2002年9月27日
各位
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
国際化ドメイン名ツールキット(idnkit)バージョン1.0プレビューリリース1
配布開始のご案内
JPNICは2002年9月27日に「国際化ドメイン名ツールキット(idnkit)」バージョン1.0プレビューリリース1の配布を開始しました。idnkitは以下のURLより取得が可能です。
- idnkit/mDNkit download:
- http://www.nic.ad.jp/ja/idn/mdnkit/download/
idnkitとは
idnkitは、IETFで標準化が行われている国際化ドメイン名 (Internationalized Domain Name; IDN)の処理機能を提供するツールキットで、 IDN最終提案に準拠しています。 IDNをベースとした多言語ドメイン名のサイト運営者に有用な文字エンコーディング変換コマンドや、 IDN対応のアプリケーション開発者に有用なC言語用API(ライブラリ)などを提供します。
idnkitは、従来JPNICで開発してきたmDNkitの後継ですが、 IDN標準にのみ準拠するという方針を明確にするため、 パッケージの名称をidnkitに変更しました。 従来のmDNkitは評価ツールとしての機能もあわせ持っていたため複雑な設定ファイルの準備が必要でしたが、 idnkitではIDN WG最終提案に準拠したデフォルトの動作を規定し、 あらかじめ設定ファイルを用意しなくとも動作するようになりました。 そのため、導入やIDN対応アプリケーションの作成が容易になります。
mDNkitからの変更点
mDNkitバージョン2.4からの主な変更点は、以下の通りです。
- idnkit へと名称を変更しました。これに伴い、コマンド名、設定ファイル名、環境変数、公開 API の関数名に含まれていた "mdn" という名称はすべて "idn" へと変わっています。(例: mdnconv → idnconv, mdn.conf → idn.conf)
- ライブラリの名称をlibmdnからlibidnkitに変更しました。同様に軽量版のlibmdnliteはlibidnkitliteに変更しました。
- mdnsproxy を削除しました。
- テストスイートが追加されました。テストされるのは、api, checker, converter, delimitermap, mapper, mapselecter, nameprep, normalizer, res, resconf, ucs4 の各モジュールです。実行方法については INSTALL をごらんください。
- runidn (旧称 runmdn) は、デフォルトでインストールされなくなりました。インストールするには、configure 実行時に --enable-runidn を指定して下さい。
- 軽量版ライブラリ libidnkitlite (旧称 libmdnlite) だけインストールできるようにしました。configure 実行時に --enable-liteonly を指定して下さい。
- mDNkit 互換機能が追加されました。これを有効にするには、configure の実行時に `--enable-mdnkit-compat' を指定してください。
- UTF-8 の正式名称を指定するため --with-utf8=NAME オプションが configure に追加されました。
- NAMEPREP-03, -10, -11 に対応しました。他のバージョンは削除しました。
- デフォルトのACEとして、Punycodeを規定するようになりました。
- AMC-ACE-Z と RACE が extra ACE 扱いになりました。また、DUDE は削除しました。
- Unicode 3.2 に対応しました。
- 設定ファイルなしでも動作するようになりました。まず ~/.idnrc を読みにいき、次にインストール先の etc/idn.conf を読みにいきます。ただし、設定ファイルとして読み込むのはどちらか一方で、両方ではありません。
- idnconv の -in オプションに ACE を指定したり、-out オプションに ACE 以外のエンコーディングを指定したりできない制限を撤廃しました。
- idnconv の `-noasciicheck' の別名として `-A' オプションが追加されました。
- idnconv に -nobidicheck オプションが追加されました。
- amcacez モジュールが punycode モジュールに改名されました。
- Windows において、設定ファイル名をレジストリから取得するようになりました。
- Windows において、ライブラリを DLL として作成するようになりました。
- Windows において、idnconv がコンソールアプリケーションとして使用できるようになりました。
- BIND-8 のパッチが 8.3.3 に対応しました。また BIND-8 パッチ自体に IDN 変換機能が追加されました。
- BIND-9 のパッチが 9.2.1 に対応しました。
- idn Wrapper が Windows XP に本対応した。
mDNkitからの移行
これまでmDNkitをご利用になっていた方が、 idnkitに移行する際の注意点は以下のとおりです。
- RACE対応
日本語ドメイン名運用試験フェーズ2 で採用されているRACEに対応するためには、 configure実行時に--extra-aceオプションを追加してください。 また、設定ファイル中にidn-encoding RACE
を追加してください。 - runidn対応
runmdnコマンド相当のrunidnを使用するためには、 configure実行時に--enable-runidnオプションを追加してください。 - libmdn互換ライブラリ
libmdnを利用しているIDN対応アプリケーションなどでAPI名称を変更したくない場合は、 configure実行時に--enable-mdnkit-compatオプションを追加し、 mDNkitと同じAPIを提供するmDNkit互換ライブラリを作成してください。
連絡先など
idnkitについてのバグレポート、コメントは以下にお願いします。
- バグレポート:
- mdnkit-bugs@nic.ad.jp
- コメント:
- idn-cmt@nic.ad.jp
idnkit/mDNkit利用者および日本語ドメイン名運用試験環境利用者間の情報交換を行うためのメーリングリストを開設しています。 ぜひご参加ください。
- メーリングリスト:
- mdnkit-users@nic.ad.jp
- 参加方法:
- http://www.nic.ad.jp/ja/profile/ml.html#mdnをご参照ください。
以上