2003年3月18日
ICANNが契約レジストリにIDN登録を認めるにあたっての基準を提案
ICANNは3月13日、契約レジストリに国際化ドメイン名(IDN)の登録を認めるに あたっての基準(案)を発表しました。
IDNについては、3月7日にその技術仕様を規定する3つのRFCが発行されたことに より、技術標準に準拠した形での実装を進めることが可能となったわけですが、 IDNの導入に伴い、ユーザーに混乱が広がる恐れや、新たなサイバースクワッ ティングが発生する恐れがあることも懸念されています。
そのため、各レジストリがIDNを導入する際には、慎重かつ責任ある態度で臨む必 要があり、現行のICANN-レジストリ間の契約でも、レジストリがIDNの登録受付を 開始する前に、ICANNが認可を行う必要性が規定されています。
しかし、ICANNの責務の範囲は、レジストリレベルでのIDN実装に対して細部にわた る管理を行うところまでは含まれていないため、ICANNがこの件に関して契約上の 責任を果たすには、どのような基準を適用すべきかということが問題となってきま す。
今回の提案は、この問題に対する検討結果として出されたものであり、ICANNはレ ジストリレベルでのIDN実装に対して過度な介入を行うべきではなく、あくまで軽 度なアプローチをとるべきであるとしています。こうした考えを前提として、以下 のような基準が提案されました。これは、IDN登録を行う契約レジストリが合意す べき4つの必須要件と、特にgTLDレジストリに強く推奨する2つの勧告事項に分けら れます。
<必須要件>
- IDNを実装するTLDレジストリは、すべての準拠すべき技術標準に従った上で実装をしなければならない。
- TLDレジストリがIDNAを実装する際には、Unicodeで規定されているすべてのコードポイントの中から許容されるものを明確にするために、使用可能文字を徐々に増やしていく方法をとらなければならない。少なくとも以下を含んではならない。
- 線記号
- 英字、表意言語文字のいずれでもない記号やアイコン(絵文字など)
- 句読記号文字
- 空白文字
- TLDレジストリがIDNAを実装する際には、以下を実行しなければならない。
- 各登録ドメイン名を一つまたは複数の言語に関連付ける
- 言語に特化した登録・管理規則を採用する(登録ドメイン名に関連付けられた言語における等価な異体文字を持つすべてのドメイン名を予約するなど)
- 登録・管理のルールが異体文字テーブルに依存する場合は、ある特定の言語での登録は、その言語の異体文字テーブルが利用可能である場合のみ許可する
- 各レジストリは、異体文字テーブルや各言語に固有の登録方針の策定のために、ICANNのIDN Registry Implementation Committeeを通じて共同作業をするということにコミットしなければならない。これは、世界中のDNSユーザーの利便性のためにIDN実装へ向けて一貫したアプローチをとるという目的を実現するためのものである。
<勧告事項>
- TLDレジストリがIDNAを実装する際には、少なくとも初期の段階においては、ドメイン名のラベル(セカンドレベルドメインなど)内の文字を、一つの言語に関連付けられた文字のみに限定すべきである。
- TLDレジストリおよびレジストラは、IDN登録で対象とするすべての言語によるカスタマーサービスを提供すべきである。
上記の提案については、3月23~27日に開催されるICANNリオデジャネイロ会議 で議論される予定であり、現在ICANNではこの提案に対するコメントを募集して います。
ICANNが契約レジストリにIDN登録を認めるにあたっての基準
http://www.icann.org/riodejaneiro/idn-topic.htm
コメント募集期間と送付先
2003年3月24日までに idn-comments@icann.org へ英語にて送付してください。
(※この期日までに送付されたコメントがICANNにおける手続き上、より有用なものとなります。なお、この期日以降もコメントは受け付けられます。)
以上