2003年3月19日
各位
社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
国際化ドメイン名ツールキット(idnkit)バージョン1.0
配布開始のご案内
JPNICは2003年3月19日に 「国際化ドメイン名ツールキット(idnkit)」バージョン1.0の配布を開始しました。 idnkitは以下のURLより取得が可能です。
- idnkit download:
- http://www.nic.ad.jp/ja/idn/idnkit/download
なお、idnkit-1.0の正式配布開始にともない、 mDNkitおよびidnkit-1.0プレビューリリース(idnkit-1.0pr1、 idnkit-1.0pr2)の配布は終了します。
idnkitとは
idnkitは、 IETFで標準化が行われている国際化ドメイン名(Internationalized Domain Name; IDN)の処理機能を提供するツールキットで、IDN関連のRFCに準拠しています。 idnkitは、日本語ドメイン名などのIDNサイト運用者にとって有用な
- 国際化ドメイン名とPunycodeのエンコーディング変換コマンド:idnconv
およびIDN対応のアプリケーション開発者に有用な
- IDNの処理機能を提供するC言語用API(ライブラリ):libidnkit
から構成されます。
idnkitは、従来JPNICで開発してきたmDNkitの後継となりますが、 IDN標準準拠であることを明確にするためパッケージの名称をidnkitに変更し、 バージョン番号も振り直しています。
idnkitプレビューリリースからの移行時の注意点
idnkit-1.0pr2からidnkit-1.0への移行時の注意点は、以下のとおりです。
全般的な注意点
- Punycode Prefixがzq--からxn--に変更されました。
- 設定ファイルのnameprepに設定できる値はRFC3491のみになりました。設定ファイルに非互換が生じたため、インストールする際はmake installに加え、make install-configを実行してください。idn wrapperの以前のバージョンがインストールされている場合は、必ず以前のバージョンをアンインストールしてから最新バージョンをインストールしてください。
IDNサイト運用者
- idnconvの入力文字数に制限がなくなりました。
IDN対応アプリケーション開発者
- unicode-form-c、unicode-form-c/3.2.0は削除されました。
- Unicode3.0.1、Unicode3.1のテーブルは削除されました。
mDNkitからの移行時の注意点
mDNkit-2.4からのidnkit-1.0への移行時の注意点は、以下のとおりです。
全般的な注意点
- idnkitへと名称を変更しました。これに伴い、コマンド名、設定ファイル名、環境変数、公開APIの関数名に含まれていた"mdn"という名称はすべて"idn"へと変わっています。(例: mdnconv→idnconv、mdn.conf→idn.conf)
- mDNkitは評価ツールとしての機能もあわせ持っていたため複雑な設定ファイルの用意が必要でしたが、IDN関連RFCが発行されたことにより正規化(nameprep)に使用するテーブルおよびUnicodeのバージョン、ACE方式(idn-encoding)が規定されたため、あらかじめ設定ファイルを用意する必要はなくなりました。
-
設定ファイルが存在する場合は
- ~/.idnrc
- インストール先のetc/idn.conf(デフォルトは/usr/local/etc/idn.conf)
- 設定ファイル中のnameprepにはRFC3491しか指定できなくなりました。
- テストスイートが追加されました。テストされるのは、api、checker、converter、delimitermap、mapper、mapselecter、nameprep、normalizer、res、resconf、ucs4の各モジュールです。実行方法についてはINSTALLをごらんください。
- idn wrapperがWindowsXPに対応しました。
IDNサイト運用者
- mdnsproxyに相当するDNSプロキシサーバは削除されました。
- idnconvはデフォルトではRACEに対応しなくなりました。RACEへの変換が必要な場合はconfigure実行時に--enable-extra-aceオプションを指定してください。
- idnconvの-inオプションにACEを指定したり、-outオプションにACE以外のエンコーディングを指定したりできない制限を撤廃しました。
- idnconvの-noasciicheckの別名として-Aオプションが追加されました。
- idnconvに-nobidicheck オプションが追加されました。
- runmdnに相当するrunidnはデフォルトではインストールされなくなりました。インストールするためには、configure実行時に--enable-runidnを指定して下さい。
- BIND-9のパッチが9.2.2に対応しました。
IDN対応アプリケーション開発者
- ライブラリの名称がlibmdnからlibidnkitに変更されました。同様に軽量版のlibmdnliteはlibidnkitliteに変更されました。
- libmdnlitに相当する軽量版ライブラリlibidnkitliteだけインストールできるようにされました。configure実行時に--enable-liteonlyを指定して下さい。
- mDNkit互換機能が追加されました。これを有効にするには、configureの実行時に--enable-mdnkit-compatを指定してください。
- amcacezモジュールがpunycodeモジュールに改名されました。
- Windowsにおいて、設定ファイル名をレジストリから取得するようになりました。
- Windowsにおいて、ライブラリをDLLとして作成するようになりました。
- Windowsにおいて、idnconvがコンソールアプリケーションとして使用できるようになりました。
連絡先など
idnkitについてのバグレポート、コメントは以下にお願いします。
- バグレポート:
- mdnkit-bugs@nic.ad.jp
- コメント:
- idn-cmt@nic.ad.jp
idnkit/mDNkit利用者および日本語ドメイン名運用試験環境利用者間の情報交換を行うためのメーリングリストを開設しています。 ぜひご参加ください。
- メーリングリスト:
- mdnkit-users@nic.ad.jp
- 参加方法:
- http://www.nic.ad.jp/ja/profile/ml.html#mdnをご参照ください。
以上