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ニュースレターNo.56/2014年3月発行

第25回JPNICオープンポリシーミーティング報告

2013年11月26日(火)に、Internet Week 2013との同時開催イベントとして、第25回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM)を開催いたしました。本稿では、提案議論の概略、および、いくつかの情報提供トピックスについて紹介します。

JPOPMは、日本においてIPアドレス、AS番号等、インターネット資源の管理ポリシーを検討・調整し、コミュニティにおけるコンセンサスを形成するための議論の場です。年2回の開催で、JPNICとは独立した組織であるポリシーワーキンググループ(ポリシーWG)が主催しています。ミーティングのプログラムは、ご応募いただいたポリシー提案や情報提供プレゼンテーションから構成しています。今回は、3件のポリシー提案がありました。情報提供プレゼンテーションでは、インターネットガバナンス(IG)に関連したトピックについて、ICANN (Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)の方にも登壇いただきました。

ミーティングには、オンサイトで約40名(関係者含まず)の皆様にご参加いただきました。今回も、JPNICの協力により、映像ストリーミング、Jabberチャット、Twitterによるリモート参加環境を構築しました。ストリーミングにおいては、平均20程の同時視聴数がありました。会場で、またリモートでミーティングにご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

今回議論された提案について

今回は3件の提案について議論を行いました。

  • 025-01 AS番号移転提案 (prop-107 in APNIC)
  • 025-02 返却IPv4アドレスの配布について(prop-105 in APNIC)
  • 025-03 IPv6割り当て情報の登録について

前半の2件(025-01、025-02)は、APNICのオープンポリシーミーティングでコンセンサスを得て施行されたポリシーについて、日本国内での実施の是非を問う提案で、最後の025-03は新規の提案です。

写真:会場での議論の様子
● 会場での議論の様子

まずはコンセンサスとなった提案を簡単にご紹介します。

025-01は、現在IPv4アドレスについて行われている「移転」を、AS番号でも実施できるようにするための提案です。議論では、移転の履歴が公開されるのかどうかについて質問がありました。IPv4アドレスの移転においては移転の履歴を公開していますが、IPv4アドレスの移転に関するポリシー文書自体では、履歴を公開するかどうかに関しては触れられていません。そのため、AS番号の移転においても、履歴の公開についてはポリシーの実装時に、可否を含めて検討が行われることになると思われます。

025-02は、レジストリへ返却されるIPv4アドレスとIANAからレジストリへ再配布されるIPv4アドレスを、最後の/8ポリシーで配布された/22のアドレスブロックに加えて分配を可能にするための提案です。「再配布されたアドレスブロックが既存のLIR(ここではAPNICとの契約のあるLIR)すべてに分配することが可能な量であることの確認」等の、APNICコミュニティで議論された際の質問が紹介されました。

写真:百崎氏
● 返却IPv4アドレスの配布について提案した百崎氏

次に、コンセンサスとならず継続議論となった025-03についても紹介します。

本提案は、LIRに割り振られたIPv6アドレスを割り当てる際の、データベースへの登録基準に関して、次の2点を提案しています。

  • 現状の/48単位でのデータベース登録を変更し、/56単位での登録とする
  • ユーザーに対し、複数サブネット(/64より大きいプリフィクス)割り当てを実施している場合、データベース登録を必須とする

議論では、登録すべき情報の具体的内容や提案により実現したい点の確認、実現にあたっては国内のみの変更にとどまらず、RIRにおけるシステムやポリシーの変更が必要になる点について説明が行われました。

本提案は議論の結果、コンセンサスには至って無いと判断しましたが、影響範囲がRIRコミュニティに広がる可能性について、提案者から今後意見収集を行うことを検討すると補足がありました。意見収集の結果によっては、再び議論できる環境が整う可能性があります。そのため、継続議論扱いとして提案をコミュニティに差し戻すこととしました。


その他、現状の日本におけるポリシー策定プロセス(PDP)の解説、「モンテビデオ声明」に関する説明、ICANNの取り組みの紹介を通じた昨今のインターネットガバナンスを取り巻く状況をお知らせする、アップデートのセッションを実施しました。次のURLに当日の発表資料を掲載中です。議事録も掲載されておりますので、ご参照ください。

ミーティングを振り返って

提案と情報提供が中心となるJPOPMですが、今回はインターネットガバナンスに関するアップデートのセッションへ、ICANNのスタッフに登壇いただいたのがいつもと違う試みでした。JPOPMは、インターネットの番号資源に関するポリシーについて議論することを主たる目的にしていますが、番号資源のみを話題にするのではなく、インターネットの維持に関する各種取り組みの情報を提供することも、重要な役割だと考えています。今後も、可能な範囲で各種情報の提供を通じて、このフォーラムの機能を強化したいと考えています。

次回のAPNICカンファレンスは2014年2月末に、タイのバンコクで開催されます。ミーティングの詳細については、下記のURLでご覧になれます。


最後になりますが、オンサイト、リモートともに議論にご参加いただいた皆様、ご発表いただいた皆様、ありがとうございました。

次回のJPNICオープンポリシーミーティングは、2014年6月頃に開催予定です。アドレスポリシーに関してご意見をお持ちの方の提案や、プレゼンテーションのご応募をお待ちしています。今回ご参加いただけなかった方も、ぜひともご参加ください。

(ポリシーワーキンググループ/グリー株式会社 橘俊男)

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