2004年1月6日
各位
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
メールマガジン「JPNIC News & Views」のご案内
(社)日本ネットワークインフォメーションセンター(東京都千代田区、 理事長 村井 純、以下「JPNIC」)では、 インターネットに関する最新情報をタイムリーにお届けするメールマガジン「JPNIC News & Views」を配信しています。
内容は、インターネットをJPNICならではの視点で解説した記事や、 インターネットに関する最新情報を中心にお届けしています。 また、インターネットのガバナンスやIPアドレスのポリシーに関する国内外最新動向など、 他ではあまり取り上げられることのないJPNIC独自のインターネット情報も充実しております(内容の詳細、バックナンバーは下記をご覧ください)。
なお、2004年1月15日配信予定の最新号ではインターネット最前線で活躍する方々(当センター理事長 村井純等)より、 2004年のインターネットを象徴するキーワードをあげていただいた『Internet Keyword 2004!』を特集でお届けする予定です。
継続してご覧いただければ、 インターネットへの理解が深まることと思います。 登録は無料ですのでご興味のある方はぜひお気軽にご登録ください。
今後とも当センターは皆様のお役に立てる情報を発信してまいりますので、 どうぞよろしくお願い申し上げます。
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「JPNIC News & Views」の主な内容
定期号 (毎月15日配信)
- JPNICならではの切り口による【特集】
- IPv6、ドメイン名、インターネットガバナンスなど、国内外の【インターネット最新トピックス】
- インターネット関連用語を分かりやすく解説した【インターネット用語1分解説】
- インターネットの最前線で活躍される方の執筆による【コラム】
- IPアドレスやドメイン名に関する【統計情報】
臨時号 (月2~3回程度)
- 旬の話題を随時配信
トピックス号 (毎週月曜日配信)
- JPNICからのお知らせ
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「JPNIC News & Views」に関するお問い合わせ
jpnic-news@nic.ad.jp JPNIC News & Views 担当宛
---------------------------------------------------------------------- ◆ 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC) ◆ ---------------------------------------------------------------------- インターネットを支えるIPアドレスの管理や、インターネットにかかわる各種 調査、研究、教育および啓発活動を通じて、インターネットの円滑な運営を支 えるための活動を行っている社団法人です。 URL:http://www.nic.ad.jp/ ---------------------------------------------------------------------- ---- ↓ ----- ↓ ----- ↓ 以下、サンプルです ↓ ----- ↓ ----- ↓ ---- <<JPNIC News & Views 定期号最新号>> =================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.140【定期号】2003.12.15 ◆ _/NIC =================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.140 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JPNICの主催するインターネットの一大イベント、「Internet Week 2003」が 12月2日~5日にかけて開催されました。横浜・みなとみらい地区はクリスマス ムード一色で賑わっていましたが、それに負けじと盛り上がりを見せた本イベ ントの模様を、JPNICのメインプログラムを中心に特集でお届けします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集1 「Internet Week 2003レポート」 1. Internet Week 2003 全体概要 2. DNS DAY 3. ドメイン名に関する最新動向 4. 第5回JPNICオープンポリシーミーティング 【 2 】特集2 「IP Meetingレポート」 【 3 】News & Views Column 「インターネットと個人情報保護」 JPNIC CAとアプリケーション専門家チームメンバー/ 監査法人トーマツ 野見山雅史氏 【 4 】インターネット用語1分解説 「ALACとは」 【 5 】統計資料 1. JPドメイン名 2. IPアドレス 3. 会員数 4. 指定事業者数 【 6 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集1 「Internet Week 2003レポート」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ......................................................................................................... 1. Internet Week 2003 全体概要 JPNIC インターネット推進部 岡部ちぐさ ......................................................................................................... 冬の風物詩になりつつあります(?)Internet Week、今回は2003年12月2日(火) から5日(金)までの4日間、パシフィコ横浜で開催しました。6000名を超す多く の方々にご参加いただきましてありがとうございました。今年のInternet Weekはいかがでしたでしょうか。 2003年は34プログラムという過去最多のチュートリアル開催、展示コーナーの 設置、書籍販売の実施、スポンサーによるソリューションセミナーのオープン スペース開催など、主催としてはチャレンジの年でもありました。特にソリュー ションセミナー、展示、書籍、アクセスコーナーを設置した会場3F海側のホワ イエは、休み時間ともなると人でごったがえし、非常に盛況であったのが印象 的でした。Internet Weekのミッションの一つである「場」の提供が実現でき たといえるのではないでしょうか。 また、チュートリアルに関していえば、「そう、そういう質問を期待していた んだ」というような質問が会場から寄せられてよかった、というような講師の 声も例年以上にお聞きしており、開催・講演側としては予想以上の反応に満足 しています。参加された皆さまのお声は、現在やや緊張しながら集計している 最中です。 今回、共にInternet Weekを支えてきたコミュニティに大きな動きがありまし た。今まで日本のインターネットを根付かせ、引っ張ってきた日本インターネッ ト技術計画委員会(JEPG/IP)が会期中にに解散を発表したことです。JEPG/IP が主催していたIP Meetingを軸に、1997年から複合イベントとしてInternet Weekが誕生したことを考えると感無量であり、インターネットの一時代の終焉 を感じる出来事でした。IP MeetingはJPNICが引き継いで今後も開催していき ます。 こうしたボランタリのコミュニティに支えられてきたInternet Weekの精神や 魅力を維持しつつ、来年はさらに磨きをかけたイベントにせねばと気をひきし めております。参加された皆さま、また参加されなかった皆さま、それぞれの お立場からコメントをいただければと思います。下記メールアドレスまでお寄 せ下さい。 コメント送付先: jpnic-news@nic.ad.jp Subjects: IW2003について 会場でご記入いただきましたアンケートの集計結果、またはチュートリアルの 資料、講演ビデオは後日JPNICのWebサイトで公開予定です。過去のコンテンツ に関しては下記URLをご参照ください。 □Internet Week 資料 http://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/ さて、来年のInternet Week 2004は2004年11月29日(月)~12月3日(金)にかけ て同じくパシフィコ横浜で開催予定です。2004年2月にみなとみらい線が開通 しますので、アクセスは今までより大幅に向上するでしょう。ぜひお誘い合わ せの上、ご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。 また来年も横浜でお会いいたしましょう! ......................................................................................................... 2. DNS DAY JPNIC 技術部 小島育夫 ......................................................................................................... ●日時:2003年12月2日(木) 9:30-17:00 ●参加者数:123名 2002年に引き続きInternet Week 2003のメインプログラムの一つとしてDNS DAYを開催しました。今年は、「DNS運用レポート」「DNSの実装とその比較」 「DNSセキュリティ」の3部構成としました。 ◆午前の部 1) DNS運用レポート ・Root DNS update 加藤朗氏(WIDE Project/東京大学) ・JP DNS update 白井出氏((株)日本レジストリサービス (JPRS)) ・DNSQC-TF report (1) 小島育夫(JPNIC) ・DNSQC-TF report (2) 藤原和典氏(JPRS) ・ENUMトライアル 米谷嘉朗氏(JPRS) ◆午後の部 2) DNSの実装とその比較 ・BIND/djbdns/NSD 森下泰宏氏(JPRS) ・Nominum ANS/CNS 田村俊明氏(住商エレクトロニクス(株)) ・Cisco Network Registrar(CNR) 山崎年正氏(シスコシステムズ(株)) 3) DNSセキュリティ ・DNSサーバ・セキュリティ 神明達哉氏((株)東芝) ・DNSの安全な設定 民田雅人氏(JPRS) DNSに関する各種の運用レポートに引き続き、「DNSの実装とその比較」では数 年前までは唯一の実装であったBINDに加え、最近利用するサイトが増えてきて いるdjbdnsや、ルートネームサーバの一つで運用が行われているNSDとの実装 比較について解説いただき、商用製品の実装についても紹介いただきました。 「DNSセキュリティ」では、DNSを管理・運用するものにとって必要不可欠なセ キュリティ関する事項を詳しく解説いただきました。 アンケートの結果は大変好評で今後もぜひ継続してほしいとのご意見を多数い ただきました。プレゼンテーションをお引き受けいただいた講師の方々、活発 な議論・意見交換により本会議を盛り上げてくださった全ての参加者の方々に、 この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。ご協力ありがとうござい ました。 来年もぜひご参加いただきますようよろしくお願いいたします。 ......................................................................................................... 3. ドメイン名に関する最新動向 JPNIC ドメイン名事業部 二瓶竜史 ......................................................................................................... このプログラムではccTLD(country code Top Level Domain:国コードトップ レベルドメイン)、IDN(Internationalized Domain Name:国際化ドメイン名)、 Whois、ICANN、DRP(Domain Name Dispute Resolution Policy:ドメイン名紛 争処理方針)、gTLD(generic Top Level Domain:分野別トップレベルドメイ ン)等ドメイン名についてさまざまな角度からこの1年の動向と最新情報の提 供を行いました。 ◆ccTLDについて JPNICの是枝祐よりccTLDの概要と動向について説明がありました。ccTLDの登 録数、ICANNとccTLDの関係、ICANNとccTLDレジストリとの契約の進捗状況、ま たkids.usドメイン名など最新のトピックについてプレゼンテーションがあり ました。JPドメイン名に関しては(株)日本レジストリサービス(JPRS)の長谷 川早苗氏より、利便性向上を図るための登録規則改訂、安定性向上を図るため のJP DNSの分散稼動の開始等の諸施策についての説明がありました。また登録 数が50万件を超えたJPドメイン名の現状やRFCに準拠した日本語.JPサービスの 開始等について述べられました。 ◆IDNについて JPRSの米谷嘉朗氏より日本語.JPにおける動向、RFCをはじめとするIDNを支え る技術仕様について、また文字の混用から生ずるため技術だけでは解決できな い諸問題について、その解決策としてのIDN-admin(*) Guidelineによる対応が 挙げられました。諸外国のccTLDにおいてもIDNのサービスを開始、もしくは開 始予定としているところが増えてきていることに触れ、IDNの本格的な普及開 始を象徴する1年であった旨の説明がありました。 ◆Whoisについて JPRSの草場明子氏より、まずWhoisの機能について説明がありました。その後、 Whoisに対するコミュニティの要求の変遷について触れ、Whoisの情報の正確性、 プライバシー保護と情報公開とのバランスという視点からとられてきた、ここ 1年のWhoisに関する施策が、.JP、gTLD、全TLDに分けて説明されました。 ◆ICANNについて JPNICの入交尚子より、まずICANNの概要、役割、組織構成について説明があっ た後、2年間に渡り実施されてきたICANN改革に関して述べられ、移行期を経て 新体制へ移ったこの1年の動きについて説明がありました。また、ポリシー策 定活動の動きとして、gTLDにおける統一手続き手段が制定された例として、レ ジストラ間のドメイン名移転やレジストラによるドメイン名の削除手順が挙げ られました。 ◆DRPについて JPNICの丸山直昌理事よりICANNでのUDRP関連の動きとしてUDRP Reviewと Second WIPO Internet Domain Name Process(WIPO II)ついての説明があり ました。また、JP-DRPに関連する動きとしては先般、政府の司法制度改革の一 環として発表のあったADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外の紛争 解決手続)についてJPNICより意見書を提出した旨の発表がありました。 ◆gTLDについて (株)国際調達情報(PSI-Japan)の梅津美恵子氏よりgTLDの概要やトピックス、 各gTLDの動向などについてプレゼンテーションがありました。その後、来日し たgTLDレジストリ2社による動向の発表がありました。 まず今回が2回目の参加となるAfilias社(.info)のRoland LaPlante氏と Desiree Miloshevic氏よりプレゼンテーションがあり、.infoをはじめとする 新gTLDはこの1年順調な増加を示しており今後も登録数の増加が望めること、 ドイツ語を用いたIDNのサービスを開始すること等の紹介がありました。続い て、今回初参加したNeuLevel(.biz)のFernando Espana氏よりNeulevelの概 要、事業説明の後、中小規模の会社をターゲットとして今後日本での営業を一 層展開していくこと、また.bizではIDNに関して慎重に取組む方針であること が語られました。 (*) IDN-adminの詳細は下記をご覧ください http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2003/vol068.html ......................................................................................................... 4. 第5回JPNICオープンポリシーミーティング JPNIC IP事業部 奥谷泉 ......................................................................................................... ●日時:2003年12月5日(金) 9:30-14:15 ●参加人数:105名 Internet Week 2003メインプログラムの一つとして、第5回JPNICオープンポリ シーミーティング(以下、JPOPM)を開催しました。 今回は7月の単独開催の時とはまた違った方々からご意見をいただくことがで き、大変よかったと思っています。また、一部の議題ではマイクの前で数名待 つ方が見受けられるほど活発な議論が行われ、主催者としては喜ばしい状況と して受け止めています。 また、これまではAPNICオープンポリシーミーティング(以下、APOPM)での決 定事項を中心にご紹介してきましたが、このミーティングでは、事前に次回の APOPMで予定されている、APNICからの提案内容の一部をご紹介することができ ました。 その結果、JPNICからの提案事項に限らず、その他の提案についても、決定前 にJPコミュニティの意見をお伺いすることが可能となったことが、これまでと の大きな違いです。そして、今後はJPNIC単体としてではなく、JPコミュニティ がコンセンサスの形成へ能動的に参加できることにつなげていきたいと考えて います。 今回行われた7点のプレゼンテーションの内容で、大きな議論を呼んだテーマ は、以下の3点でした。 ・Whoisでのネットワーク情報の公開任意化 ・IPv4初回割り振りサイズの変更 ・IPv4における特殊用途PI割り当てサービスの提供について このうち、「Whoisでのネットワーク情報の公開任意化について」の内容を簡 単にご紹介いたします。 近年の個人ユーザーへの固定IPアドレスの割当ての増加に伴い、現在は個人ユー ザーへの割り当てであってもネットワーク情報(IPアドレスの割り当て先の情 報。住所、連絡先に関する情報を含む)の登録が必要とされるケースが決して 少なくありません。そこで、個人情報保護の観点から、2003年8月のAPOPMでネッ トワーク情報のWhoisデータベースでの公開を任意化することが決定しました。 しかし、ネットワーク情報のすべての項目が個人のプライバシーに関わるわけ ではなく、また、ネットワーク情報そのものを非公開とした場合、ネットワー ク情報の登録の有無さえ確認できなくなるため、Whoisの利便性が低下すると JPNICは考えています。そこでJPNICは個人のプライバシーに関わる項目は非公 開とし、ネットワーク情報そのものは公開するという方法をご紹介しました。 この中で、個人への割り当ての場合、運用責任者をISPで代行可能とした案に ついては、第三者であるISPがユーザーのネットワークについて判断を行うこ とは望ましくない等、何点か懸念を示すご意見をいただきました。最終的には ISPによる運用責任者の代行はあくまで任意であり、個人ユーザーの場合に限 定するということをご理解いただいたうえで、実装という結論に落ち着きまし た。 この意見交換を通して、本来の運用責任者の役割を再確認することができ、私 は非常に有意義な意見交換であったと感じました。参加者の皆様にとっても有 益な議論となったのであれば幸いです。 この他のテーマも含め、当日行ったプレゼンテーションは以下のURLからご参 照いただけます。 □プレゼンテーション資料 http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20031205/ また、今回のミーティングではAPNICからの提案事項についてのご意見も多数 いただきました。これらのミーティング当日のご意見はもちろんのこと、 ip-usersのメーリングリストへのご意見も、APNICコミュニティへ紹介してい く予定です。皆様からのコメントをお待ちしています。 □IP-USERSメーリングリスト http://www.nic.ad.jp/ja/profile/ml.html#ip ◇ ◇ ◇ 現状のJPOPMはまだまだ発展途上ではありますが、開催当初は質疑応答の場面 でもJPNIC関係者による発言の方が多かったことを振り返ると、少しづつでも コミュニティの皆様からご意見をいただけるかたちに近づいているのではない かと思いました。 このように定期開催を重ねていきながら、今後はミーティングでのプレゼンテー ションもコミュニティの皆様からいただけるようにしていきたいと考えていま す。次回のJPNICオープンポリシーミーティングは2004年夏に開催を予定して おりますので、今後もよろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 2 】特集2 「IP Meetingレポート」 元JEPG/IP代表 白橋明弘 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年12月4日(木)に、Internet Week 2003の中のメインプログラムとして開 催された、IP Meeting 2003のレポートをお伝えします。 IP Meetingは、JEPG/IP(Japanese Engineering & Planning Group/IP)によっ て1990年に第1回が開催され、それ以来毎年1回続いている会議です。その趣旨 は、「インターネットの開発・構築・運営に関わる人々が一堂に集まって知識・ 課題を共有し、インターネットの発展のための議論を行う」というものです。 このIP Meetingが母体となって、1997年からさまざまなインターネット関連団 体も参加して、Internet Weekという形で開催されるようになり、今日に至っ ています。 今回IP Meetingとしては14回目を数えますが、JEPG/IPは今回をもってその役 割を終えたとして解散ということになりました。しかし、IP Meetingは今後も JPNICが主催して、Internet Week全体のプレナリー的会議として継続されます。 そのため、今回のIP Meetingも、JEPG/IPとJPNICの共催という形で運営されま した。 前置きはこれくらいにして、IP Meeting 2003の内容をご紹介します。最初に 基調講演として、現JEPG/IP代表である筆者が、「日本のインターネットの発 展とJEPG/IPの10年」と題して、JEPG/IPの活動とIP Meetingの歴史について発 表を行いました。そして、「インターネットに関わるさまざまなグループ ~ オペレーター、研究・開発、製品・サービス提供者、リソース管理、セキュリ ティ ~ が、お互いに議論する場としてのIP Meetingの重要性は、ユビキタス 時代を迎えて一層高まっており、今後も維持・発展させていかなければいけな い」と締めくくりました。 次に、恒例の報告として、JPNICとJPRSから、国際関連とIPアドレス関連の報 告が行われました。国際関連では、JPRS 大橋由美氏から、その後の世界情報 サミットでもインターネット利用先進国とこれからの国の間での鋭い対立点と なった、ICANNガバナンスをめぐる問題について報告が行われました。 引き続き行われた、JANOG 吉田友哉氏からのルーティング・トポロジーに関す る報告では、さまざまなトラフィック・ルーティングに関する具体的なデータ が示されました。継続的にこのような情報を収集・分析・公開していくアクティ ビティの重要性について考えさせられる内容でした。 午前の部の最後には、JPNIC 二瓶竜史氏から、日本語ドメイン名やENUMなどの 最近のドメイン名をめぐる動向についての説明があり、JPCERT/CCの山賀正人 氏からは、この1年のセキュリティの動向と、JPCERT/CCの組織変更・定点観測 などの活動の展開について発表が行われました。 午後の部では、最初にJPNIC 小島育夫氏から、DNSをめぐる最近の動き、JPNIC とJPRSがWIDEと協力して行っている、DNS設定の改善の取り組みやDNS運用健全 化活動などについて紹介がありました。 次に、かつてのIP Meetingではよく取り上げされていた教育(K12(*))と医療 へのインターネットの利用がブロードバンド時代にどう変わってきているかに ついて、教育が広島県吉田町立郷野小学校 玉井基宏氏・京田辺市教育委員会 中島唯介氏から、医療が東京医科歯科大学 田中博氏から、それぞれ発表され ました。どちらの分野でも、ブロードバンドが普通の環境となった今、双方向 の動画系のニーズが高く、しかも臨場感や高精細度の要求から、さらなる高速 ネットワークへのニーズがあることが語られました。会場からストリーミング 関係者からの質問もあり、多くの参加者にとって興味深い内容だったのではな いでしょうか。 最後のプログラムとして、奈良先端科学技術大学院大学 山口英氏を司会者と して、慶應義塾大学 中村修氏、独立行政法人産業技術総合研究所 高木浩光氏、 JPNIC/JPRS 佐野晋氏という豪華なメンバーで、「インターネットにおけるID とトレーサビリティ」というテーマでパネルディスカッションが行われました。 山口氏の巧みな仕切りもあって、会場からも多くの質問が寄せられ、短い時間 で議論しつくせる話題ではないものの、考えさせられる議論が闘わされました。 最後に、JEPG/IPの初代代表である村井純氏より、「インターネットのこれか らの10年」という題で、IP Meeting/Internet Week、そしてその参加者の皆さ まがこれまで果たしてきた役割、またこれから果すべき役割について、および その重要性が力強く語られ、IP Meeting 2003は閉幕しました。 (*) K12:概ね18才以下の幼児・児童・生徒を対象としている小中高校などの 教育機関のこと。米国での表現「幼稚園(Kindergarden)から高校 3年生(12th Grade)まで」に由来。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 3 】News & Views Column 「インターネットと個人情報保護」 JPNIC CAとアプリケーション専門家チームメンバー 監査法人トーマツ 野見山雅史 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ここ数年で「インターネットで物やサービスを購入する」ということが急速に 当たり前の行為になりました。私に関していえば、本の購入、飛行機やホテル の手配等はインターネットで行うことの方がはるかに多い状態です。 このように便利に活用している一方で、気になることもあります。それは個人 情報保護の問題で、実際に個人情報漏洩事件が後を絶ちません。メールマガジ ン等でのメールアドレス漏洩や、サーバ上の個人情報が誰でも参照可能な状態 に置かれていた(不正アクセスにより漏洩してしまった、というわけではなく!) などという事件が日常的に起きています。 個人情報保護に関する取り組みをまとめた「プライバシポリシー」なるものを 掲げているWebサイトは多くあります。また、個人情報保護に関する認証制度 も複数あり、これらの認証シールを掲げているWebサイトも少なくありません。 しかし、これらのWebサイトは完全に信頼できるか? というと、残念ながら、 必ずしもそうではないようです。例えば、プライバシポリシーを読むと、「クッ キーを発行しません」と書いてあるのに、実はちゃっかりクッキーを発行して いて、そのうえWebバグ(*)まで利用していた、という場合が実際にありました。 認証シールが掲示されていても、Webアプリケーションにセキュリティの欠陥 があった、という場合もありました。 このような状況の下、平成17年4月1日から個人情報保護法(以下、法律)が全 面施行される予定です。法律では、いわゆるセキュリティ対策等だけでなく、 個人情報収集時の利用目的の明示や、利用目的を超えて個人情報を利用するこ との制限、個人情報の正確性の確保等が規定されています。違反した場合、最 高6ヶ月の懲役または30万円の罰金を受けることがあります。個人情報取扱事 業者の事業上の影響という点では、刑罰の軽重より、違反の事実を報道されて しまう、といったことの方が深刻かもしれません。 法律に対応するためには、そもそも自らが保持する個人情報にどんなものがあ るか? を特定するところから始めなくてはいけません。法律では個人情報を 「その情報単体で、または他の情報と照合することで、特定の個人を識別する ことができる情報」と定義しています。したがって、氏名等だけではなく、IP アドレスが個人情報となる場合もあります。既に個人情報保護に関する認証シー ルを取得していたり、相当する管理体制を整備している場合は、ある程度対応 済みと考えることができますが、それ以外の場合は相応の対応が求められるも のと思います。 中小規模の事業者で、Webサイトで個人情報を取り扱っている事業者にとって は、なかなか頭の痛い話かもしれませんが、インターネットの健全な発展のた めにも、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいところです。 (*) Webバグ:Webページに埋め込まれた情報収集用の極めて小さい画像のこと。 ユーザーのアクセス動向などを収集することができる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 4 】インターネット用語1分解説 「ALACとは」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「At-Large Advisory Committee」(At-Large諮問委員会)の略。ICANNの諮問 委員会の一つで、ICANNの活動の中で個人インターネットユーザー(At-Large コミュニティ)の利益に関わる事項についての検討、および理事会への助言を 行います。 現在は、理事会選出メンバー10名と指名委員会選出メンバー5名からなる暫定 委員会の形をとっていますが、今後世界5地域それぞれに地域別At-Large組織 (RALO:Regional At-Large Organization)が設立された後には、各RALOから 2名ずつ選出される計10名が、理事会選出メンバーに取って代わることになり ます。 http://www.icann.org/committees/alac/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 5 】統計資料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1. JPドメイン名 o 登録ドメイン数(2003年7月~2003年12月) ------------------------------------------------------------------------------- 日付|JP AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL ------------------------------------------------------------------------------- 7/1|0 321 2990 241722 810 17364 17703 9915 4158 462 4222 173983 46003 519653 8/1|0 322 3001 243424 813 17529 17685 9884 4202 744 4220 178871 46015 526710 9/1|0 322 3004 244403 814 17679 17559 9832 4247 986 4213 182621 45906 531586 10/1|0 321 3012 245805 815 17813 17536 9813 4262 1292 4217 187040 45615 537541 11/1|0 321 3020 246664 812 17932 17482 9771 4293 1595 4229 192147 45588 543854 12/1|0 319 3026 247784 810 18040 17469 9752 4312 1781 4238 196777 45485 549793 ------------------------------------------------------------------------------- GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字) GJ:汎用ドメイン名 日本語 2.IPアドレス o APNICからの割り振り/返却ホスト数(2003年6月~2003年11月) --------------------------------------- 月 | 割り振り | 返却 | 現在の総量 --------------------------------------- 6 | 0 | 0 | 21954560 7 | 589824 | 0 | 22544384 8 | 2097152 | 0 | 24641536 9 | 851968 | 0 | 25493504 10 | 851968 | 0 | 26345472 11 | 786432 | 0 | 27131904 --------------------------------------- □統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/ 3.会員数 ※2003年12月11日 現在 -------------------- 会員分類 | 会員数 | -------------------- S会員 | 4 | A会員 | 2 | B会員 | 8 | C会員 | 4 | D会員 | 208 | 個人推薦 | 48 | 賛助会員 | 45 | -------------------- 合計 | 319 | -------------------- □会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ 4. 指定事業者数 ※2003年12月11日 現在 IPアドレス管理指定事業者数 361 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 6 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004.1.13(火) 第43回通常理事会 (予定) 2004.1.15(木) 第16回評議委員会 2004.1.15(木)~22(木) SANOG III (Bangalore, India) South Asian IPv6 Summit (Bangalore, India) 2004.1.25(日)~30(金) 17th APAN (Honolulu, Hawaii, USA) 2004.1.26(月)~30(金) RIPE 47 (Amsterdam, Netherlands) 2004.1.29(木)~30(金) JANOG 13 (東京、赤坂プリンスホテル) -------------------------------------------------------------------- 2004.2.4(水) 第4回JPNIC・JPCERT/CCセキュリティセミナー 2003 (東京、大手町サンケイプラザ) 2004.2.8(日)~10(火) NANOG 30 (Miami, Florida, USA) 2004.2.13(金) 第22回通常総会 (予定) 2004.2.20(金) IPアドレス検討委員会 2004.2.22(日) AP* Retreat (Kuala Lumpur, Malaysia) 2004.2.23(月)~27(金) APRICOT 2004 (Kuala Lumpur, Malaysia) 2004.2.23(月)~27(金) 17th APNIC Open Policy Meeting (Kuala Lumpur, Malaysia) 2004.2.26(木)~27(金) CENTR 21 (Salzburg, Austria) 2004.2.29(日)~3.5(金) 59th IETF (Seoul, Korea) ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/(PASSWORD有)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.140 【定期号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2003 Japan Network Information Center
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