メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

ニュースレターNo.6/1996年7月発行

2. 最新トピックス

2.1 IPアドレスに関する最近の動向

現在IPv4のアドレスの割当基準の見直しが行なわれていることはご存知でしょうか?これは現在、IPアドレスの割当基準として文書化されているRFC1466を現状に合わせて改定しようと言うもので、実際に現在Internic、RIPE-NCC、APNICの地域レジストリでとられている割当方針をまとめて、レジストリに対するガイドラインとしてRFC化しようというものです。この原稿を書いている時点ではまだインターネットドラフトの段階ですが、発行されるころにはRFC化されている可能性もあります。最新のドラフトは"draft-hubbard-registry-guidelines-02.txt"で、JPNICのFTPサーバから入手可能ですので是非ともご一読下さい。

ftp://ftp.nic.ad.jp/pub/internet-drafts/draft-hubbard-registry-guidelines-02.txt

まず、この文書に示される基準は、実際にIPアドレスの割当を行なう全ての組織に対する指針となるものです。このIPアドレスの割当を行なう組織とは、日本では日本のローカルレジストリであるJPNICや、JPNICからアドレス割当業務委任を受けた全てのISPがその対象となります。ここに述べられるものを補完する形でローカルレジストリで独自の方針を持つこともできますが、基本的にはここで示される指針にのっとったものである必要があります。従って特にローカルルールが示されていないものに関しては、この指針にのっとった割当が行なわれます。

ここに示されている割当基準は、現在の経路制御やルータ技術の持つ特質や制限を特に考慮して定義されています。これらの制限に打ち勝ち、インターネットを今後もこれまでのペースで発展させ続けるためには、現在のところここに述べられている割当基準以外には考えられないとされています。

以下にこのドラフトに示されている割当基準の内容を簡単にまとめます。

2.1.1 インターネットに接続を持つ組織に対するアドレスの割り当て基準

APNICやJPNICのようなレジストリから直接IPアドレスの割当を受けられる条件として以下の3つのうち少なくとも一つを満たしている必要があります。

  1. 組織が、現在も将来も、インターネットに接続する意志がなく、しかも世界的にユニークなIPアドレスが必要な場合。このような組織はRFC1918で予約されたアドレスを利用することを考慮しなければならない。これが不可能であると判断された場合、ユニークな(インターネットで経路制御の対象にはならないだろうが)IPアドレスが割り当てられる。
  2. 組織がマルチホームしており、全ての接続を均等に利用する場合。
  3. 組織の要求が非常に大きく、例えば要求をカバーするネットワークプリフィックス長が/18以下である場合。

これ以外の組織はRFC1918に述べられているプライベートアドレスを利用するか、CIDRによる経路情報の集約効果を最大限に得るために、接続を持つISPから割当を受けるべきだとされています。

現在、経路情報の集約が可能なアドレスブロックとそうでないアドレスブロックを明確に区別するため、JPNICでは次のようなパイロットプロジェクトを行なっています。すなわち、JPNICでは組織に対する直接の割当を一切行なわず、国内の組織から出された申請は全てAPNICに対して仲介します。そして、APNIC側で予めそのような割当用(集約が可能でないアドレス用)に予約したブロックからそれらの申請に対する割当を行なうというものです。

また、ISPから割当を受ける場合も、レジストリから直接割当を受ける場合もその割り当てられたアドレス空間の利用率に関して以下の条件が設けられます。

  1. 割り当て直後に25%の利用率
  2. 一年以内に50%の利用率

これらの利用率に関しては、アドレスの申請時に根拠のある予測を示さなければなりません。また、この利用率に照らし合わせた結果、割り当てられるアドレス空間が/24よりも長いプリフィックスになることもあり得ます。また、詳細な理由を提示しない限り、機器が対応していないことによる例外措置は適用されなくなります。アドレスの割り当ては、VLSMが実装されているか、実装予定であることを仮定して行われます。さらにこの利用率の計算は、過去にその組織に割り当てられているIPアドレス全体に対して行なわれます。

2.1.2 ISPに対してアドレスブロックを委任するための基準

CIDRを用いた階層的なアドレス体系を促進するために、ISPはレジストリからCIDRブロックの割り振りを受け、そのブロックの中からそのISPに接続される組織に対してアドレスの割当を行なっていく必要があります。

しかし、CIDRによるアドレス集約を最大限に行なうために、以下のいずれかの条件を満たすISP以外は、レジストリからCIDRブロックの割り振りを受けることができず、経路制御的に上流にあるISPのもつCIDRブロックの中からアドレスブロックの割り振りを受けなければなりません。

  1. ISPが主要な相互接続点に直接接続している。(この文書においては、主要な相互接続点とは、4つ以上の独立したISPが接続された、OSI参照モデルの第2層での接続を行なう中立な相互接続点であると定義される。)
  2. ISPがマルチホーム、すなわち、世界的なインターネットに対して複数の接続を同時に行い、どれか一方をメインにするという使い方をしない場合。

このISPに対するIPアドレスブロックの割り振りの指針としては要約すると以下のものが示されています。

  1. CIDRアドレスはISPにブロックで割り振られ、そのISPに接続を持つユーザに対して接続の期間中貸し出されるものとする。インターネットへの接続契約が終了した場合、そのユーザは使用中のアドレスを返却し、新たなISPのアドレス空間にrenumberすることが要請される。
  2. CIDRの効率的な実現と利用のために、地域レジストリはCIDRでサポートされている適切なビット境界に従ってアドレスを発行する。
  3. ISPはアドレス空間を効率的に利用することが要求される。このためISPは、各割り当てに対して文書で根拠を提示できるようにしておかなければならない。
  4. IPアドレスは"slow-start"手順によってISPに割り振られる。つまり新しいISPには初期の要求に基づいた最低量の割り振りが行われ、その後、そのブロックからの割当が進むにつれて、割り振られるブロックが徐々に大きくなっていくようなやり方をとる。
  5. IPv4アドレス空間の利用効率を上げるため、全ての割り当ては、各サイトでは可変長サブネットマスク(VLSM)およびクラスレスな技術を使用することができるという仮定に基づいて行われるべきである。
  6. 地域レジストリは割り当てサイズの上限を設け、そのサイズを越える割当に際しては(ISPの判断のみではなく)地域レジストリの判断が要求されるようにしても良い。
  7. IPv4アドレス空間の残りが限られているため、ダイアルアップユーザに静的にアドレスを割り当てること(例えば、顧客毎にアドレスを一つづつ)は止めるべきである。可能な限りダイナミックにアドレスを割り当てる技術を導入するべきである。

全てのサブレジストリ(ISPやローカルレジストリなど)は、自分が割り振りを受けているアドレスブロックの中から組織に対して割当を行った場合には、そのアドレスブロックの割り振りを行った地域レジストリに登録を行わなければならない。およそ80%の再割り当て情報が登録されるまでは、追加のCIDRブロックが地域レジストリや上流プロバイダから割り当てられることはない。

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.