各位
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
世界情報社会サミット(WSIS)のビジョン再確認を呼びかける内容の意見表明にJPNICも署名
技術コミュニティ、民間セクター、市民社会からなる団体および個人が、すべての政府、 機関、組織に対し、「人々を中心に据え、 開発指向で包括的な情報社会」をめざす世界情報社会サミット(WSIS)のビジョンを再確認するよう呼びかける内容の意見表明を行いました。 JPNICはこの内容に賛同し、署名しました。
意見の全文はAssociation for Progressive Communications (APC)の以下Webページでご覧いただけます。
https://www.apc.org/en/pubs/cross-community-statement-civil-society-private-sector-and-technical-community-wsis-igf-and
意見の概要は、次の通りです。
IGF 2024が完結したので、私達市民社会、民間セクター、 技術コミュニティからなる署名団体および個人は、すべての政府、機関、組織に対し、 「人々を中心に据え、開発指向で包括的な情報社会」をめざす世界情報社会サミット(WSIS)のビジョンを再確認するよう呼びかけます。 デジタル化の進展や気候変動、 経済的・社会的・政治的不平等といった課題に直面している中で、 このビジョンはますます重要になっています。
主要な点
1. GDCとWSIS+20の統合
- グローバルデジタルコンパクト(GDC)は、WSISプロセス、IGF、 STIフォーラム*1のような既存の構造を強化し、 連携しながら実行可能な枠組みへ移行しなければなりません。
- 分断を防ぎ、相乗効果を促進し、結束力のある包括的な政策立案を確保するためには、 これらのプラットフォーム間の調整を強化することが不可欠です。
2. IGFの役割
- IGFはAI、サイバーセキュリティ、デジタル包摂といった重要課題を扱う主要な問題が、 政府間プロセスで支持を得る前に取り上げられる、重要な議題設定の場であり続けています。
- デジタル格差を解消し、人権を基盤としたデジタルガバナンスを推進するため、 実行可能な成果を提供する必要があります。
3. IGFの持続可能性と資源
- IGFの権限/任務を更新(=継続)し、 その能力を強化するために安定した資源(=資金)確保が必要です。
- IGFは、デジタル協力における最重要のマルチステークホルダー・プラットフォームとしての役割を維持すべきです。
4. WSISの枠組みを基盤とする重要性
- WSISは、実績のある実行指向のシステムを提供し、GDCの目標達成に活用できます。
- GDCのフォローアップをWSISプロセスの次の段階に統合することで、 WSISのビジョンを達成するために関与しなければならない関係者と、 行われる必要のある協力を特定します。
- WSISプロセスの次のフェーズでGDCを活用することは、新しい枠組みを作ったり、 既存の取り組みと重複したりすることなく、 SDGsを達成するためにデジタル化を活用するための実践的な枠組みを提供するのに役立ちます。
5. マルチステークホルダー協力の必要性
- WSISの成果文書に明確に示された、すべてのステークホルダー間の協力とパートナーシップが、 オープンで安全かつ相互運用可能なインターネットを確保する上で重要です。
- この原則を効果的に適用するには、継続的なコミットメント、協力、批判的反省、進化が必要です。 NETmundial+10「サンパウロマルチステークホルダーガイドライン」*2は、 多国間およびマルチステークホルダー双方のデジタル・ガバナンス・プロセスにとって価値ある具体的な提案を提供しています。
6. 行動への提言
私達は、国連事務総長、総会議長、WSIS+20レビュー決議の共同進行役、加盟国、 そしてレビューに参加するすべての国連機関を含む国連システムのすべての部分に対し、 以下を呼びかけます。
- SDGsとWSISのビジョンを達成しようと努力する既存のメカニズムを強化し、重複を回避
- GDCの実施をWSISプロセスの次のフェーズに統合
- マルチステークホルダーアプローチへのコミットメントを継続し、人権保護と、 SDGs、WSISおよびGDCの原則へのコミットメントに対し、 集団的かつステークホルダー固有の説明責任を強化するような形でそれを進化させる必要性の確認
- IGFを恒久的なフォーラムとして設立し、その能力強化のための資源を確保
この声明では、WSISとGDCを統合的に活用することで、 SDGs達成とデジタル社会の発展に向けた実効的な枠組みを提供できることを強調しています。
以上