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2006年4月3日
報道関係各位
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)
報告書「IPv4アドレス枯渇に向けた提言」公開のお知らせ
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(東京都千代田区、 理事長 後藤滋樹、以下「JPNIC」)は、本日、 IPv4アドレス枯渇に向けて準備が必要と考えられる事項をまとめた報告書 「IPv4アドレス枯渇に向けた提言」を公開いたしました。 この報告書は以下のURLからご参照いただけます。
http://www.nic.ad.jp/ja/research/ipv4exhaustion/
IPv4アドレスの枯渇が数年後には到来するという複数の研究結果が出されるなか、 JPNICでは、2005年12月にインターネット運用に関わる国内の有識者による 「番号資源利用状況調査研究専門家チーム」を設立し、 これらの研究結果の精査と状況予測を開始しました。
本報告書は、専門家チームにより行われた、 既に発表されているIPv4アドレスの寿命予測に関する文献の分析、 日本およびAPNIC管理地域における IPv4アドレスの利用傾向、 およびIPv4アドレス枯渇に伴って想定される現象の予測をまとめたものです。
さらに、この結果を踏まえ、 IPv4アドレス枯渇にむけた準備事項をインターネットに関わるプレイヤーであるサービスプロバイダ、レジストリ、各種サービス提供者、企業ユーザ、一般ユーザ、 技術開発者に対する提言として具体的にまとめました。
IPv4アドレスが枯渇する時代を現実に迎えるなか、 さまざまな課題を解決してインターネットが円滑に運営されるよう今から準備を進めていくことが必要です。
本報告書は本文だけで50ページを越える長さとなり、 また専門的な記述を含んでおりますが、 専門でない方にも読んでいただけるように努めました。 また、寿命予測に留まらず、 枯渇により惹起される状況の予測や今後に備えるための提言も含めて総合的に記述された文献は、 世界的に見てもこれまでに例がありません。
JPNICでは、今後この報告書の存在と内容を広く知っていただくため、 英訳版の制作を含めた周知活動を進めるとともに、 国内外の議論や新たな研究成果を取り込んだ精度の高い情報提供や提言を行えるよう、 改版・増補を定期的に行ってまいります。 また、このIPv4アドレス枯渇問題をIP事業の重点課題として位置づけ、 IPv6インターネットへの円滑な移行を促進する施策を進めることで、 情報社会インフラとしてのインターネットの安定運営に寄与してまいります。
報告書の内容
- 1. はじめに
- 2. 世界のIPv4アドレス利用トレンドと今後の予測
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既に発表されている4つのIPv4枯渇に関する研究成果に関して解説。
IPv4アドレスの全空間の割り振りが完了する時期は2009年から2016年までの間でいくつかの説が存在する。
確定的評価は難しいが数年から10年の範囲で枯渇すると考えられる。 - 3. 日本のIPv4アドレス登録実績と需要予測
- 日本国内での今までのIPv4アドレス登録実績とその利用状況の調査の結果。 IPv4アドレスの需要は今後も堅調な伸びが予想されることと、 古い割り当てにおいて未使用空間が散見された。 それを有効利用することで枯渇時期を若干延ばすことができる
- 4. 枯渇に伴い予想される現象
-
IPv4アドレスの枯渇の前後においてアドレスの分配と利用がどのように変化していくか、
およびIPv4アドレス枯渇後に、
IPv6アドレスのみ新規に利用できる場合のインターネットの状況を予測している。
具体的には、IPv6に対応していないホストと、 枯渇後IPv6でしか接続できなくなる新規のホストとの間の通信ができなくなり、 新規ホストはインターネットの利便を全く享受できない。 このため新規のホストに対してIPv4ホストへのアクセスを実現する何らかの仕組みが必要となる。 - 5. 提言
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インターネットに関わるプレイヤーを、サービスプロバイダ、
レジストリ、各種サービス提供者、企業ユーザ、一般ユーザ、
技術開発者に分け、それぞれに対する提言を示している。
サービスプロバイダや各種サービス提供者に対してはIPv6機能の具備、 企業ユーザには新規導入設備におけるIPv6機能の具備、 技術開発者にはユーザ利便を確保するためのIPv6機能の改善を提言するとともに、 一般ユーザにおいては、 そもそもバージョンの違いを意識する機会が極めて少ないため、 機器ベンダや事業者が一般ユーザに意識させることなく対応することが重要であることを指摘している。 - Appendix. A
- 2章で挙げた研究成果に関して内容を和訳の上紹介している。
IPv4アドレスについて
IPv4は「Internet Protocol Version 4」の省略形で、 現在広く使われているバージョンのインターネットプロトコルです。 32ビットのアドレス空間となっており、その詳細については、 RFC 791(Internet Protocol)で規定されています。 近年のインターネットの急速な普及により、 より多くのアドレスの利用が想定されていることから、 128ビットのアドレス空間を持つIPv6が開発されています。
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターについて
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター (略称:JPNIC<ジェーピーニック>、理事長:早稲田大学教授 後藤滋樹)は、 インターネットの運営に不可欠なIPアドレスの日本国内における登録管理業務を行う機関です。 併せて、JPNICは、インターネットに関する教育・普及啓発活動や各種調査研究活動、 インターネットの国際的な広がりに対応するための国際的な調整業務を行っています。
JPNICは、 任意団体としてインターネットの急速な普及を底辺から支える活動を4年間継続して行ったのち、 1997年、科学技術庁、文部省(現文部科学省)、通商産業省(現経済産業省)、 郵政省(現総務省)の共管による社団法人となりました。
お問い合わせ先
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
IP事業部
Mail:ipv4exh-comment@nic.ad.jp
TEL:03-5297-2311
以上