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ニュースレターNo.56/2014年3月発行

第51回JPNIC臨時総会、講演会および役員懇談会の報告

2013年12月13日(金)、第51回JPNIC総会(臨時総会)を東京都千代田区の富士ソフト アキバプラザにて開催いたしました。今回の総会では、1件の報告事項のほか、2013年度補正予算案の1議案につき、会員の皆様にお諮りしました。本稿では、各議案について簡単にご報告します。

理事長挨拶、その他

総会の開会に先立って後藤滋樹理事長から、Internet Week 2013が多くの参加者を得て、成功裏に閉幕した旨が報告され、会員の皆様のご協力への感謝が述べられました。

また、昨今国内外でさまざまな動きを見せているインターネットガバナンスに関して、JPNICとしてはこれまで同様に、インターネットガバナンスのより良いあり方を模索し、会員の皆様とともに議論に積極的に関与し、併せて、適宜情報提供を行う所存である旨が説明されました。

その後、理事長挨拶に続き、議長選任、議事録署名人指名の後、報告事項の説明を行いました。

報告事項:IPアドレス等料金に対する消費税増税の対応について

2014年4月1日より、消費税率が現在の5%から8%へ変更されることに伴い、IPアドレス、AS番号等の各料金に関しては、本体価格は従来のまま変更は無いものの、かかる消費税については、5%から8%へ変更する旨がIP事業部次長の伊勢より報告されました。

第1号議案:2013年度補正予算案承認の件

本議案は、2013年3月15日(金)に開催された第49回通常総会にて承認された、2013年度収支予算に変更が生じたため、作成した補正予算案についてお諮りしたもので、変更する各経常収益、費用について林事務局長が説明を行いました。

議案の説明に引き続き質疑を求めましたが、出席正会員からの質疑は無かったので、その後議案の賛否を会場にお諮りした結果、原案の通り可決されました。

経常収益予算 500,500,200円
(当初予算比 +29,960,200円)
経常費用予算 534,810,000円
(当初予算比 +23,600,000円)

以上をもって、総会は閉会となりました。

総会閉会後、インターネット推進部部長の前村より、昨今話題となっているインターネットガバナンスの動向について、ご報告させていただきました。国際会議の場においてさまざまな議論が行われている中、JPNICとしては、引き続き動向を注視し、積極的な関与を行い、今後もタイムリーに情報を提供していく旨が発言されました。

写真:百崎氏
● 総会の様子

講演会および役員懇談会の様子

総会に引き続き、恒例となっている講演会を行いました。今回は、「2013年を振り返る〜新たなセキュリティ事例の紹介と今後に向けて〜」と題して、一般財団法人日本データ通信協会 テレコムアイザック推進会議(Telecom-ISAC Japan)企画調整部長の西部喜康氏にご講演いただきました。

サイバー攻撃に関して、近年どのような傾向/変遷があるのか重要なインシデントとともに説明があり、これらが特に「ネットワークデバイスの脆弱性」を突いたものであるとのお話がありました。

サイバー攻撃のパターンを具体的に紹介しながらお話しいただき、特に、ブロードバンドルータの脆弱性に起因するサイバー攻撃に関しては、ISPによる対応とともに詳細な説明が行われました。また、Telecom-ISAC Japanで行われた脆弱性の調査に関する報告が行われ、最後に、ネットワークデバイスがサイバー攻撃の対象やインフラとして悪用される危険性が存在することや、その危険性の高さについてはより詳細な情報収集が必要であり、まだ計り知れない部分があることが再度強調されました。インターネット機器の脆弱性や対処については、利用者への注意を促す仕組みや、意識の向上を図る仕組みも必要です。それらについても関係者への働きかけを実施すべきとのまとめで、講演会は終了しました。

サイバー攻撃に関しては、近年メディアでもよく見かける事件となっており、今後もインターネットの広がりに伴って、さらに増えていくことが予想されます。今回の講演では、対岸の火事として眺めている場合ではないことをあらためて認識し、業界全体で協力して対策を行っていくべきだと強く感じました。

講演会と並行して、別の会議室ではJPNICの役員懇談会が開催され、既にJPNICのトピックスとしてご紹介させていただいた、VNNICとのMoU締結のための調印式が行われました。

VNNIC事務局長のHoang Minh Cuong氏らは大きな拍手で迎えられ、簡単な自己紹介が行われた後、VNNICに関するプレゼンテーションを行っていただきました。ディスカッションの場では、今後の協力体制について前向きな議論が活発に行われ、今後の連携をより充実させていくことを両者で確認しました。

両者は、主に次の分野において協力することで合意しています。

  • アドレス管理ポリシーの運用および提案に関する情報・意見交換
  • NIRとしての活動の情報・知識共有
  • ルーティングセキュリティなどの番号資源関連技術
  • IPv6の普及・促進

VNNICおよびJPNICは、アジア太平洋地域およびベトナム、日本それぞれにおけるインターネットの発展に貢献するために今後も協力、連携を行ってまいります。

その他、役員懇談会では、インターネットガバナンスに関する議論や、ドメイン名政策委員会に関しての状況共有が行われ、JPNICとしての対応策が役員間で議論されました。

写真:代表者による握手
● 役員懇談会では、VNNICとJPNICによるMoU締結の調印式が行われました

(JPNIC 総務部 手島聖太)

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