1998JPNIC業務アンケート調査結果(1998年12月申請分)
第1章 申請に至るプロセス評価
今回回答のあった組織のうち、 ドメイン名申請がはじめてという組織は、 「直接申請」全194件のうち145件(74.7%)、 「会員経由申請」全58件のうち45件(77.6%)であった。 申請に至るプロセス評価についてはこの初申請組織のみを対象とした。
1-1 ドメイン名登録に関する情報収集
ドメイン名登録の必要性
インターネット接続のためにドメイン名の登録が必要であることを知った経路として直接申請組織の場合は、 「人から聞いて」との回答が33.1%で最も多く、 「新聞・雑誌」「書籍」が続いている。 一方、 会員経由申請組織では「書籍」がトップでちょうど4割を占めている。
インターネットに関する不明点の調べ方
インターネットに関してわからないことがある時の情報源として、 直接申請組織では「人に聞く」で調べるという回答が最も多く46.9%、 会員経由申請組織では「書籍」との回答が57.8%で最も高かった。
ただ、上位の項目はいずれも3割前後の組織があげており、 特定の情報源に偏っているというよりは、書籍、 雑誌などの印刷媒体、インターネット上の情報、人に聞く、 プロバイダーへの問合せなど多様な手段が利用されているといえる。
1-2 JPNIC の認知
会員経由申請者のJPNIC 認知度
会員経由で申請を行い、 今回ドメイン名申請が初めてという45組織のうち、 JPNICを知っているのが31組織(68.9%)で、 これは昨年とほぼ同率である。 また知らないと回答したのは、11組織であった(無回答3件)。
JPNIC の認知経路
JPNICをどのようにして知ったかという問いに対して上位にあがった項目は、 直接申請組織では「プロバイダーから」「人から聞いて」の2項目、 会員経由組織では「雑誌・新聞」「書籍」の2項目で、 いずれも30%前後のスコアとなっている。
●JPNIC活動内容の認知度
JPNICの活動の認知に関しては、前回同様直接申請、 会員経由の間の違いはほとんどないといえる。 JPドメイン名登録以外の業務では「IPアドレス割当」がどちらも6割前後の認知率、 「ドメインネームサーバの運用・管理」についても直接申請が4割、 会員経由が5割以上と比較的知られている業務である。
1-3 情報収集・申請手続のわかりやすさ評価
申請にいたるまでの手続きや情報収集のわかりやすさを5段階評価してもらった。 「すぐに分かった」「分かりやすかった」「煩雑とは感じなかった」といったプラス評価を5点、 「わからなかった」「分かりにくかった」「煩雑と感じた」等のマイナス評価を1点とした加重平均も算出した。
申請に必要な情報の取得方法のわかりやすさ(初申請者全体)
直接申請、会員経由とも評価のばらつきがみられた。 加重平均でみると直接申請、会員経由ともに3.3であった。
申請に必要な文書の置き場所のわかりやすさ(初申請者・WWWや電子メールでの情報入手者)
申請に必要な書類を、 WWWや電子メールで入手した組織にその文書の場所がすぐに見つかったかとの質問に対しては、 直接申請者の3分の1が「すぐに分かった」(5段階の5)と回答した。 加重平均では3.5でほぼ前年並である。
申請に関する全体的なわかりやすさ(初申請者全体)
申請に関する全体的なわかりやすさについては、直接申請の場合、 評価にばらつきがみられる。 会員経由に比べて直接申請の方が「分かりにくかった」とする回答が多く、 加重平均では直接申請3.0、会員経由3.5となっている。
申請業務は煩雑だと感じたか(初申請者全体、会員経由は全体)
申請の煩雑さに関する評価も会員経由の方が、 煩雑とは感じなかったとの評価が多かった。
第2章 申請以降の対応評価
第2章では、直接申請組織、会員経由組織の全回答者を対象として、 申請してから最終的に通知を受けるまでの主にJPNICに対する評価をまとめた。
2-1 申請から通知をうけるまでのプロセス評価
ドメイン名登録の申請方法
直接申請は、今回、回答のあった194組織中、 約7割にあたる134組織が電子メールによる申請、 39組織が郵送によるもの(21組織は無回答)、 員経由申請に関しては、58組織のうち電子メールは24組織、 郵送は19組織(15組織は無回答)である。
申請から最終通知までにかかった日数
申請から最終通知までにかかった平均日数は、直接申請が14.8日、 会員経由が15.5日であるが、 日数が極端にかかったケースも含めた単純平均によるものである。
実際には、直接申請の約6割、 会員経由申請の約5割が2週間以内以内で処理されている。 昨年より平均日数が伸びているが、 これは郵送による申請者の比率が増えたことによるものと考えられる。
業務への影響
処理期間中「業務に支障を来した」と答えた組織は、 直接申請は21件(11%)、会員経由が4件(6.9%)で、 9割以上は「特にない」「意外に早かった」と回答した。 この傾向はほぼ昨年と同じである。
希望ドメイン名の登録
希望ドメイン名を登録できた組織は、直接申請では88.7%、 会員経由申請では77.6%。前回より減少している。
●手続きは順調に進んだか
申請から最終通知(登録、不承認などの通知)までの手続きは、 大部分が順調に進んだと評価している。 加重平均でみると、直接申請3.7、会員経由が4.2で、 前回同様高水準となった。
2-2 JPNIC の対応評価
申請中におけるJPNICとの連絡の有無
申請中にJPNICと連絡をとったのは、 直接申請では38組織(19.6%)、会員経由では1組織のみであった。 以下その際のJPNICの対応評価についてたずねた。
問い合わせに対する回答にかかった日数
直接申請では「即座に来た」と「24時間以内」が7割以上で、 昨年より大幅に迅速化している。 会員経由の1件も「即座に来た」との回答であった。
JPNIC の対応に対する評価
問い合わせに対するJPNICの対応が「親切だった」(5段階評価で5, 4)「十分だった」(5段階評価で5, 4)との回答がそれぞれ6割以上をしめた。
2-3 総合評価
今回のドメイン名申請におけるJPNICの総合評価
総合的な評価について、「良かった」を5点、 「良くなかった」を1点とする5段階評価でたずねた。
「良くなかった」(5段階評価の1,2)との回答は直接申請組織の1割強、 会員経由の場合はゼロで、良好な評価だったといえる。 加重平均でみると、直接申請3.6、会員経由が3.9であり、 ほぼ前回(同3.7、3.5)と同じ水準となった。
2-4 自由回答にみる JPNIC への評価・期待
申請に関してわかりにくかった点
複数の回答者から指摘のあったものとして、
- FAQによる説明のみでは不親切、体系的な説明や手順の説明が欲しい
- 初心者にはわかりにくい言葉が使われている、言葉遣いが難しい
- 不要な書類も一緒に送られてくるので、どれが必要なのかわかりにくい
といった意見がみられた。多くは直接申請者のものである。
JPNIC の対応に対して特に良かった点、悪かった点
良かった点と悪かった点が、ほぼ半々であった。 良かった点としてはメールに対するレスポンスが迅速だったという評価が多く、 一方、悪かった点では電話に対する問合せ対応や言葉の難しさなどがあげられた。
JPNIC が改善すべき点/JPNIC に期待する点
記入フォーム改善や手続きの迅速化など申請書類、 申請手続きをよりわかりやすくして欲しいとする意見が最も多かった。
一方、 架空法人の登録や不当な取得に対しては厳しい態度で望むべき、 登録時の審査をきちんとすべきとの意見もみられる。 登録に必要とした申請者の個人情報が公開されている点については改善を求める声もあった。
第3章 GR ドメイン申請者の評価(参考)
98年より申請の始まったGRドメイン申請者からは、 直接申請18組織(全体に占める比率9%)、 会員経由3組織(同5%)の回答が得られた。 GRドメイン申請組織のみの集計を「資料3」として添付した。
申請経験の有無、および申請までのプロセス評価
GRドメイン申請者のうち、今回が初めての申請と回答したのは、 直接申請が18組織中9組織(50%)で、 これは全体の76%と比較すると低い。 また会員経由では3組織中2組織が初めての申請であった。
JPNICの認知度や申請手続きの煩雑さなどについては、 他のドメイン申請者と比べてもそれほど目立った違いは見られない。
希望ドメイン名の登録
GRドメイン申請者計21件のうち、 希望通りのドメインがとれたとの回答は19組織。 特に直接申請18組織全員が希望ドメインをとれたと回答している。
JPNIC の対応評価
直接申請のうち、 JPNICと直接連絡をとる機会があったのは、 18組織中8組織にのぼった。 これは直接申請全体の場合(20%が直接連絡機会あり)に比べると高い。 その際のJPNICの対応については、8組織中5組織が、 5段階評価で最高の5(親切だった)と回答している。 またJPNIC からの回答についても4組織が「即座に来た」と答えている。