Discussion Paper on Retiring Country Code Top-Level Domains
翻訳文
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
最終更新2007年2月14日
この文書は2006年12月5日に公開された
http://www.icann.org/announcements/announcement-2-05dec06.htm
を翻訳したものです。
JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質に責任を負いません。
国コードトップレベルドメイン廃止についての議論のためのペーパー
2006年12月5日
米国政府との契約に基づく義務に従いICANNが遂行する The InternetAssigned Numbers Authority (IANA)機能は、 DNSルートにおけるトップレベルドメインの委任に責務を負っています。
IANAは、 国コードトップレベルドメイン(ccTLD)に使用されるかも知れない2文字コードの定義について、 ISO 3166-1標準、特にその中のalpha-2コードに依存しています。 IANAは、ccTLD運用者への割り振りを、 委任基準を満たすその能力に基づいて行っており、 そこにはローカルな支援を示す能力、技術的な能力要件も含まれています。
このやり方が割り当てコードの創設および継続的な運用については比較的明白である一方、 IANAは、 ISO3166データベースにおいて『正式に割り当てられた』国家ではなくなった場合に、 国コードトップレベルドメインをどのようにして解除するかについて、 正式に定めるプロセスを持っていません。
これまで、コードが一つ、 あるいは複数の新たなコードに置き換えられている場合には、IANAは、 関連する運用者に古いコードが廃止される必要があり、 そのための手順を策定するべき旨をアドバイスしてきました*1。 しかしながら、IANAは、 影響を受ける運用者に積極的に廃止のプロセスを求めてはきませんでした。
IANAは、正式に割り当てられたリストから取り消されたトップレベルドメイン、 そして更に特に新たな国コードと置き換えられたトップレベルドメインと関連付けられるそのやり方について、 レビューしようとしています。
問題の対象範囲の例示の助けとなる ISO 3166-1の変更を抜粋した一覧は以下のとおりです。
- ザイール(『ZR』)はコンゴ民主共和国(『CD』)と、名称を変更しました。
- ソビエト連邦の崩壊は、『SU』コードが『RU』、『BY』、および『UA』といった独立した州のためのコードに置き換えられるという結果になりました。以前のソビエトの州は新たなコードを持っており、これはIANAにより運用者に割り振られたものです。
- 東ティモール コードを『TP』より『TL』に変更。
- チェコスロバキア(『CS』)を、チェコ共和国(『CZ』)およびスロバキア(『SK』)に分割。
- 残るユーゴスラビア(『YU』)の構成要素は、セルビアモンテネグロ(『CS』)となりました。国民投票に続いて、2006年9月、セルビアとモンテネグロは更に2つの独立した独立した主体であるセルビア(『RS』)とモンテネグロ(『ME』)に分裂しました。
ISO 3166標準には、 実質的に特定の状況下で使用され得る特殊な割り振りであるとの趣旨から 『例外的に残された』コードもあります。 そのカテゴリーにおいては、 IANAは以下の三つのコードについて委任を有しています。
- 英国(『GB』)は、その主たるTLDとして、例外的に残されたUKのコードを使用するとの選択をしました。
- ヨーロッパ連合は、例外的に残されたEUのコードについて委任されています。
- アセンション島は、例外的に残されたACのコードについて委任されています。
IANAは『ZR』から『CD』への成功裏な移行を監督した一方、 『SU』および『TP』といったドメインはまだDNSルートに存在しています。
検討すべき関連する課題のうちの幾つかは以下のとおりです。
- コードが直ちに取り消されなかった場合、万一それが再割り振りされたら、使用が継続されることにより有効な国コードの新たな利用者がそれが奪われてしまうことになる、というリスクがあります。これは、チェコスロバキア、後にセルビアモンテネグロに与えられた『CS』のケースで強調されます。
- おおまかに言えば、各国家あるいは自治権のある領域は、自身の判断に基づいて一つのトップレベルドメインを持っています。特定の国がそうした利用可能なドメインを一つよりも多く持つということは不公平だと考えられるべきかも知れません。これは、東ティモール(TPとTL)および、英国(GBとUK)により強調され、しかし、GBは事実上使われていないことは明記されなければなりません。
- ccTLDの運用を取り巻くグローバルなポリシーは、ローカルなインターネットコミュニティ、地元の政府、地元の法律の役割を大いに強調しています。今日の国家と一致していない地域をコードが代表している場合には、いずれの政府および法律が管轄を有するのかという問題が不明確となります。
これらの課題を念頭に、私達は、 既に通常ISO-3166において割り当てられていたコードではなくなったトップレベルドメインをどのように扱うべきかについて、 コミュニティからのインプットを募集します。
脚注
*1 .TLを委任するとの2005年1月中のICANN理事会決議は、
特にドメインを.TPから.TLに移す必要によるものでした。
ICANNは、.SUドメインは、
およそ1年の時間的な制限をもって廃止される予定であるとの公のステートメントを2003年の間に行いました。
ICANNスタッフと、
他の影響を受けるTLD運用者とのコンサルテーションが行われました。
参考となる質問事項
- IANAは、ISO-3166標準を厳守し、過渡的に残された(つまり、廃止された)トップレベルドメインをDNSルートから除去するべきでしょうか?
- もしそうであるとしたら、これはどのようなプロセスによって行われるべきでしょうか?
- 除去についてどのような時間的な制限が設けられるべきでしょうか?
- もし除去がテストベースである場合、いずれの特定の段階がルートゾーンからの除去を意味するべきでしょうか?
- 以前は別のコードによって(全体的に、あるいは部分的に)サービスがなされていたエリアをカバーする新たなコードに対して、既存の運用者はもし有するとしたら、どのような先取権を有するでしょうか?
- 特定の国が複数のコードが利用可能である場合(例えばGBとUK)、どのようなポリシーがその国を管理するべきでしょうか?
IANAは、この問題に関する全てのコメントを歓迎いたします。 掲載された質問事項あるいは、一般的な課題に対する回答は、 cctld-sunset-comments@icann.org 宛にemailを送ることにより提出することができます。 コメントは、 http://forum.icann.org/lists/cctld-sunset-comments でご覧いただけます。
コメント期間は、2007年1月31日まで継続されます。 このコメント期間の終了時に、スタッフはコメントについて報告を行い、 推奨される運用手続きが策定されます。
追加の読み物
- ccTLDデータベース
- http://www.iana.org/cctld/cctld-whois.htm
- zrトップレベルドメインの委任についてのIANA報告書
- http://www.iana.org/reports/zr-report-20jun01.htm
- ISO 3166-1 解読テーブル
- http://www.iso.org/iso/en/prods-services/iso3166ma/02iso-3166-code-lists/iso_3166-1_decoding_table.html
ICANNからのアナウンス(2006年12月5日)
"Discussion Paper on Retiring Country Code Top-Level Domains"