各位
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
北米地域レジストリにおけるIPv4アドレスの在庫状況について
2014年4月23日、 ARIN(北米を受け持つ地域インターネットレジストリ(RIR))より、 自身が管理するIPv4アドレスの在庫が/8相当となり、 IPv4アドレスの分配方法が変更になったとのアナウンスがありました。
ARIN Enters Phase Four of the IPv4 Countdown Plan
全世界に五つあるRIRのうち、 自身が管理するIPv4アドレスの在庫が/8相当となったRIRは、 APNIC地域(2011年4月)、RIPE NCC地域(2012年9月)、 LACNIC地域(2014年3月)に続き、四つとなりました。
ARINでは、2011年2月よりIPv4アドレス在庫枯渇に備えて、 分配方法を段階的に変更してきており、 このたびIPv4アドレス在庫が/8相当となったことから、 フェーズ4の分配方法となりました。 各フェーズの分配方法については下記をご参照ください。
フェーズ4の方法による分配は、 IPv6普及促進を目的として別途予約されている在庫(/10)のみとなるまで続けられます。 フェーズ4の方法による分配終了後、 予約された/10の在庫からの分配は、 IPv6の導入を計画する組織のみを対象とし、 分配されるIPv4アドレスのサイズは/28から/24までとなる予定です。
このたびのARINにおけるIPv4アドレス分配方法の変更による、 JPNICのアドレス分配、管理に対する直接的な影響はありません。
ARIN地域におけるIPv4在庫枯渇に向けた分配プロセスについて
ARIN地域ではIPv4アドレス在庫枯渇に備えて、 IPv4アドレスの在庫量に応じて、 以下四つのフェーズに分けてIPv4アドレスの分配を実施しています。
フェーズ1(IANAの中央在庫が枯渇した2011年2月~2012年09月)
- 承認サイズを、12ヶ月分の必要量から3ヶ月分の必要量に変更する。
- より大きなサイズの申請は経験豊富な担当者、もしくは申請処理部門責任者による承認が必要となる。
- IPv6普及促進を目的としてIPv4アドレスを利用する申請者に分配する用途に、連続した/10を予約する。
- 返却されたIPv4アドレスは、3ヶ月経過後に再分配される。
フェーズ2(在庫が/8×3個となった2012年9月~2013年8月)
- 申請は到着順に処理される
- すべての申請は複数人で処理される。/16もしくは/16を超えるサイズの申請はより経験豊富な担当者によるチームレビューが行われる。より大きなサイズの申請は申請処理部門責任者による承認が必要となる。
- 割り振り後、60日以内に料金の支払いなど必要な手続きが行われない場合、割り振りを受けたアドレスはARINに返却される。
- 返却されたIPv4アドレスは、3ヶ月経過後に再分配される。
フェーズ3(在庫が/8×2個となった2013年8月~2014年4月)
- 申請は到着順に処理される。
- すべての申請は複数人で処理される。/16もしくは/16を超えるサイズの申請はより経験豊富な担当者によるチームレビューが行われ、申請処理部門責任者による承認が必要となる。
- 割り振り後、60日以内に料金の支払いなど必要な手続きが行われない場合、割り振りを受けたアドレスはARINに返却される。
- 返却されたIPv4アドレスは、3ヶ月経過後に再分配される。
フェーズ4(在庫が/8×1個となった2014年4月~)
- 申請は到着順に処理される。
- サイズに関わらず、申請内容に関する審議は、審議チーム全員で行う。
- 申請サイズが/15もしくは/15を超える場合には、申請処理部門責任者による承認が必要となる。
- IPv6およびAS番号分配の申請を行ってない申請者に対する承認サイズは、3ヶ月分の必要量から2ヶ月分の必要量に変更する。
- 割り振り後、60日以内に料金の支払いなど必要な手続きが行われない場合、割り振りを受けたアドレスはARINに返却される。
- 返却されたIPv4アドレスは、2ヶ月経過後に再分配される。
参考情報
各RIRのアドレスポリシー比較 - 最後のIPv4アドレス空間の利用
ARIN地域における最後の/10の在庫からの分配について
以上