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ニュースレターNo.53/2013年3月発行

Internet Week 2012/IP Meeting 2012
~人のチカラ、インターネットのチカラ~開催報告

2012年11月19日(月)~11月22日(木)の4日間、富士ソフトアキバプラザにて、Internet Week 2012を開催しました。この秋葉原の会場はもう3度目となり、皆様にとっても、会場自体はおなじみとなったかもしれません。しかし今回は、前の2年とは別の階を利用したことで、総合受付が真ん中に配置され、この受付を起点として各セッション会場は放射線状に広がる形式でした。「印象が違う!」という声が多く聞かれましたが、皆様はどのようにお感じになったでしょうか?期間中、延べ2,200名もの方にご来場いただきました。

今年のプログラムと会場の様子

プログラム全般について

IPv4/IPv6・DNS・ルーティング・セキュリティ等々、インターネット基盤に欠かせない技術を基本とし、今年の旬の話題も取り入れ、バラエティ豊かなプログラムを提供しました。有料セッション22(うちチュートリアル11、最新動向セッション8、ハンズオンセッション3)、無料セッション8(うちランチセミナー2、BoF5)、懇親会で、計31セッションとなり、1日平均で7セッションが開催されていたことになります。プログラム一覧については、次のURLをご覧ください。

https://internetweek.jp/program/

チュートリアルを増やした有料プログラム

今年は、「クラウドの運用」「OpenFlow」「標的型攻撃の現状と対策」「スマートフォンのリスク管理」「事業者に関連する法的問題とサイバー犯罪の実態」「ソーシャルメディアの落とし穴」など、今注目の最新動向も取り入れ、すぐに業務に生かせる「チュートリアルセッション」を増やしました。アンケートからも「学びのセッションを増やして欲しい」という声は、前から根強くありましたし、「エンジニアも知らなきゃならない財務会計」「インターネットの決めごとの作り方を学ぼう」などという、いわゆる技術に特化しているわけでないが、技術者が困っていそうだからサポートできるようなプログラムにも取り組んでみたいという気持ちは、運営サイドとしてもありました。こうしたチュートリアルの増量は結果的におおむね好評で、エンジニアの皆様が「取引先の健全性をはかる財務分析」などに耳を傾けている様子はとても印象的でした。

また、ハンズオンもIPv6のセッションだけではなく、OpenFlowについても行われました。このOpenFlowのセッションの参加には、参加者自身が仮想サーバ(VMWare)のイメージを自身でインストールして持参しなければいけないというハードルがあり、運営側でもそれを用意して来られない人のために何名分かの用意をしていたものの、それを超えたらどうしようと心配していました。しかし、ほぼ全員が当日きちんと準備をしてきて、講師も驚いていました。また、参加者のレベルもとても高かったとも聞いています。

写真:OpenFlowのセッション風景
●OpenFlowのセッションには、各自がPCと環境を準備して臨みました

クオリティの高かった無料プログラム

BoFも、ランチセッションも例年以上に盛り上がっていました。特に今年のランチセッションは、株式会社日本レジストリサービスとNTTコミュニケーションズ株式会社の提供でしたが、「両方ともクオリティが高い」という声が、あちこちで聞かれました。嬉しい気持ちでいっぱいながら、有料セッションもますます気を抜けないな、と思いました。

また、昨年行って好評だった無料セッション「インターネット資源管理の基礎知識(ドメイン名/DNS/IPアドレス)」も今年のオープニングプログラムとし、ドメイン名、IPアドレス、DNSなどのインターネット資源管理の基礎について学ぶ時間を設け、Internet Week本体への導入としました。同時に「第23回JPNICオープンポリシーミーティング(P.20)」「第35回ICANN報告会(P.17)」も併設イベントとして開催しました。

資料の配布と会場の様子

2年前から、講演資料の配布については、Webサイトから参加者自身にPDFをダウンロードしてもらう方法をとっています。昨今、PCの持ち出しは会社によってはとても厳しいこともあり、「今年は、自前のタブレットを持ってくる人が多いのでは」と予測し、当日その場で資料ダウンロードページのURLを打ち込むのは面倒だろうと、配布のレジュメにはカメラで撮影できるようQRコードを載せていたのですが、タブレットについてもスマートフォンについても、資料閲覧用としての利用率は見たところそう高そうではなく、普通にPCを持ち込んでいる人が多く見受けられました。さすがは「Internet Week」です。PCとスマートフォンを同時に会場の無線LANにつなげる人も数多くいたようで、会場によってはDHCPで割り当てるIPアドレスの数が足りなくなり、ネットワークチームが急遽アクセスポイントを追加したりしていました。

今年の運営における舞台裏

運営の「舞台裏」というものは、参加者の皆様は知る必要もないことかと思いますが、しかし、今年のドラマとして個人的にも感慨深かったことをここに三つほど記しておきたいと思います。

デジタルサイネージの設置

株式会社SRAのご好意により、会場の総合案内として「デジタルサイネージ」を設置することができました。総合受付の横に大きく置かれていたので、きっと皆様の目に留まったことでしょう。

サイネージの画面をタッチすると、4日分のスケジュールはもちろんのこと、会場マップ、各セッションの詳細、講演資料閲覧用のQRコード、RSS、Facebook、Twitterなど、ありとあらゆる情報を見ることができます。また、セッション開始前には「まもなくセッションが始まります」というアラートも出てきます。

このサイネージは同社が今後販売していきたいと考えているもので、ゆくゆくはこのサイネージと同じ内容をスマートフォンでも閲覧できたり、オンラインショッピングが楽しめたり、いろいろな用途に使えるようにしていきたいとのことです。今回、試作だからと贅沢にもこの4日間のInternet Weekのためだけに特別にカスタマイズしていただきました。デジタルサイネージであれば、利用者がどういう情報を欲してどこを閲覧しているかなどもアクセスログからわかり、それを元にその後に情報の見せ方を工夫させることもできます。会場で何人もからこのサイネージについて聞かれました。ある意味、このサイネージも「Internet Week 2012の主役の一つであった」と言えるかもしれません。

このサイネージの作成のために、株式会社SRAの皆様とは、何度も打ち合わせを重ねて作成していただきました。ここにお礼を申し上げます。

学生ボランティアがネットワークチームのお手伝い

昨年から引き続いて2回目の企画なのですが、ICT教育推進協議会と連携することで、Internet Weekのネットワークチームとして、5名もの学生の皆様に活躍いただきました。今井慶人さん、川本隆史さん、權裕文さん、砂辺樹慶人さん、服部和大さんです。

昨年は2名の学生さんでしたが、今年は5名になったことで、並行処理できる仕事も増え、事前のネットワーク設計、サーバ構築、ネットワーク敷設から当日のサポート、後片付けまでをそれぞれの持ち味も生かし、分散化しながら安定して作業をしていたように見受けられました。特に服部和大さんは昨年に引き続き2年目参加で、リーダー格としても活躍していたように思います。

会場のアドレスが足りなくなったり、ハンズオンセッションが並行して走ったりして、バタバタしがちだった現場も、1日のToDoを時間ごとにホワイトボードに書いて整理し、時間になると的確に処理し、空いている時間はセッションに出たり、出店されていたO'Reilly社の本を買って楽しそうに眺めていたり、ネットワークの監視プログラムを自分で作っていたりする様子を見るにつけ、「なんて頼もしいのだろう」とほほえましく思いました。

Internet Weekの会場にいると、どこかのプログラムで必ず一度は「ネットワーク業界の高齢化を何とかせねば!」などと、若干暗めの話がされているのを聞いたりするものですが、こういう風景を見ると、「いろいろ言っていないで、元気に働かなくちゃいけないのは私達の方だな」と思わされました。

写真:学生ボランティア諸君
●懇親会会場で紹介された学生ボランティアの皆さん

広くなった?事務局スペースとIP Meetingのサテライト会場

例年は事務局として小さな部屋を一部屋、講師の方々の控え室・打ち合わせスペースとして小さな部屋を何部屋か利用しています。しかし、今年は導線の兼ね合いなどから大部屋を一つ借り、それをホワイトボードや机で仕切って何島か作ることで、事務局スペースと講師の控えスペースが同じ空間に同居することになりました。

Internet Weekの一つの特徴として「講師の方の数が多い」ということがあげられます。例年100~150名の方がおり、同じセッションの講師陣が講演のために事前に打ち合わせなどをすることも珍しくありません。

今年はそうした「大部屋」しかないため、いくつかのセッションの打ち合わせが並行して走った場合やお昼の時間などにうるさすぎるのではないか、スペースが足りないのではないか、などという心配をしていました。

しかし、結果的にこうした心配は杞憂に終わりました。このスペースに多くの人が集まることで、そこがいろいろな人との出会いの場にもなり、とてもよかった、という声を数多く聞きました。

また、この事務局大部屋は、最終日には、人が溢れたIPMeetingのサテライト会場にもなり、多くの関係者やプログラム委員がこの部屋からIP Meetingを堪能していました。富士ソフトアキバプラザから多くの技術支援もあったため、この部屋で大スクリーンを見ながら、会場と同じ雰囲気を事務局にいながら堪能することができました。

「人のチカラ、インターネットのチカラ」を考える、そして2013年のInternet Week開催に向けて

今年のInternet Weekのテーマは、「人のチカラ、インターネットのチカラ」でした。これは統括の前村が表現した通りの願いをこめて作成したものです。

「人々の努力によって日々成長し、たくましくなっていくインターネット。そして、それを支え続ける人、インターネットを使ってこれからの世界を作っていく頼もしい人。そういう、人のチカラとインターネットのチカラを感じ、元気になるようなInternet Weekをめざすため、Internet Week 2012のテーマを、「人のチカラ、インターネットのチカラ」としました。

こういうことを言うと身も蓋もないのですが、こうしたテーマはあってもなくても、特にイベントの盛り上がりに影響はないのかもしれません。しかし、私達はここ数年、このテーマを何にするかに少なくない議論を重ねています。というのも、今年はどういう世相だったのか、その中で私達はこのイベントで何を大切にしたいかを、届けることが重要ではないかと考えているからです。

今年のテーマは、インターネットの本質を表すような内容になり、行き着くところにきたな、と感じました。Internet Weekのプログラム委員は皆ボランティアですし、このイベントに関わった誰一人が欠けても、Internet Weekは成立せず、本当に参加者全員によって作り上げられているイベントだ、そう感じています。足をお運びいただいた皆様をはじめとして、講演者の皆様、協賛企業の皆様、プログラム委員の皆様、関係者の皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。

皆の口から、来年はどのようなワードが出てくるのでしょうか。苦しみでもありますが、なんだかんだ言って、一番それが生まれるのを楽しみにしているのは、運営をしている私達なのかもしれません。日程および場所ともに確定していませんが、2013年のInternet Weekも11月最終週に秋葉原で開催したいと考えています。決まり次第、ご案内いたします。

Internet Week 2012の講演資料、参加者アンケートの結果、BoF開催報告、写真につきましては、2013年春に以下のURLにて公開しておりますので、こちらもぜひご覧ください。

http://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/

Internet Week 2012 概要

【会期】 2012年11月19日(月)~22日(木)4日間
【会場】 富士ソフト アキバプラザ(東京・秋葉原)
東京都千代田区神田練塀町3 富士ソフト秋葉原ビル
http://www.fsi.co.jp/akibaplaza/cont/info/access.html
【URL】 https://internetweek.jp/
Twitter https://twitter.com/InternetWeek_jp
Facebook https://www.facebook.com/InternetWeek
【主催】 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)
【企画】 Internet Week 2012プログラム委員会
【協賛】 NTTコミュニケーションズ株式会社
株式会社日本レジストリサービス
株式会社SRA
グリー株式会社
さくらインターネット株式会社
日本インターネットエクスチェンジ株式会社
【ネットワークスポンサー】 シスコシステムズ合同会社
富士ソフト株式会社
【後援】 総務省/文部科学省/経済産業省
ICT教育推進協議会(ICTEPC)
IPv6普及・高度化推進協議会(v6pc)
財団法人インターネット協会(IAjapan)
仮想化インフラストラクチャ・オペレーターズグループ(VIOPS)
一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)
一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)
一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)
一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)
日本シーサート協議会(NCA)
日本DNSオペレーターズグループ(DNSOPS.JP)
一般財団法人日本データ通信協会(Telecom-ISAC Japan)
日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG)
特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)
日本UNIXユーザ会(jus)
フィッシング対策協議会
WIDEプロジェクト(WIDE)

(JPNICインターネット推進部 根津智子)

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