ニュースレターNo.45/2010年7月発行
JPNICオープンポリシーミーティングショーケース3開催報告
2010年1月20日(水)に、新潟の新潟市民プラザにて「JPNICオープンポリシーミーティング(以下「JPOPM」)ショーケース3」を開催いたしました。「JPOPM ショーケース」は、特にオペレーターの皆様に、インターネットの運用にも深く関係するアドレスポリシーの最新動向について理解を深めていただくことを目的としており、前回のショーケース2※1と同じように、JANOGミーティングの前日に、同会場をお借りして実施しました。参加者数は、約30名でした。
今回、JANOGでの発表のために来日されていた、APNIC Director GeneralのPaul Wilson氏にもご講演をいただきました。また、プログラム全体として、IPv4アドレス、AS番号といったインターネット資源の「枯渇」に関連した、最近のアドレスポリシーのホットトピックを中心に構成しました。
プログラムは、以下の通りでした。
- Paul Wilson氏ご講演
- IPv4アドレスの移転について
- AS番号に関する動向
- IPv6アドレスに関する動向
- その他の国内で施行されるポリシー紹介
Wilson氏からは、APNICにおけるポリシー制定プロセスの紹介と、先日成立したIPv4アドレス移転ポリシーについてのAPNICにおける実装の詳細に関する紹介、2010年のAPNIC活動プランの紹介がありました。また、講演の最後に、IPv4アドレスの在庫が残り10%を切った際、NRO(Number Resource Organization)が実施するIPv4アドレス在庫枯渇キャンペーンについてお話しいただきました。現時点で、在庫は既に10%を切っており、以下のようなプレスリリースも出されています。
□Less than 10% of IPv4 Addresses Remain Unallocated,says Number Resource Organization
http://www.nro.net/media/less-than-10-percent-ipv4-addresses-remain-unallocated.html
「IPv4アドレスの移転について」では、現在JPNICでも実装検討中となっているIPv4アドレス移転のポリシーについて、制定の背景、制定までの経緯、制定されるポリシーの内容、国外の状況について紹介しました。
「AS番号に関する動向」では、既に2バイトAS番号の在庫枯渇に伴って配布が始まっている4バイトAS番号について、ポリシーの状況、機器の対応状況等の技術的な問題、およびJPNICでのポリシー対応状況の報告がありました。現在ポリシー的には、AS番号は2バイト、4バイトの区別なく払い出されることになっていますが、実際のところ4バイトAS番号の分配を受けた場合に、まだ上流が4バイトASに対応したオペレーションを開始していない、ルータが4バイトAS対応になっていないため設定等が困難といった、運用面に不安が残っているのが現状です。この状況から、配布ポリシー再変更の是非等について、意見募集がありました。
その他、今後予定されている、IPv6アドレス申請手続きの簡素化、WHOIS登録ルールの変更、追加割り振り申請時における歴史的PIアドレスの利用状況確認といったポリシーの実装について、報告がありました。
なお、当日のプログラムと発表資料は、下記URLに掲載していますので、ご参照ください。
□当日のプログラムと発表資料
http://venus.gr.jp/opf-jp/events/showcase3/
(ポリシーワーキンググループ/
NTT情報流通プラットフォーム研究所 藤崎智宏)
- ※1 JPNIC News & Views vol.619 JPOPMショーケース・臨時JPOPMレポート
- http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol619.html