を受けることはできません。インターネットを使うことができて初めて、そのリテラシーもインテリジェンスも得ることができます。人類自らが働きかけることで、進化の種が無限に提供されます。

【Q2:】インターネットは地域の自立をどう支援できるのか?

写真:曽根 秀昭曽根 秀昭
東北大学/JPNIC分野担当理事(地域・非営利)


「インターネットの進化論」という夢の話をしていますが、そういう夢のような話をしているときに「インターネットが手元にない人は、その夢から取り残されるのか」「社会活動が地球規模に広がる期待がある一方で、コミュニケーションがデバイドされている地域では、そのメリットを享受できるのか」というそもそも論から疑問を持っていました。

「インターネットは地球規模のOSになるか?」という文脈では、日本の「地方」はそのOSからはみ出ているではないでしょうか。整備が整っておらず、仮に整備されたところで、それを使いこなすリテラシーも、使いたいという意識も期待もありません。

主な問題点としては、「高齢化問題」「人口密度が低くてコストが合わない」「山間地域には引けない」など、地域それぞれの状況があると思います。また別の問題として、仮に社会活動や人的交流ができるようになったとすると、今度は逆に地域性が失われていくのではないかという懸念もあります。交通網が発達して地域性が失われた例はいくらでもあります。情報ネットワークでも同じことで、地域社会を廃れさせる可能性もあるわけです。

さらには、インターネットの都会における作用は今まで数多く語られていますが、地域においても同じ作用をもたらすのかと言えば、そうも言い切れないのではないでしょうか。

と、数多くの問題を認識しつつも、本日の議論で気づいたことがあります。

現在、手元でネットワークにつながっていないからといって、決してOSからもれているわけではなく、銀行や宅配等のシステムは既にインターネットによって動かされているということを考えると、リソースの効率的な配分の過程では、地域もOSに組み込まれていると言えるのでしょう。

また、世の中の人が、皆が皆、例えばTwitterを使わない方が、多様性という観点ではむしろ健全な社会なのではないか、ということも考え合わせると、画一的ではなくとも良いのかもしれません。逃げる先があることも重要です。地方には「都市と同じになるか、別になるかのチョイスがある」とも考えられます。

写真:議論の様子
地域とインターネットの関わりが議論されました

【Q4:】インターネットは人間の住環境をどうプログラマブルにするのか?どうセキュアにできるのか?

写真:力武 健次力武 健次
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信セキュリティセンター インシデント対策グループ専攻研究員


インターネットは、電子メール・Webなどを利用し、時間が違っても、共同して働くことができるという「緩い同期」の環境をもたらしました。"eventually consistent"、つまり最終的にツジツマが合えばいい、いずれどうにかなるだろうということでインターネットは続いてきました。

ところが特に日本では真面目な国民性のせいか、とにかく周囲を気にして同じように動こうとするあまり、同期を取ることに熱心になりすぎる傾向があります。これを続けていると、自分でものを考えなくなるし、社会からの強制同期を強いられることによって、精神も肉体も疲れてきます。これが社会的な問題です。例えば、ケータイの「即時返事ルール」などが良い例でしょう。

クラウドコンピューティングでデータが地球を1周するのに、約0.13秒かかります。この秒数は人間が意識できる時間であり、完全同期を取ることは難しいのではないか、というのが最近の問題意識です。つまり、地球規模で統一された社会をめざしたとしても、こういった遅延はどこにでもあるものだと、もっと人が認識していかなくてはいけない、ということです。

セキュリティについても同じことが言えます。セキュリティについては、昔は隠しておけばことが足りました。しかし、その後は「アクセス制御」というオープンでない世界に代わり、このコントロールのための集中同期にものすごいエネルギーが必要となりました。

将来、エネルギー消費を抑えることを考えると、このように強制同期を取ることはだんだん難しくなってくるのではないでしょうか。対策として、非同期で済むものは非同期にして無理にタイミングを合わせないようするなど、行動形態や社会形態を変えていかないとエネルギー消費も減りません。「コントロール」の反対の概念として「オープンネス(開放)が必要だ」と書きましたが、このオープンネスの下で本当に情報の安全性が保てるかどうかはわかりません。秘密が必要なところは通信できないかもしれないし、データはオープンでも、エンドツーエンドで暗号化をして安全性を保つなど、問題を組み替えていかないといけないかもしれません。しかし、要は、安全は守ることはできるが、安心感は心の問題であり、そういう心の醸成をどうしていくかだと思います。

インターネットがどう変わっても、個人的に失いたくないもの、それは地理的境界を超えた人のつながりです。インターネットは、良くも悪くも北から南まで情報を知らしめ、人との連携が可能になりました。これはとても重要なことで、意思交流によって、進化が生まれ、新しい生物が生まれます。未知のないところに進歩も発展もありません。

日本の社会基盤整備は、すべて官製主導でなされてきましたが、これがいつまで維持できるかは疑問です。ただ地域を突き放すのではなく、地産地消、それを前提とした関係、お金という観点にも向き合っていかないと、情報だけでやっていける時代は終わりました。すべてが分散化し、非同期という方向の中、新しい人も交え、そのときにどうセキュリティを守るか、どう動かし続けられるか、これがわかれば進化ができるのではないか、と考えています。

写真:投影資料
インターネットの進化で変わるべきでないものはなんでしょうか

【Q6:】インターネットは人類の活動の原資である発明・革新をどのように支援し続けられるのか?

写真:江崎 浩江崎 浩
ISOC理事、東京大学、JPNIC副理事長


インターネットの進化や地球規模OSの話にあたり、インターネットは今後、何を経験しようとしているのでしょうか。

日本におけるGDPのうち、情報通信サービスの占める割合は13%です。これを大きいと思うか、それとも小さいと思うかは人それぞれですが、個人的には、他のパイの87%に、インターネットが影響を及ぼさなくてはいけなくなってきていると感じています。進化の上でいけば「繁栄できる種族になれるか」というところも大きなポイントであり、インターネットの進化にあたり、この分野にどう貢献できるかということが、どう進化するかということになるのではないでしょうか。

進化にあたり、いろいろと条件が変わってきています。(1)エンドユーザーの端末がパワフルになっている、(2)ずっと電源が入ってつながっている、(3)モバイルが入ってきている、(4)エンドユーザーがサービスを提供している、(5)転送、ストアとコピーのコストが小さくなった、等です。これは40年前のデザインからすると、かなり大きな進化を遂げていると言えますし、今後のアーキテクチャにとっても、大きな進化を要求されることを意味しています。また、進化の過程で「他のメディアとの戦い」や、インパクトをもたらした「ネット中立性」という問題への対峙もあります。

このような状況下、ISOCの中では、我々のゴールとして「エコシステム」という言葉を意図的に使っています。

「エコシステム」は、本来は生態学用語で「生態系」と訳され、「食物連鎖」のような垂直方向の物質やエネルギーの流れを意味します。しかしこれが、オープンソースの分野においては、「ハードウェア、ソフトウェア、開発、サービス、ユーザーの各場面にて、ソフトウェアをどのように開発、改良、利用すれば、オープンソースの世界の健全かつ安定的な発展を促進できるかという問題を解決しようとする理念」を意味し、異なるソフトウェアモデルとの共存、ユーザーの多様化への対応、商用利用への対応とコミュニティへのフィードバック、開発者の事情や動機など、水平方向のバランスをどのように調整するかに重点を置いた意味となります(※)。つまり、「エコシステム」とは「エコノミーなシステム」の意味などではなく、もっと広い観点から安定かつ健全な発展スパイラルを作るシステムの構造を指します。

エコシステムを提唱する背景としては、NGN、ビル、自動車、ファクトリーシステムなど、数多くのIPを使ったネットワークが構築される中、メモリの制約やビジネス上の理由で、IPを使っていてもネットワークをオープンにせず、敢えて閉じたネットワーク構築が増えていることが挙げられます。そういう中で、フラグメンテーションをいかに避けるか、こういうネットワークとコラボレーションできるかというのが、一番共有しているポイントであり、「エコシステム」という言葉を使う理由です。

よく「新世代のネットワークには頑丈で信頼できるものが必要だ、インターネットはぼろい」という話がされます。その意見にも一理あります。ただ、我々が心配しているのは、本当にそのネットワークにオープン性とグローバル性が担保できるのかということです。経済が悪くなると、システムやコネクティビティを囲い込むことが起こりがちです。これが「品質」そのものよりも心配するポイントになっています。一例ですが、今、国によっては、フィルターによってコンテンツが見えないということも起こっています。でも、これには「進化にとって必要なオープン性がどれだけ保たれているか」という疑問が湧き起こります。

ISOCで話している主要な戦略イニシアティブは、「トラストとアイデンティファイヤー」です。この中で唱えられるインターネットアーキテクチャとは、「マルチカルチャー」「自由と匿名性がある」「公平であり差別がない」「予測可能で、安全で、コモンズを提供して、機会を提供する」ものであるとされています。これが、次のネットワークにも求められるものであり、進化が続くためにも必要なことです。つまり、意図的にオルタナティブを提供しています。自然ではなく「意図的」が重要で、ギークな人も生かすシステムです。また、エンドツーエンドでは責任を持たないベストエフォートも、システムを安定的にする秘訣です。

僕はインターネットが良いと言っていますが、そうでない人もいます。これも健全なことです。だから、何が何でもコモンプールが良いとは言っていません。ただ、親方から弟子モデルでは、伝承はされても発展はしません。そういう意味で、自立性と自律性が必要です。また、個人の交流が減ると、健全なイノベーションが動きません。

後藤先生からも、進化には時間がかかる、進化のシナリオは、難しいという話がありました。どうなるかは僕らにもわからないところではあります。そんな中で、移行期をどうしていくのか、「どういう状況になったら、僕らはどう反応しようか」ということ、次の10年でどのように向かっていくかを、議論をし始めたところです。

(注:各講演者のコメントの内容は、当日の話をもとに編集を行ったものです。また、各講演者のタイトルは、開催当時のものです。)

(JPNIC インターネット推進部 根津智子)

写真:午後の部
午後の部全体で3時間となるセッションになりました

http://ossipedia.ipa.go.jp/kb/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0

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