2003年3月27日
ICANNがスポンサー付き新gTLDの選定基準(案)を発表
ICANNは3月25日、新たなスポンサー付きgTLDを選定する際の基準(案)を発表しました。
スポンサー付きgTLDとは、特定の業界・分野内に利用が制限されたgTLDのことで、業界・分野内に存在するスポンサー組織がgTLDの登録・運用ポリシーを策定します。既に導入されているスポンサー付きgTLDには、.aero(航空運輸業界)、.coop(共同組合)、.museum(美術館、博物館など)の3つがあります。
現在ICANNでは、これらの3つに続く新たなスポンサー付きgTLDの導入計画が進められており、今回提案された選定基準は、新gTLDの提案募集を実施する際に適用されます。
<選定基準(案)>
寄せられた提案書は、以下の項目別に点数制で評価される。1~5については、それぞれ規定された点数の75%を最低ラインとし、1~5のうち一つでも獲得点数が75%に達しなかった提案は却下される。
1.安定的レジストリ運用を保証 <30点>
- 高水準の技術的運用力を持つTLDレジストリを供給 (10点)
- レジストリ運用経験の証明 (4点)
- 全面的レジストリサービスの提供 (6点)
- 倒産の際の事業継続性を保証 (10点)
2.スポンサー付きTLD要件に準拠 <45点>
- コミュニティの明確化 (10点)
- スポンサーおよびポリシー策定環境の適切性 (15点)
- コミュニティへの対応 (15点)
- ICANNポリシーの遵守を確約 (5点)
3.DNSに新たな価値を追加 <25点>
- (TLDとして使用する)名前の価値(15点)
- DNSの多様性の促進(10点)
4.広範なグローバル・コミュニティの充実化および到達度 <30点>
- 人口統計上の到達度(登録者数見込みなど) (7点)
- グローバル性についての到達度(名前にグローバルな価値があるかなど) (8点)
- コミュニティからの支持の度合い (15点)
5.他者の権利の保護 <20点>
- チャーター規定の要件を満たす者のみが登録できることを保証 (8点)
- 適切な紛争処理メカニズムを保証 (6点)
- ICANNポリシーに準拠したWhoisサービスの提供 (6点)
6.完全かつよく構成された提案書の提供 <20点>
<提案書の評価方法(案)>
外部の独立評価チーム(2~3チーム。予算の状況による)を選定する。評価チームは、まず上記選定基準に基づき最低ラインに達しなかった提案書を除外する。次に、最低ラインをクリアーした提案書は、各チームによって点数別に2~3の段階別にグループ分けされる。グループ分け作業の結果、以下の条件に該当する提案書(複数)が最終的に選定される。
- 評価チームが2チームとなった場合:
- 両チームが最上位グループに分類した提案書
- 評価チームが3チームとなった場合:
- 3チームのうち2チームが最上位グループに分類した提案書(ただし、残りの1チームが最下位グループに分類したものは不可)
評価チームによる選定結果は、ICANN理事会によって採決される。(ICANN理事会・スタッフともに、評価チームによる選定プロセスには関与しない。)
現在ICANNでは、この提案に対する一般からのコメントを募集しています。(3月23~27日開催のICANNリオデジャネイロ会議でも議論。)今後の予定としては、上記選定基準(案)について今後約4週間のうちに合意が得られた場合には、その後ただちにスポンサー付き新gTLDの提案依頼書(案)が発表され、再度コミュニティからのコメントを募集することになります。
スポンサー付き新gTLDの選定基準(案)
http://www.icann.org/riodejaneiro/stld-rfp-topic.htm
コメント送付先
stld-rfp-comments@icann.org へ英語にて送付してください。
以上