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ニュースレターNo.45/2010年7月発行

第4回IPv4枯渇 Watch
各事業者はより具体的な枯渇対応策を検討する段階へ
~第2回IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース認知度・対応状況アンケート結果より~

IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース(以下TF)が結成されてから、約1年半が経過しました。この間に、Interopやセミナーなど各種イベントを通じた周知活動、アクションプランの作成、テストベッド構築やサービスロゴの制定など、IPv4アドレス在庫枯渇に向けて、さまざまな取り組みを進めてきています。それでは、そういった活動の成果として、ISPやサービス事業者におけるIPv4アドレス在庫枯渇の認知、対応状況はどの程度進んでいるのでしょうか?2009年末から2010年初頭にかけて、TF活動の一環として、各参加団体に加入している組織に対して、2回目のアンケート調査を行いました。2009年3月頃に行った第1回と今回のアンケート結果を比較して、認知および対応がどの程度進捗したかを中心に見ていくことにしましょう。


◆アンケートの全体比較

第1回アンケート実施団体は9団体で、回答者数合計は378件でした。第2回では11団体が実施し、第1回よりも少ない315件の回答を得ています。

業種、職種、地域など回答者のプロフィールにおいては第1回、第2回で顕著な差異は見られませんでした。


◆IPv4アドレス在庫枯渇の認知状況:5ポイント程度認知状況が向上
それではIPv4アドレス在庫枯渇に関する認知が、約半年の間にどの程度進んだのかを見てみましょう。

図1 認知状況(全体)
図1 認知状況(全体)

全体としては、「知らなかった」「時期は不明だが知っていた」という人が減って、「時期も含めて知っていた」という割合が5ポイント程度増加しており、IPv4アドレス在庫枯渇に関する認知は前回よりも進んだと言えるのではないでしょうか。

詳細を業種別で見ていくと、通信事業者、ISPなどのサービス提供事業者は大きな変化はないものの、通信機器製造業とその他製造業のメーカーやベンダーと、システムインテグレーターにおいて、前回よりも数%程度、認知状況が向上しているように見受けられます。これは前回のアンケート結果を基に、2009年度のTFの活動として、メーカーやベンダー、システムインテグレーターへの働きかけを積極的に行った成果が、多少なりとも出てきたのだと思われます。


◆対応・検討状況の進捗について:6割以上が対応策を検討、実施中
続いて、IPv4アドレス在庫枯渇への対応の進捗状況について見てみましょう。枯渇対応策に関して、検討しているか、実際に対応策を推進しているかという点を聞いています。

図2 対応検討状況の変化
図2 対応検討状況の変化

全体では、「既に対応策実施」と「検討中」を合わせると6割以上となっており、前回のアンケート実施時期からは着実に検討および対応が進んだと言えるでしょう。

対応策を実施しているという回答の半分以上が通信事業とISPであり、インターネットの接続を担う事業者が率先して対応を進めていることが見て取れます。前回との比較では、ここでも認知状況と同様に、メーカー、ベンダー、システムインテグレーターの検討と対応が、進んでいるようです。


◆対応策と推進のための課題:NAT利用などの、IPv4アドレス節約が増加
IPv4アドレス在庫枯渇対応として検討している対応策に関しては、どのような状況になっているでしょうか。

図3 検討中対応策(全体)
図3 検討中対応策(全体)
図4 対応策推進課題
図4 対応策推進課題

全体として、前回よりも「IPv6導入」を対応策として選択している割合が下がり、「NAT利用等による節約」「リナンバなどによるIPv4アドレス捻出」といった方法を選択する割合が増えています。

これを詳しく業種別に見ていくと、特にASP・CSP事業者とCATV事業者、その他製造業といった業種で「IPv6導入」の割合が低いことが分かります。ASP・CSP事業者の場合、IPv6対応よりも、NATなどを利用したIPv4アドレス節約の優先順位がかなり高くなっています(前回40.2%→今回49.8%)。その他の製造業者でも、IPv6の導入は30ポイントほど減り、IPv4アドレスの節約・捻出はそれぞれ10ポイント以上も伸びています。

またCATV事業者は、IPv6に対応した新たな規格のケーブルモデム導入が必要になるという点や、製品がまだ十分に整っていないという状況から、「対応策未検討」という回答が、14.8%から47.1%に増加しています。どういった対応策を取るべきか判断しかねているのかもしれません。

いずれにせよ、前回のアンケートの時点は「なんとなくIPv6」と考えていたのが、より現実的、具体的な対応策や対応技術の検討が進んできたことによって、IPv6導入以外を選択する割合も増してきたのではないかと思われます。

また、対応策を進めていく上での課題となっていることを聞き、特に、東京とそれ以外の地域で、入手できる情報やサービス、製品などの困難さで差があるのではないかという予測を基に比較しています。

第1回のアンケートでは、技術知識・情報が不足しているという割合が多く、やはり東京以外の地域では、コストに関する課題とほぼ同じ割合でしたが、第2回では全体的にこの割合が低下しています。その一方で、製品、サービスが不十分という割合が、特に東京で増えています。これも、具体的な検討が進んできたことにより、必要と思われるものが不足している状況が見えてきたことによるものではないかと推測します。


◆TFの活動についての認知状況:アクションプランやテストベッドをぜひご利用ください!
最後に、対応の進捗状況とは直接結びつかないのですが、TFのこれまでの活動や成果物がどれだけ知られているかを聞きました。

図5 TF活動認知状況
図5 TF活動認知状況

TFのWebサイトであるkokatsu.jpやInterop 2009への出展、TF主催の枯渇対応セミナーなどのイベントについてはそこそこ認知していただいている状況です。しかしTFの活動成果である、アクションプランやテストベッド、サービスロゴなどの認知状況は、いまひとつという結果でした。

対応策検討や全体的な進捗を確認する意味で、アクションプランなどは事業者の皆様に大いに活用していただきたいと考えています。また、IPv6の技術的知識習得のためのハンズオンセミナーは今後も継続して開催を予定していますし、自社製品、サービスのIPv6対応検証にはぜひテストベッドを活用していただきたいと考えています。

TFとしてもこういった、これまで参加団体が連携して進めてきた活動を積極的にアピールし、今後より有効に活用していただけるようにしていきますので、今後ともご理解とご協力をお願いいたします。

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