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ニュースレターNo.68/2018年3月発行

インターネットことはじめ

第3回インターネットを爆発的に普及させたウェブ(WWW)ができるまで

WWW前史

WWW(World Wide Web、単にウェブとも言います)は、 今や誰もが利用していますが、 1990年代から始まったインターネットの急速な普及において、 その原動力となったものです。 普段使うインターネットのサービス、例えば、SNS、ゲーム、ビデオなどにも、 WWWの技術が数多く使われています。

イラスト:博士

WWWの誕生については、欧州原子核研究機構(CERN)に所属していたTim Berners-Leeが、 研究に関連するドキュメントやデータを簡単に研究者仲間と共有するために考案した、 という話を聞いたことがある人も多いかもしれません。 しかし、彼が一からすべてを考案したわけではありません。

WWWでは、「ハイパーリンク(以下、リンク)」をクリックすることで、 自由に文書を行き来できます。 今や当たり前に思える、この「クリック一つで文書間を行き来できる」という考え方は、 非常に斬新なことであったのです。 この考え方の発端は1945年に米国のVannevar Bushが発表した記事に書かれた、 “As We May Think”に書かれた、 マイクロフィルムに膨大な情報を記録して相互に関連付け、 自由に注釈を付けられるという、memex(メメックス)という装置でした。 もっとも、「こういう装置が欲しい」と書かれただけで、 この時点で実現されたわけではありません。

このmemexに触発され、実現しようとしたシステムとして有名なのが、 1960年代にDouglas Engelbartらによって開発されたNLS (oN-Line System)と、 Ted Nelsonらによって進められたザナドゥ計画(Project Xanadu)です。 特にNLSは、世界で初めてハイパーテキスト、マウス、ブラウン管ディスプレイ、 グラフィカルなユーザーインタフェースを実用化したと言われています。 どちらも普及には至りませんでしたが、 そもそも「ハイパーテキスト」という用語は、 Nelsonが考案し、1965年に初めて発表したものです。

それからずっと時が流れた1987年、 Apple社が発売していたMacintoshコンピュータ(iMacの先祖)用にHyperCardというプログラムが作られました。 これは複数のカードを相互にリンクする形でのハイパーテキストシステムです。 当時のMacintoshコンピュータも高価でしたが、 ある程度の市場を形成しており、HyperCardも一定の成功を収めました。 この成功によって、ハイパーテキスト、 ハイパーリンクの概念や使い方が市民権を得たと言っていいでしょう。

WWWの誕生と普及

イラスト:ロボット

HyperCardの登場からさして間を置かず、 1989年に前述の欧州原子核研究機構(CERN)に所属していたTim Berners-Lee が、 “Information Management: A Proposal”という提案書を執筆します*1。 素粒子の実験を行う複雑な加速器と、 それを使った実験に関する情報をまとめ上げるための解決策として、 ハイパーテキストを提案し、1990年11月12日、 実際にハイパーテキストシステムを3ヶ月から6ヶ月で開発するという“WorldWideWeb: Proposal for a HyperText Project”*2を提案しました。 これがいわゆるWWWです。 提案書ではハイパーテキストがどんなものなのかが説明され、 WWWブラウザとWWWサーバについても、明確に述べられています。 上司からは「よくわからないが興味深い」との評価を受け、開発がスタートし、 その年のうちにサーバとブラウザが動き始めました。 ここにWWWは産声を上げたのです。

1991年8月6日には、Lee自身によってプロジェクトの概要が一般に公開されています。 しかし、これらのサーバとブラウザが動いたのは比較的高価なワークステーションと呼ばれるコンピュータの上であったため、 普及にはいましばらくの時間を要し、本格的な普及のきっかけになったのは、 1993年11月に米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)からリリースされたMosaic(モザイク)というブラウザでした*3

Mosaicはその名の通り、複数の通信プロトコルをサポートし、 さらに一つのウインドウ中にテキストと画像をモザイクのように混在表示可能なブラウザです。 MacintoshやWindowsといった広く普及したOS上で動作しました。 このため、WWWを利用可能な潜在人口が一気に増えます。 また遡って1993年4月30日には、 CERNの開発したWWW関連ソフトウェアがパブリックドメインとして公開され、 誰でも自由に使えるようになっていました*4。 こうして、クリック一つでさまざまな情報にアクセスできるWWW、 そしてインターネットの利用が、急速に普及していくのです。

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