2007年12月7日
報道関係者各位
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
「IPv4アドレス在庫枯渇問題に関する検討報告書」を公開
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(東京都千代田区、 理事長 後藤滋樹、以下「JPNIC」)は、 本日、 2007年12月7日に「IPv4アドレス在庫枯渇問題に関する検討報告書(第一次)」を公開しました。
過去10年間の急激なインターネットの発展によって、
現在インターネットで利用されているIPv4アドレスについて、
地域インターネットレジストリの未分配IPv4アドレスの在庫が2010年には無くなると予測されています。
この在庫が枯渇しても既存のインターネットが即座に使えなくなるわけではありませんが、
中長期的なインターネットの拡張、発展といった観点からは大きな制約となり、時間が経過するほど深刻な問題となります。
そこで、JPNIC では今年6月15日の社員総会で、この問題の解決に取り組む姿勢表明を行い、
社団内外の検討体制を構築し、検討を進めてまいりました。
今回、この検討結果を報告書としてまとめ、12月7日の社員総会で発表すると同時に、一般への公開を行いました。
「IPv4アドレス在庫枯渇問題に関する検討報告書(第一次)」報告書本文 (pdf)
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/ipv4exh-report-071207.pdf
本報告書では、各種経済指標から導き出したIPv4アドレスの需要予測から、
その在庫枯渇が2010年~2011年頃になることを再確認しています。
さらに、IPv4アドレス在庫枯渇への対応策としては、
- 自網内からの捻出など何らかのやり方でIPv4アドレスを確保する
- プライベートIPv4アドレスを利用して新規顧客を収容し、 NAT(ネットワークアドレス変換機構)を介してインターネットに接続する
- IPv6を利用して新規顧客を収容する
の三つの方法が考えられること、(1)と(2)は効果が限定的であり、
長期的なインターネットの発展を考えた場合は、(3)が唯一の解となり得る、といった見解を示しています。
なお、3. を各事業者が実行するためには、解決すべき課題が残されていることから、
第一次の報告書では、それらの解決については今後の課題としております。
JPNICでは、今回の報告書の中で残された以下の課題について、 今後も関連各組織、団体と連携しながら解決のための取り組みを進めていきます。
- IPv6の普及推進に関する検討
- 分配済み未利用IPv4アドレスの回収・再在庫化、再分配の検討
- 利用者の意見を反映するための施策の検討
参考資料
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターについて
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(略称:JPNIC<ジェーピーニック>、
理事長:早稲田大学教授 後藤滋樹)は、
インターネットの運営に不可欠なIPアドレスの日本国内における登録管理業務を行う機関です。
併せて、JPNICは、インターネットに関する教育・普及啓発活動や各種調査研究活動、
インターネットの国際的な広がりに対応するための国際的な調整業務を行っています。
JPNICは、任意団体としてインターネットの急速な普及を底辺から支える活動を4年間継続して行ったのち、
1997年、科学技術庁、文部省(現文部科学省)、通商産業省(現経済産業省)、郵政省(現総務省)の共管による社団法人となりました。
本件に関するお問い合わせ先:
- 報道関係者からのお問い合わせ先
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 広報担当
E-mail: press@nic.ad.jp TEL: 03-5297-2311 - 上記以外の方からのお問い合わせ、報告書へのご意見、ご感想
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