各位
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
NTIAがIANA機能監督権限移管提案への審査報告書を公開
~米国政府が、提案は移管要件を満たすと判断~
2016年6月9日(木)、米国商務省電気通信情報局(NTIA)は、 下記の通りIANA機能の監督権限移管に関する提案に対して行った審査の報告書を公開しました。
NTIAは審査報告書で、 グローバルインターネットコミュニティにより策定された提案がNTIAの提示した移管要件を満たしているとの判断を示しており、 これは移管に向けた米国政府の検討プロセスにおける大きな前進を意味します。
本報告書での審査対象となった提案は、 2014年3月のNTIAによる監督権限を移管する意向の発表*1を受けてグローバルインターネットコミュニティにより策定され、 2016年3月10日(木)にNTIAへ提出されたものです。
この度の発表は移管完了を意味するものではなく、 移管完了までには以下のプロセスが残されています。
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米国議会による移管提案のレビュー
それに向け、事前に公聴会が2016年3月17日(下院エネルギー・通商委員会)および5月24日(上院通商・科学・交通委員会)に実施されています。 -
提案の実装
現在ICANNおよびIANA機能に関わる関係者が、提案の実装準備を進めています
NTIAは上記を総合的に勘案の上、監督権限移管を進めるべきかの判断を行います。 移管を進めるべきと判断された場合は、NTIAが「IANA契約延長の必要性はない」旨の発表を行った後、 2016年9月30日のICANNとのIANA契約更新時に、契約を更新せずにそのまま失効させることになります。
JPNICでは今後も本件について、適宜情報提供を行ってまいります。
*1 米国商務省電気通信情報局がインターネットDNS機能の管理権限を移管する意向を表明
https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2014/20140317-02.html
記
審査報告書原文
NTIA Finds IANA Stewardship Transition Proposal Meets Criteria to Complete Privatization
https://www.ntia.doc.gov/press-release/2016/iana-stewardship-transition-proposal-meets-criteria-complete-privatization
NTIAによる審査結果概要
- IANAの三つの機能ごとに提案内容を審査し、いずれの機能に関する提案もNTIAの示した移管要件(以下)を満たしている
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- マルチステークホルダーモデルの支持および強化
- インターネットにおけるDNSの安全性、安定性、および回復力の維持
- IANAサービスに対する全世界のカスタマーおよびパートナーの要求と期待を満たす
- インターネットのオープン性の維持
- 政府主導または政府間機関による解決案に置き換える体制ではない
- 議会付属の調査機関である政府監査院(Government Accountability Office, GAO)の報告書中の勧告に示された、以下の内部統制に関する枠組みに照らし合わせて問題ない
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- 組織風土
- リスク評価
- 監視
参考情報
- 移管に向けた対応に関する月例会議資料(2016年6月7日版)
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Transition Program Facilitation Meeting P.3「USG Key Dates」ステップ15
https://www.icann.org/uploads/iana_work_session_asset/attachment/321/TPFM_07JUN16.pdf
以上