2003年6月26日
ICANNが国際化ドメイン名(IDN)の展開について発表
ICANNは6月20日、国際化ドメイン名(IDN)の世界規模での展開の開始を発表し、合わせてIDNを取り扱うレジストリのための「IDN実装のためのガイドライン(1.0版)」を公開しました。
IDNについては、2003年3月7日に技術仕様を規定する3つのRFCが発行され、その後、ICANNは2003年3月27日の理事会において、「IDNの実装のためのガイドライン(案)」で示された枠組みを承認しました。
同ガイドラインは、引き続きICANNおよび主要IDNレジストリによる検討が行われ、その結果、1.0版の完成に至りました。同ガイドラインに準拠したIDNレジストリは、そのIDN登録にあたり今後、取り扱う言語に固有の登録・管理規則を採用することになります。
3月の理事会での決定により、IDNの展開を検討してきたICANN契約レジストリについては、このガイドラインに基づいたIDNの展開が認められることになります。国コードTLDでは .cn(中国) .jp(日本) .tw(台湾)のレジストリが、また分野別TLDでは.infoおよび.orgのレジストリが、このガイドラインに従うことをこれまでに表明していますが、ICANNでは、他のレジストリに対してもこのガイドラインに従うよう求めています。
ICANNおよびIDNレジストリは、今後もこのガイドラインの見直しを定期的に行い、必要な調整を加えていくことに合意しています。
ICANNアナウンス: IDNの展開について (2003年6月20日付)
http://www.icann.org/announcements/announcement-20jun03.htm
<参考>
ICANNが契約レジストリにIDN登録を認めるにあたっての基準を提案 (2003年3月18日付)
http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2003/20030318-01.html
以下はガイドラインの主要部分の和訳(参考訳)です。注釈を含む全文については、原文をご覧ください。
IDN実装のためのガイドライン(1.0版) (2003年6月20日付)
http://www.icann.org/general/idn-guidelines-20jun03.htm
「IDN実装のためのガイドライン」(1.0版)
- IDNを実装するTLDレジストリは、RFC3490、3491および3492(以下、集合的に「IDN標準」と呼ぶ)に定める技術要件に厳格に準拠した上で実装をしなければならない。
- TLDレジストリがIDN標準を実装する際には、Unicodeで規定されているすべてのコードポイントの中から許可されるものを明確にするという方法をとらなければならない(レジストリが明確に許可していないコードポイントは禁止されている、ということを意味する)。
- TLDレジストリがIDN標準を実装する際には、以下を実行するものとする。
- 登録された各国際化ドメイン名を一つまたは一連の言語に関連付ける。
- 取り扱う言語に固有の登録・管理規則(文書化され公開されたもの)を採用する。(登録されたドメイン名に関連付けられた言語における等価な異体文字を持つすべてのドメイン名を予約するなど)
- ある特定の言語の登録・管理規則が異体文字テーブルから利点を得るとレジストリが判断した場合は、その言語での登録は、適切なテーブルが利用可能である場合のみ許可する
- 各レジストリは、各言語に固有の登録方針(レジストリが適切であると判断する場合は、異体文字テーブルを含む)を策定するために、関係者と協力して取り組むものとする。これは、世界中のDNSユーザーの利便性のためにIDN実装へ向けて一貫したアプローチをとるという目的を実現するためのものである。レジストリは共通の問題に取り組むために、例えばICANNのIDN Registry Implementation Committeeのような特別委員会、地域グループおよび世界的なフォーラムを通して互いに協力するものとする。
- TLDレジストリがIDN標準を実装する際には、少なくとも初期の段階においては、ドメイン名のラベル(セカンドレベルドメインなど)内の文字を、一つの言語または一連の言語に関連付けられた文字のみに限定すべきである。
- TLDレジストリ(およびレジストラ)は、IDN登録で対象とするすべての言語による情報提供およびサービス提供をすべきである。
以上