ICANNがIANA機能監督権限移管に関する提案を米国政府に提出

2016年3月5日から10日までモロッコ・マラケシュで開催されたICANN 55マラケシュ会議会期中の10日に開催された理事会で、 IANA機能監督権限移管提案調整グループ(ICG)より提出されたIANA機能の監督権限移管提案と、説明責任の強化に関する提案を策定する作業部会(CCWG-Accountability、以下CCWG)より提出されたICANNの説明責任の強化に関する提案の両方が承認され^*1、同日中に米国政府に両提案が提出されました^*2。

IANA機能の監督権限移管提案^*3自体は2015年10月に内容が最終確定していましたが、米国政府(米国商務省電気通信情報局、 NTIA)よりICANNの説明責任の強化に関する提案の同時提出が求められており、その内容確定が待たれていました。

CCWGは2015年11月から12月にかけて提案第3版の意見募集を行った上で2016年1月にICANN理事会へ提出する予定でしたが、 ICANN理事会より内容変更を求める意見が提出されたため、そのままの形での提案提出は難しくなりました。

そのため、理事会とCCWG間の争点について議論と調整が行われた結果、 CCWGが「追加最終報告書」^*4を作成し、その母体である各支持組織／諮問委員会の承認を取り付ける作業が行われました。主な争点は以下の通りでした。

ICANNの役割と活動範囲：人権と消費者保護に関わるICANNの役割の定款への反映
GAC勧告への理事会の対応の定款における記述
個々の理事退任を求める際の法的な保護

追加最終報告書の承認状況は以下の通りでした。

2月29日	IANA監督権限移管に関するコミュニティ作業部会(CWG-Stewardship)
3月2日	セキュリティと安定性に関する諮問委員会(SSAC)
3月4日	アドレス支持組織(ASO)
3月6日	At-Large諮問委員会(ALAC)
3月9日	政府諮問委員会(GAC)、分野別ドメイン名支持組織(GNSO)、国コードドメイン名支持組織(ccNSO)