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ニュースレターNo.86/2024年3月発行

Internet ♥ You No.21

シスコシステムズ合同会社 嶋 勝也さん

タイトルバック
1995年大阪生まれ、 現在はシスコシステムズ合同会社のカスタマーエクスペリエンス(CX)部門所属。 主にネットワーク機器の可視化や監視に関する製品を担当。 また人材育成や採用にも力を入れており、 インターンシップの担当も務めている。 コミュニティ活動にも力を入れており、 2018年から開催しているネットワークのトラブルシューティングコンテスト「NETCON」の主催者でもある。
シスコシステムズ合同会社でご活躍されている嶋 勝也(しまかつや)さんにお話を伺いました。 子供の頃から身近にインターネットのある環境で育ち、 今では150人以上を集めるインターネットのイベントまで主催されています。 今までのご経験やお仕事、インターネットコミュニティでの活動、 趣味…と多方面に全力を注いでいる様子から、 嶋さんの厚い人望を感じることができました。

嶋さんがインターネットを知ったきっかけ

子供の頃からインターネットとパソコンが家にあったので自然に興味を持ちました。 いわゆるZ世代ですね。 そのパソコンで、オンラインゲームをよくしていました。 そこで交流のあったインターネット上の友達とは今でも交流があります。 例えば、当時は顔も見たことのなかった友達が石川にいて、 そこに遊びに行ったことがあります。 これが僕たち世代の強みだと思っています。 インターネットにどっぷり浸かって、インターネットを使って仕事をしている感じですね。

大学生の頃について

大阪工業大学の情報ネットワーク学科で学び、 さらにはネットワーク機器を扱う研究室に所属していました。 SEになりたい! という強い気持ちがあったわけではないですが、 大学受験の時からなんとなくネットワーク関連のことをやりたいと思っていました。 というのも、高校時代、 FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)に情熱を傾けており、 ゲームの遅延にとても敏感になっていたからです。 どれくらい遅延しているのか、遅延をいかに解消できるか、という点です。 オンラインでできるゲームなのに、オフラインの環境が重要で、 世界のどこかに集合して世界大会が開催されます。 それは、遅延なくゲームをするためです。 こういったところからネットワークの品質向上に興味を持ち、 ネットワークの課題をなんらかの形で解決したいと思うようになりました。

大学の研究室では、教授がブートキャンプを開催して、 今は無きRIP (Routing Information Protocol)からOSPF (Open Shortest Path First)、BGP (Border Gateway Protocol)など、 基本的なことを全部叩き込まれました。 そんな環境で学習しながら、ネットワークのコンテストに参加するようになり、 順位を上げるために学生同士で勉強会を開催したり、 コンテストの運営側に入ったりするようになりました。 この頃は、社会に認められたいというような承認欲求が原動力でしたね。 研究室の仲間とはとても仲が良く、今でもよく遊んでいますが、 学生時代はそこまで仲は良くありませんでした(笑)。 ネットワークを良くしたいという問題意識を持ったネットワークオタクの集まりで、 先輩が卒業する時にはお前らほど仲の悪い代はないと言われていました。 しかし、最終学年になり、研究室を良くしようとか、後輩に恩返しをしようとか、 そういった共通目的に一緒に取り組んだ結果、 卒業する時にはお前らほど仲が良かった代はいないという評価になっていました。 みんな同じこの業界で働いていて、JANOGスタッフにも、NETCONスタッフにもいます。 うちのゼミ出身者はJANOGスタッフ経験者が多いんですよ。

この業界に進もうと思ったのは、 大学での学びやシスコの勉強会に参加した時からです。 インターネットの一部分を理解したので、そこに関わりたい、 従事したいとより思うようになりました。 特にルータの中身などに興味があって、 いつかベンダーで働きたいと思っていたところ、 縁あって今はシスコで働いています。

大学卒業後の進路と、これまでのキャリアについて

最初に就職したのはNTTコミュニケーションズ株式会社でした。 ネットワークの自動化をしたいという想いがあり、 ネットワークの自動化をすることにメリットがあるのはキャリアではないかと思ったことと、 憧れの技術者が在籍していたことが決め手でした。 仕事内容としては、VPN網のバックボーンのコンフィグなどをやっていました。 2社目が現在のシスコシステムズ合同会社で、 カスタマーエクスペリエンス(CX)部門所属です。 CXは簡単に言うとお客さんへの提案から、 受注後の運用までなんでもやりますというポジションです。 お客さんと理想のネットワークを語り合って、 そこで自社の製品が運良く入ったら素晴らしいなと思っています。 コミュニケーション能力が一番大事ですね。 仕事内容は幅広く、つい1時間前には商談をしていたのに、 今は障害対応をしている、という時もあります。 シスコには各種プロがいるので、その方々から知識やスキルを学んでいます。 また、CXのインターンシップ担当もしています。

他社に優秀な人材がどんどん流れているという危機感があり、 優秀な学生にシスコを選んでもらうためにインターンシップを始めようと役員へ提案しました。 そうしたらリーダーをやれ、という話になりました(笑)。 インターンシップの学生といえど、 仕事をしてもらうのでその対価として絶対に時給を出すようにお願いしました。 実際に入社をする学生が出て、成果にも繋がっています。 役員の方が話を聞いてくれる環境がありますし、チームメンバーにも恵まれ、 外部イベントへの理解も深いので、職場にはとても満足しています。

コミュニティ活動について

NETCONというイベントの主催をしています。 活動の原点は間違いなく学生時代の活動です。 大抵のネットワークエンジニアは、元々なりたかったという方は少なく、 就職後に配属された結果としてネットワークエンジニアになったのではないでしょうか。 勉強しろと言われても、どう勉強したらいいかわからない方も多いと思います。 本を読むだけでは理解できない方もいるだろうから、 実際にコマンドを叩いて体験できる場を学生向け以外にも作りたいと思いました。 また、この業界にいても、一からネットワークを作る仕事は少なく、 既にあるものを触ることが多いので、 本業に近い形でトラブルシュートできるようになるといいなと思ったのがNETCONを始めたきっかけです。 最初は前職の友人と勉強会を始めました。 その時の参加者は15~20人くらいでしたが、何回か開催すると、 方々からお声がけいただくようになり、会社や専門学校とコラボするようになりました。 ある時、SNSで「JANOGとNETCONをいつか一緒にやりたい」とつぶやいたところ、 実際にJANOGで開催することになりました。 良いSNSの使い方ができました(笑)。 NETCONではクラウドを利用するので費用がかかります。 そのためにクラウドファンディングを利用して、 70~80人くらいの方に出資いただいたこともありました。 そのように始まったNETCONですが、 2024年1月のJANOG53では約160名に参加いただきました。 ここまでで私の中では映画を作れるくらいの物語がありますね。 友人の協力があってここまでできていますし、お酒を飲んで語ったら涙が出てきてしまいます。 皆さんに満足していただけるように、毎回アンケート結果は必ず目を通して、 次までにはしっかり改善するようにしています。 何を勉強したらいいかわからないという声があったら、事前に資料を公開したり、 JANOG期間に開催だと寝不足になるという声があったら、 JANOG開催期間外の月曜日と火曜日に開催するようにしたりしました。 また、歴戦のヘビーユーザーが多いので、 その方々の満足度を維持するために常にレベルアップを意識しています。 出会った繋がりを大事にしたいので、メンバーと1対1で話すようにしていて、 反省はもちろん、次回への展望を聞いたり話したりしています。 私はリーダーとして良き相談相手になって、メンバーの良さを引き出したいと思っています。

モチベーションについて

最近は、いい意味での義務感がモチベーションになっています。友 人をたくさん巻き込んで活動していて、 その友人たちがすごく頑張ってくれているので、 自分も誘った責任を果たすために動いていますね。 友人にはとても恵まれています。 理想論だけじゃなくて、しっかり現実を見据えた相談ができるので、 NETCONも実現できています。 また、この業界を良くしたいという気持ちも大きいですね。 ネットワーク業界は放っておいても素晴らしい人材が集まる業界ではなくなってしまっていると思います。 まだまだネットワークにも魅力があるよ! 楽しく仕事ができるしお金も稼げるよ! という姿を見せていく必要があります。 コミュニティの繋がりも強いですし、皆さんとても優しいです。 多少のミスを許してくれる文化があって、良いところを見つけてフォローしてくれます。 このように、まだまだポテンシャルはあると思うので、 優秀な人材をこの業界に呼び込みたいです。 そして将来は自分の上司になってもらって、雇われたいです(笑)。

今後の目標について

仕事でやってみたいことはたくさんあります。 今はシスコ製品の可視化や自動化をやっていますが、 もっと複合的に監視できるような提案ができるようになりたいと思っています。 ベンダー視点だけではなく、多角的な視点を持ち、サービス監視、 ネットワークを支えられる技術のスペシャリストをめざしています。 NETCONでは、ある程度有名にするという目標は達成できました。 あとは、後継者を育成しろ、と言われていますね。 誰かがいないとできないという仕組みは減らしていきたいと思います。 他に力を入れたいことは、業界のいろいろな方と1 on 1をしてみたいです。 そんな視点があるのか!?とか、 実際に会ってみると存在感が強い方々がいらっしゃるので、 出会った人のことをもっとよく知りたいです。 人の生き方を聞くのが好きで、 年上の方と飲みに行くとその方の歴史についてつい聞いてしまいます。 旅行が好きなので、各地のJANOGスタッフと飲んでその人の生き方について聞く、 という旅をするのもいいなと思っています。

松本さんがプライベートではまっていること

趣味は大きく分けて三つあります。 一つ目は実家の犬です。 溺愛しています!  散歩が好きなのに、途中で飽きてしまうので抱っこしながら歩いています。 散歩ルートにある喫茶店では、犬にフルーツを、 私にコーヒーを出してくださいます。 公園に着いたら、いつもの犬友達の方々と井戸端会議をしています。 この散歩を含めて趣味ですね。 犬のために頻繁に実家へ帰り、「犬に散歩へ連れていってもらって」います。

二つ目は釣りです。 エンジニアフィッシングクラブを結成して、 毎回5~6人ぐらいで離島に行って1週間ほど釣りをする旅をしています。 リモート勤務が可能なメンバーと共に、昼間は仕事をして、 夜は釣りをして大物を狙っています。

三つ目は車です。 ずっとプジョーに乗っています。 神奈川県から鹿児島県まで、友達に会うために車で行きました。 仕事のリフレッシュにドライブすることもあります。 今は2024年1月下旬ですが、今年の休みの予定はほとんど埋まりました。 今年のテーマが海外旅行なので、2月には台湾、 7~8月にはヨーロッパに行く予定です。 あとの休みは釣りに行きます。

最後にインターネットに対する愛情のこもったメッセージをお願いします!

インターネットはいろいろな価値を生んでくれるベースになるものだと思っています。 それを活かすか殺すかは人次第ですが。 自分よりもすごい方に出会わせてくれるインターネットに感謝しています。 今後も必ずインターネットに関わる仕事をするつもりです。 これからの時代、インターネットと呼ばれなくなるかもしれませんが、 あえてインターネットという言葉を使って関わっていけるといいなと思っています。 I Love the Internet.です!

写真:愛犬のハル
実家の犬、ハルです。 散歩が好きなはずなんですが、 抱っこの方が好きなので途中から抱っこしていることが多いです。
写真:釣果
石垣島や宮古島に大物を釣りに行きます。
写真:プジョー508
車が好きでプジョーの508に乗ってよくドライブに行きます。

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