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ニュースレターNo.55/2013年11月発行

APNIC20周年関連報告

今回のカンファレンスは2013年8月20日(火)〜30日(金)の日程でしたが、APNICが誕生したのは1993年9月1日、APCCIRN(Asia-Pacific Coordinating Committee for International Research Networking)の承認によって、APNICパイロットプロジェクトが開始した時です。まさに20年の記念日を迎える直前であったことから、今回は20周年の節目となるカンファレンスとなりました。本稿では、20周年関連の報告をします。

西安は前漢時代に長安と命名され、以降、隋、唐などの国が首都としました。2000年以上前から首都として栄え、中国とヨーロッパを結ぶ交易路であった、シルクロードの中国側の始点とされています。APNICが20年の節目のカンファレンスをこのような歴史的な都市、西安で行うことは、人類の歴史の中ではほんの短い期間である20年を第1歩として、インターネットの未来に向けて歩みだすという展望を感じさせ、非常に意義深いものだと感じられます。この点は、私がAPNIC理事会議長として、オープニングセレモニーでご挨拶した中にも含めました。

20周年の関連のセッションとしては、28日(水)に開催されたレセプション「APNIC 20th Anniversary Celebrations」と、30日(金)の午前に行われた「20th Anniversary Plenary」がありました。これ以外にメインホール横のホワイエには、ストーリーボードと名づけられた、APNIC20周年の歩みを、1年ずつまとめた大きなパネルが、会期中ずっと展示されていました。

APNIC 20th Anniversary Celebrations

APNIC 20th Anniversary Celebrationsでは、冒頭で20周年記念のケーキカットを、現地に全員揃った、8人の理事合同で行いました。パフォーマンスでは、奥谷の報告にもあった通り、砂絵のパフォーマンスが秀逸でした。砂絵のアーティストが、バックライトで照らされた硝子の台に手で砂を落として絵を描き、それを一部消して次の絵を描くなど、時々刻々と絵が変化していきます。会場に集まった人々は、スクリーンで、台の上に設置したカメラで撮った、変化していく絵を見る、という形です。

APNIC20周年の歴史の中から、パイロットプロジェクトの東京(JPNIC内)での業務開始、第1回APNICミーティングが開催されたバンコク、1998年のオーストラリアへのオフィス移転などが、砂で描かれました。それに続いて、枯れた木と繁った木が現れ、枯れた方にIPv4、繁った方にIPv6と示された後、APNICの20周年記念ロゴで締められました。

20th Anniversary Plenary

20th Anniversary Plenaryは、パネルチェアとしてRIPE NCCで長年コミュニケーション関連部門の責任者であるPaul Rendek氏を、パネリストにはAPNICコミュニティからは多様なプレイヤーを迎え、JPNICの奥谷もパネリストの1人でした。

パネルディスカッションに先立って、APNICの20年の歴史を振り返る発表を、私から行いました。その後、Rendek氏は、「どうやってAPNICに関わるようになったのか」「なぜ今も関わっているのか」と言った質問で、パネル議論の口火を切りました。印象的だったのは、APNICが単なるIPアドレスレジストリとしてではなく、トレーニングや技術情報の提供者として、また、コミュニティの人々が集う場として、高く評価されていることでした。

次に、フロアにいたAPNICの事務局長であるPaul Wilson氏から「リーダーシップというものと、意見を聞くということは相反していてバランスを取るのが難しいが」と問いかけがあり、主にコミュニティに対する意見聴取のあり方や、双方向コミュニケーションのあり方に議論が進みました。その後、リーダーシップという言葉が、次世代のリーダー養成にシフトしていき、学生などの若い世代をAPNICの場、あるいはいろいろな地域のNOGに引き入れていくべきといった意見が聞かれました。最後には今後の課題に話題が移り、IPv6、他のコミュニティとの協調、インターネットガバナンス、五つのRIR間や、ICANNなどの団体との協調関係などの課題が、パネリストやフロアから指摘されました。

以上のような内容で、パネルチェア、パネリストだけでなく、フロアからも多岐にわたる建設的意見が多数聞かれ、今後のAPNICのあり方を考える上で、とても示唆深いものとなりました。

20th Anniversary Plenary のパネルの陣容、内容などは、こちらからご覧になれます。
http://conference.apnic.net/36/program#session/61555


20年という節目を、歴史的な都市でにぎにぎしく迎えることができて、APNIC 36カンファレンスは、非常に印象深いものとなりました。理事の1人として、パネルで示されたものを始めとした課題に取り組み、APNICが次の節目を充実した成果の中で迎えられるようにできればと考えています。

(JPNIC インターネット推進部 前村昌紀)

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