2. 最新トピック
2.6 APNIC 報告
今年の1月31日に、香港においてAPNICの定例の会合が開かれました。 主な話題をご報告します。
(1) 昨年APNICが法人として登記された際に、 役員としてExecutive councilのメンバ(5名)を決めました。 このうち2名が今回改選されました。
David Conrad (Director General)
Geoff Huston (オーストラリア、任期は98年1月まで)
Jun Murai (日本、任期は98年1月まで)
Tan Tze Meng (マレーシア、任期は98年1月まで)
Sanjaya (インドネシア、今回改選)
B.A.C. Abeyantha (スリランカ、今回改選)
会合における選挙の結果、中国のXing Li氏、 タイのSrisakdi Charmonman氏が新たにExecutive Councilのメンバとなりました。
(2) APNICの会費についての議論が行なわれました。 現在のAPNICの会員の中にはJPNIC、 KRNICのように国別のNICもありますが、 個々のISPが直接にAPNICとやりとりをしている国もあります。 現在までは、この二種類の会員の区別をしていません。 しかし国別のNICがある場合と、そうでない場合では、 APNICの仕事の分量が大幅に変ります。 さらに会費についても、国別のNICと個々のISPとでは、 妥当な額に違いがある筈だ、という意見もありました。
そこで、今回の会合で討論を行ない、 新たにconfederationという会員種別を設けて、 国別のNICやISPの連合体を扱うという方針となりました。
ただし、 confederationに対する会費の額については結論が得られませんでした。 今後も継続して電子メールで議論を続けることになります。 この議題はJPNICにとっても重要です。 今後の成り行きについても、引き続きご報告したいと思います。
(3) APNICはセイシェル共和国に法人として登記をしていますが、 実際の割当業務は東京の事務所で行なっています。 東京の事務所に加えて、 例えばオーストラリアにも事務所を開設するという提案がありました。
この事務所の件は、やや複雑です。 国によって課税対象の業務が異なる可能性があり、 また非営利法人の設立が容易な国と難しい国があるからです。 もう少し詳しい調査をしてから判断した方が良いということになり、 今回の会合では、この事務所の件も最終案には至りませんでした。
(4) 申請書の改定
やや細かい話ですが、APNICの割当処理を効率化するために、 申請書(form)の記載項目を増やすという提案がありました。 詳細は電子メールで議論が継続されます。
以上のように重要案件は「継続審議」となった感があります。 いずれも次回(6月にマレーシアで開催)の会合では決定される見通しです。