ニュースレターNo.6/1996年7月発行
2. 最新トピックス
2.2 ドメイン名の割り当てに関する最近の動向
新しいドメイン名の構造に関する検討
ホストやメイルの宛先の表記の一部として、ドメイン名は重要な役割をしています。現在、ドメイン名は、基本的には、そのホストやユーザの所属する組織に対して割り当ていますが、最近のインターネット上でのドメイン名の利用の状況を見ると必ずしも、このような枠組ではマッチしにくい例が多く見られるようになってきました。
たとえば、WWWサーバのようなインターネット上でのサービスを識別する目的でドメイン名を割り当てることが広く行なわれています。このようなドメイン名の取得には、現在の枠組では通信サービスまたは任意団体として、OR.JPドメインを取得することになり、これはパソコン通信など個人を対象とするネットワークサービスという本来の目的とは、ややずれたものとなっています。
インターネット上でビジネスを展開する企業には、その企業を識別するドメイン名のほかに、企業が展開するサービスや製品・ブランドに対してもドメイン名を割り当て欲しいという要求がしばしば聞かれます。また、展示会や催し物、スポーツ大会などのイベントに対する、一時的なドメイン名の割り当ての希望も聞かれるようになってきました。
ドメインワーキンググループでは、このような要求も含めて、現在の組織を基本とする現在のドメイン名の構造を、新しい要求や実情にあった構造にするための検討を開始しました。またこれと並行して、現在のドメイン名割り当て・運用に関する課題とその解決について検討しています。
具体的には
- 商品やサービス、イベントといった新しいカテゴリのドメイン階層の 追加とその具体的な運用方法方法。また、それに関連する商標権等の問題の検討、
- 地域ドメインの改善と、割り当ての地域への委譲の検討、
- 第3レベルドメイン名の一意性ルールの廃止とその手順、
- 個人や家庭といったこれから急増するであろう新しいインターネット参加エンティティとドメイン名の関係
そして、
- 急増するドメイン申請を円滑に処理するための、割り当てルールから みた改善策の検討
などが検討されます。商品やサービス、イベントに関する新しいドメインカテゴリについては、要求が急速に高まってきており、今年度中の導入を目指して検討を開始しました。
これらの問題は、ドメインワーキンググループだけでは十分な検討ができません。そこで、弁護士や弁理士といった専門家を交えつつ、利用者を含めたオープンな場での検討が必要です。そこで、JPNICでは、これらの問題に関する会員およびインターネット利用者との検討および意見交換を行なうための、メイリングリスト
talk@domain.nic.ad.jp
を開設しています。このメイリングリストにはどなたでも参加して頂けます。参加ご希望の方は
talk-request@domain.nic.ad.jp
に、ご連絡ください。