ニュースレターNo.6/1996年7月発行
1. 巻頭言 新たな体制への期待
学術情報センター研究開発部
浅野 正一郎
JPNICの発足以来、非営利ネットワークの分類を得て会員として参加してきている。今日のJPNICは、当初のボランティアとしての活動に携わった委員や現在の事務局長を始めとするスタッフの献身的な努力により、大きな変貌を遂げている。これは単に、インターネット事業者を中心とした会員の増加やJPNICの財政基盤の確立のみでなく、社会的な認識が高まったことが特筆されなければならない。
このような経緯を継承することは当然であるが、インターネットが先人の手から離れ、社会への要請に広く応えていくための体制の整備も怠ることはできない。現在、任意団体から法人へと組織を変更するための作業が行なわれているが、これとて体制の整備の一部でしかない。現在抱えている事業経営に係わる諸問題の解決方法について、事業者やオペレータの意見の集約を経て社会に働きかけるための行動や、ネットワーク利用に伴う諸制度の在り方に関する見解を示すことなど、より積極的な活動が展開できる体制とすることが目標と信じている。またインターネットの高度化のための技術検討や新技術のβ試験など、多くの関係者の参加が前提となる活動は、JPNICを発展させ、また活力ある人材を登用しつつ活性な組織を維持し、日本では経験しなかった組織とすることは十分に可能であろう。インターネットが生んだカルチャーは、魅力ある組織を形成するものと確信している。