1999年7月27日 各位 社団法人日本ネットワーク インフォメーションセンター 理 事 長 村 井 純 ICANNに対する財政支援について(ご報告) JPNICは、このたびICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)に対し25000米ドルの財政支援を行なったことをここに報告いたします。 ICANNは、ドメイン名、IPアドレスなどの管理を世界レベルで調整し、インター ネットの安定的発展を支援する機関として1998年秋に創設された新しい非営利 法人です。ICANNは米国で登記していますが、民間主導でインターネットを運 営するという方針のもと、米国政府による補助を受けずに活動しています。 現在、ICANNでは、インターネットの民主的な資源管理のありかたについて、活 発な議論を行なっています。また、ICANNには、インターネットのグローバル な特質を反映して、世界の各地域からの参加を得ています。JPNICからは理事、 部会委員、事務局が参加しています。JPNICは、民間主導でインターネットを 安定的に運用するというICANNの目的に賛同しており、この目的のためにICANN と協調して活動したいと考えています。 しかし、現在ICANNの財政は困難な状況にあります。これは、ICANNが創設以来 基本的に民間有志の自発的な寄付によって運営されていることによります。こ の財政難にあたり、米国政府から援助の申し出もありましたが、ICANNは民間 主導の方針に従い、この申し出を辞退しました。 JPNICは、ICANNのこの判断を評価すると共に、民間によるインターネット運営 という現在の潮流を維持し、ドメイン名やIPアドレス、ルートサーバ等の管理 における安定性を持続させるために、ICANNに対する財政支援を行うことを決 定しました。ICANNが存続しなくなると、これらの管理が不安定になり、イン ターネット全体に大きな影響を与えることになります。 このような状況を考慮し、JPNICはICANN維持と健全な発展のために今回の財政 支援を行ないました。各位には今回の支援について趣旨ご理解いただきたく、 何卒よろしくお願いいたします。 なお、ICANNの正式な資金調達メカニズムが確定するまでの間、初期運用コス トを資金的に支援するICANN Startup Fundの募集と、財政支援の宛先、 ICANNの連絡先は、以下で参照できます。 http://www.icann.org/startup-fund.html
以上