Spamhaus Litigation Update
翻訳文
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
最終更新2006年11月2日
この文書は2006年10月10日に公開された
http://www.icann.org/announcements/announcement-10oct06.htm
を翻訳したものです。
JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質に責任を負いません。
Spamhaus訴訟に関するアップデート
2006年10月10日
2006年10月9日 - ICANNは、e360Insight, LLC 外 対 The Spamhaus Project、 事件番号 06 CV 3958と称される事件において、 命令を求める請求でICANNに関連するものが裁判所に提出されたとの通知を受けました。 この訴訟は、現在米国イリノイ州北部裁判管轄地区の地方裁判所にて係属中です。
ICANNはこの訴えにおいて当事者とはなっておらず、この件において、 ICANNに何らかの行為を命ずる命令が出された訳ではないことにご留意下さい。 更に、 ICANNはSpamhaus.orgあるいはいずれかの特定のドメイン名の一時停止をICANNに求める命令には、 そうするだけの資格も権限もないため、応じることはできません。
この件に関する記録をICANNがレビューしたところによれば、 e360Insight (以下、「e360」といいます)は2006年6月21日、 The Spamhaus Project(以下、「Spamhaus」といいます)に対して訴訟を提起しました。 訴状によれば、e360は、Spamhausが 『(1)誤ってまた繰返し、スパムを扱っていることが判明しているレジストラ(ROSKOリスト)に原告を掲載し、そして、 (2)違法にも原告とビジネスをしないよう、原告のビジネスパートナーを圧力をかけた……』 訴状第1段落より、と主張し、金銭的な損害を主張すると同時に、 差止命令(裁判所が当事者に特定の行為をするよう、 あるいはしないよう命じること)といった形による衡平法上の救済を求めていました。
裁判所が述べたとおり、 『Spamhausは当初この訴えに抗弁していたにも拘わらず、答弁を事実上取り下げ、 その代理人は出廷しなくなってしまった。 (Spamhausは)原告(e360)の主張に対してそれ以上争う行為を何も行わなかった。』 2006年9月13日付、裁判所の命令より。
裁判所の記録によれば、Spamhausは抗弁することができず、 裁判所はSpamhausに対して11,715,000.00米ドルに加えて訴訟費用の 1,971.05米ドルを加えた懈怠判決を下しました。 同日、裁判所は(『恒久的な差止命令』の形での)衡平法上の救済命令を行い、 Spamhausに他に加えて、SpamhausはROSKOリストからe360を外し、 自身のWebサイトにおいてwww.spamhaus.orgに原告らが誤ってスパム送信者としてWebサイトに掲載されていたとのお知らせを掲載するよう命じました。 2006年9月13日付、裁判所の命令より。
ICANNは、e360のSpamhausに対する請求のメリット、 何故Spamhausが答弁を取り下げたのか、 あるいは何故Spamhausが事件の抗弁のため更なる主張を行わなかったのか等を直接は知りません。
2006年9月29日、 e360はSpamhausが裁判所の先の命令に応じなかったと主張する申立を行い、 Spamhausが先の裁判所の命令に従うまで、 www.spamhaus.orgを一時停止するよう、裁判所に求めました。
2006年10月5日に審理が行われ、 その審理に続きe360は裁判所による審査を求めて請求を行いました。 裁判所の2006年10月5日の訴訟記録より。
e360は審査を求めて裁判所に命令を求める請求を電子提出し、 これはもし認められた場合、 (Spamhausのレジストラである)Tucows及び/あるいはICANNにwww.spamhaus.orgを一時停止あるいはクライアントホールド状態に置くよう命ずることになるものです。
本件に関して、もしICANNが適切に裁判所に出頭させられていたとしても、 ICANNはそうはさせられていませんが、 ICANNはSpamhaus.orgドメイン名あるいはいずれかの特定のドメイン名を一時停止あるいはクライアントホールド状態に置くよう求める命令には応じることはできません、 というのもICANNにはそうするだけの資格も権限もないためです。 登録者が契約関係にある特定のインターネットレジストラ - 特定の状況においてはインターネットレジストリ - だけが個別のドメイン名を一時停止させることができるのです。
ICANNは、 このトピックスに対して表明されたコミュニティの関心に応えるためにこの掲載を行ったものであり、本件を引続きモニターしていきます。