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ニュースレターNo.84/2023年8月発行

インターネットことはじめ Wi-Fi ~高速化の歴史~前編

Wi-Fiとは

イラスト: Wi-Fi

Wi-Fi(ワイファイ)とは、 IEEE 802.11という無線LAN規格で通信する機器において、 米国のWi-Fi Allianceが相互接続性を確認したことを示す名称です。

802.11に基づいた製品が発売された当初、 同じ規格に基づいているのにメーカーが違うと、 あるいは同じメーカーであっても違うモデルだと接続できないという事例がありました。 これではユーザーは安心して買えませんし、 メーカーとしてもそうした状況は好ましくありません。

そこで互いに接続できることを確認するため、 1999年にWireless Ethernet Compatibility Alliance (WECA)という団体が発足し、 2000年から業務を開始しました。 そしてWi-Fiという単語の普及に伴い2002年にWi-Fi Allianceに改名し、 現在に至っています。 Wi-Fiという名称はよりキャッチーな無線LAN規格の名称として、 Hi-Fi(ハイファイ)という音響用語と韻を踏む形で考えられたものですが、 現在では事実上、無線LANの代名詞となっています。

それでは、Wi-Fiの歴史を見てみましょう。

802.11

イラスト:JP-29 II シリーズ最初の802.11は1997年に策定されました。 この時点ではWECAはまだ設立されておらず、Wi-Fiを名乗っていませんでした。

802.11に割り当てられた2.4GHz帯はISM (Industrial, Scientific and Medical)バンドと呼ばれる周波数群の一つで、 もともとは電子レンジなどの電波を通信以外の用途に利用する機器が使うためのものでした。 通信が目的ではないとは言え、 強力な電波を発信すれば他の用途を妨害する可能性が高いため、 ISMバンドで動作する通信機器は他者の使用を許容しなければならないことになっています。 その代わり免許が不要となっており、エンドユーザーが通信機器を設置するのも簡単です。

802.11の最大通信速度は、2相の位相変調で1Mbps、 4相の位相変調で2Mbpsと、当時としても決して速くはありませんでした。 また、ISMバンド故の強力な干渉に対応するため、 短時間で周波数を切り替える周波数ホッピングか、 広い周波数に低出力で信号を分布させる直接拡散方式、 いずれかのスペクトラム拡散方式が使われています。 それでも、同じ部屋で電子レンジなどが使われると通信速度が遅くなったりしました。

802.11に準拠したアクセスポイントやネットワークカードも市販されましたが、 冒頭で述べたように相互運用性の問題がありました。 そのため、ノートPCなどをどうしても無線で使いたいといった、 一部の先進的ユーザーが使う程度でした。

802.11a

802.11aは802.11シリーズとして初めて5GHz帯の電波を使うことにした規格で、 1999年の策定です。 2.4GHz帯を使う802.11との互換性を考慮する必要が無かったため、 新しい変調方式の導入などによって、 当時としては高速な54Mbpsの最大通信速度を実現しています。

2.4GHz帯は前述したようにISMバンドであり、 電子レンジをはじめとするWi-Fi以外の電波源が多くあって、干渉の影響を避けられません。 さらに、2.4GHz帯ではチャンネルの周波数が相当数重複しているため、 利用する機器が増えるとたとえ別のネットワークであっても相互干渉による速度低下が起きてしまいます。 しかし5GHz帯には電波源が少なく、チャンネル周波数の重複も少なく、 より多くの帯域を使えることもあって高速化に有利です。 ただ、周波数が高くなると距離による減衰が強くなるため、遠距離の通信には向いていません。

また2005年5月まで日本で利用されていたJ52と呼ばれるチャンネル群は同じ周波数帯を衛星通信などが使っていたため、 屋外での使用が禁止されていました。 その後2005年5月に屋内用にW53として4チャンネル、 2007年2月に屋外でも使えるW56として12チャンネルが追加されました。 しかしどちらも気象レーダーと周波数が重複しているため、 気象レーダーを優先する必要があります。 この制約は同じ周波数帯を使う、後継の規格にも引き継がれています。

802.11aは同時期に制定された802.11bに比べると高速な通信が可能な規格ですが、 なぜかあまり普及することなく、802.11nの時代になってから普及した感があります。

802.11b

802.11bは802.11aと同じ1999年に策定された、2.4GHz帯を使う規格です。 最初の規格である802.11との互換性を有し、 新しい変調方式を追加することで最大通信速度を11Mbpsに引き上げました。 もっとも当時普及しつつあった100Mbpsの有線LANと比較すると、 はっきりと遅いことがわかる程度の速度です。 とはいえこの世代ではアクセスポイントや子機の価格が下がり、 個人ユーザーにも無線LANという選択肢が意識に上るようになりました。

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