ICANN Publishes Registrar Website Compliance Audit Report
翻訳文
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
最終更新2007年10月10日
この文書は2007年5月17日に公開された
http://www.icann.org/compliance/reports/registrar-web-compliance-audit-report-17may07.htm
を翻訳したものです。
JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質に責任を負いません。
2007年5月17日
ICANNがレジストラのWebサイトのコンプライアンス監査報告を公開
概要
ICANNは全ての認定レジストラのWebサイトがレジストラ認定契約 (RAA)の要件を満たしているか否かを特定するために、 レジストラのWebサイトのコンプライアンス監査を実施いたしました。 監査チームは営業を行っているICANN認定レジストラのうち19のレジストラの Webサイトが機能しておらず、 20のレジストラがWebサイト上で WHOISサービスを提供していないことを確認いたしました。 営業を行っている全てのICANN認定レジストラのうち RAAが遵守されていなかったものは通知を受け、 指摘された違反を是正する機会が与えられました。
監査の目的
レジストラのWebサイトのコンプライアンス監査の根本的な目的は次の通りです。
- ICANN認定レジストラのうちどの程度がレジストラ認定契約(RAA)[注1]のSection 3.3で定められているWebサイトの要件に違反して機能していないWebサイトを有しているかについて査定を行い、
- ICANN認定レジストラのうちどの程度が、RAAのSection 3.3によって義務付けられているWebサイト上で公開利用可能なWHOISサービスを提供しているかについて査定を行い、
- 営業を行っているレジストラでRAAのWebサイトに関する要件に違反していると判断された者に通知を行い、是正のための合理的な期間を付与し、ICANNの監査に関する報告書を公開することによって、機能しているWebサイトや機能しているWHOISサービスに関するレジストラ認定契約の要件を遵守するよう奨励、
- 監査の調査結果から確認された事実を報告し、ICANNが採用する追加の手段を実施します。
調査方法
レジストラのWebサイトのコンプライアンス監査の方法は、 監査[注2]の開始に先立ち、 レジストラコミュニティのメンバーと相談の上で ICANNスタッフによって決定されました。 監査業務を担当したスタッフメンバーは、レジストラのWebサイトや、 レジストラがさまざまなレジストラサービスに関する公開情報を提供するために頻繁に利用するナビゲーションツールになじみのある者でした。 レジストラのWebサイトのコンプライアンス監査の目的から焦点が外れないよう、 ICANNのスタッフは三つの連続する課題を達成することによって監査を実施いたしました。
1. Webサイトの検討
ICANNスタッフは全てのICANN認定レジストラのWebサイトを検討しました。 監査の時点で概ね881のICANN認定レジストラがありました。 レジストラがWebサイトを有する場合、 それが相互運用可能であればそれは機能しているものとみなされました。 機能しているWebサイトを有するレジストラは監査のこの要素を遵守しているものとみなされました。 レジストラが機能しているWebサイトを有しているとはみなされない場合には ICANNスタッフは明らかなRAA違反であることをレジストラに後に通知するために、 この情報を記録しました。
2.WebサイトにおけるWHOISサービスの有用性に関する査定
機能しているWebサイトを有するレジストラについて、 ICANNスタッフはWebサイト上のWHOISサービスを調査しました。 WHOISサービスがレジストラのWebサイト上にあった場合、 ICANNスタッフはその運用可能性を決定するためにWHOISサービスのテストを行いました。 ICANNスタッフは各WHOISサービスに登録済みドメイン名を入力し、 サービスが応答メッセージを提供するかどうかをテストしました。 スポンサーするレジストラの名称およびドメイン名に関するその他の関連情報を含む照会のメッセージは、 完全なWHOISデータを含むメッセージと同様に対応しているものとみなされました。 容認に値する応答メッセージが返ってきた場合には、 レジストラは監査のこの要素を遵守しているものとみなされました。 レジストラがそのサイト上で利用可能なWHOISサービスを有していない、 あるいはWHOISサービスが機能していない場合には、 ICANNスタッフは明らかなRAA違反であることをレジストラに後に通知するために、 この情報を記録しました。
3.RAAの要件を遵守していないことが判明したレジストラへの通知の送付
コンプライアンス違反の通知の送付に先立ち、 ICANNスタッフは機能するWebサイトを有していない全レジストラの一覧と公開利用可能なWHOISサービスを行っていないレジストラの一覧を作成しました。 ICANNの保有する、 現在機能している登録済みドメイン名を管理するレジストラ一覧と照合されました。 監査の時点で機能している登録済みドメイン名を管理していないレジストラは、 コンプライアンス違反の通知の対象となるレジストラの一覧からは外されました。 この報告書の事実認定のセクションで説明されている通り、 RAAのSection 3.3.1は機能している登録済みドメイン名を管理しているレジストラにのみ、 Webサイトに関する要件の遵守を義務付けています。 監査の時点で機能している登録済みドメイン名を管理していなかったレジストラで Webサイトが機能していなかったものやWebサイト上で WHOISサービスが利用可能となっていなかったものは約概ね32ありました。
RAAのWebサイトに関する要件を満たしていないと思われる営業を行っているレジストラの一覧の完成に続き、 ICANNはそれらのレジストラに電子メールで通知を行いました。 以下はレジストラのWebサイトのコンプライアンス監査の一環として ICANNより送付されるコンプライアンス違反の通知のサンプルです。
レジストラの代表者の方へ
ICANNはこの半年以上にわたってレジストラ認定契約によって定められている Webサイトの要件をレジストラが遵守しているか否かを特定するための監査を実施いたしました。 特にICANNは次の点について査定を行うために各レジストラの Webサイトを調査しました。
- RAAのsection 3.3によって義務付けられている、機能しているWebサイトがあるか否か、そして
- RAAのsection 3.3によって義務付けられている、機能しているWHOISサービスがWebサイト上にあるか否か。
2007年4月5日から2007年4月12日までの間、 ICANNは貴社のWebサイトの監査を行いました。 貴社は機能するWebサイトを有していないことから、 RAAのSection 3.3を遵守していないものとICANNは判断いたしました。
RAAによって義務付けられている全ての情報やサービスが Webサイトに掲載されていないことはRAA違反に該当します。 2007年5月18日までに、この電子メールメッセージに返信され、 この問題はいつ修正されるかに関してご説明願います。 RAAにおいて定められている期限内に是正がなされない場合には、 貴社のレジストラ認定契約が解約される根拠となるものです。 私どもはRAA違反が是正されているか否かを決定するために貴社 Webサイトを2007年5月18日より後に再度確認する考えにあります。
ICANNは来る数ヶ月間、他のWebサイトの監査の調査に従事し、 RAAによって義務付けられている削除や更新に関するポリシーの情報を、 レジストラがそのWebサイトに掲載しているかどうかを判断いたします。 貴社はコンプライアンスを強化され、 この種の通知を今後も受けることのないよう、 何らかの必要な調整を貴社のWebサイトに直ちに施すよう求められるものです。
ご質問がある場合には以下の電話番号に私宛にご連絡願います。
敬具
Stacy Burnette
ダイレクター、
契約上のコンプライアンス担当
ICANN
4676 Admiralty Way
Marina del Rey, CA 90292
現在、 コンプライアンス違反の通知およびRAAの Webサイトの要件の解釈をめぐっていくつかのレジストラが ICANNと意見交換を行っていますが、 コンプライアンス違反のあったレジストラのうち非常に多くは通知を受けた後、 数日以内にコンプライアンス違反の通知内で指摘されていたRAA違反を是正しました。 ICANNによって指摘された違反を是正する期間に関する正確な情報は、 ICANNのWebサイトに3週間以内に掲載されます。
調査結果
レジストラのWebサイト監査のプロセスの一環として、 ICANNは881のレジストラのWebサイトを調査しました。 監査の時点で監査チームは有効な登録済みドメイン名を管理しておらず、 そのためRAA[注3]のSection3.3.1にしたがい双方向的Webサイトや WHOISサービスをWebサイト上で利用可能とするよう、 義務付けられないICANN認定レジストラが102あることを発見しました。
監査チームは有効な登録済みドメイン名を管理しているものの Webサイトが機能していないレジストラを19発見しました。 それらの例の中には、ICANNのスタッフがレジストラのWebサイトを調査し、 Webサイトが機能しないことを発見した際にサーバがエラーメッセージまたは 『このサイトは準備中です』あるいは『近日中に公開』 といったメッセージを含むプレースホルダのページを返してきました。
監査チームは、有効な登録済みドメイン名を管理し、 機能しているWebサイトがあるもののWebサイト上で WHOISサービスが利用可能となっていないレジストラを20発見しました。 監査チームはこれらのWebサイトを注意深く調査し、 これらのサイト上でWHOIS サービスを探し出すために利用可能なあらゆるナビゲーションツールを利用しました。 下の円グラフはレジストラの Webサイトのコンプライアンス監査の調査結果を示しています。
確認された内容
- ICANN認定レジストラのおおよそ4%はRAAのWebサイトの要件を故意に遵守していないことをICANNは確認いたしました。
- 営業を行っており、機能しているWebサイトを有していなかった19のレジストラのうち12はICANNによる認定期間が2年あるいは2年未満であることをICANNは確認いたしました。
- 営業を行っており、機能しているWebサイトを有していなかった19のレジストラのうち11は北米を本拠地とするものであることをICANNは確認いたしました。
- Webサイト上で機能するWHOISサービスが利用可能となっていなかったことが発見された、営業を行っている20のレジストラのうち10はICANNによる認定期間が2年あるいは2年未満であることをICANNは確認いたしました。
- Webサイト上で機能するWHOISサービスが利用可能となっていなかったことが発見された、営業を行っている20のレジストラのうち10は北米を本拠地とするものであることをICANNは確認いたしました。
- Webサイト上で機能するWHOISサービスが利用可能となっていなかったことが発見された、営業を行っている20のレジストラのうち10は北米以外(中国、ドイツ、ポルトガル、オーストラリア、ロシア、トルコ、ヨルダン、イスラエル、そしてスウェーデン)を本拠地とするものであることをICANNは確認いたしました。
その後のアクション
- コンプライアンス違反の状態にあることが判明したこれらのレジストラに対してICANNは改善措置を求めます。そのような措置を採らないレジストラは契約に違反している旨の正式な通知を送付されます。
- ICANNはレジストラ部会と協議した結果、新たに認定されたレジストラがICANN認定レジストラとしての契約上の義務を理解する支援を行うためのコンプライアンス資料を作成する予定です。
- レジストラのWebサイトのコンプライアンス監査はレジストラコミュニティがWebサイトのコンプライアンスを評価する有益な手段となるため、ICANNはこれを年次ベースで行っていく予定です。
[注1] レジストラは、そのレジストラが有効な登録済みドメイン名を現在管理している場合には『営業を行っている』とみなされます。 逆に、ICANN認定ではあるものの有効な登録済みドメイン名を管理していないレジストラはICANNより『営業を行っていない』とみなされます。
[注2] 監査を開始した後、監査の経過の中で予測していなかった複雑な問題や教訓があったため、調査方法は若干変更されました。
[注3] 登録済みドメイン名とは、RAAのSection 1.7において次のように定義されています。
『二つあるいはそれ以上のレベル(例、john.smith.name)によって構成されるか否かに関係なく、TLDレジストリの運用者(またはレジストリサービスの提供に関与する関連会社)がレジストリデータベースにおいてそのデータを管理し、そのような管理のための調整を行い、またはそのような管理から収入を得ている、契約書の別紙が対象とするTLDドメインのドメイン名・・・レジストリのデータベース内のドメイン名は、ゾーンファイルに表示されていなくとも登録済みのドメイン名である(つまり、登録済みではあるものの、双方向的ではない)こともあり得るものである』
RAAのSection 3.3.1は関係部分の中で次のように明記しています『レジストラは、各TLDにおいて認定されているレジストラがスポンサーする全ての有効な登録済みドメイン名に関する最新の(すなわち、少なくとも一日一回更新される)データへの問い合わせベースのアクセスを無料で提供する双方向的なWebページおよび、43番ポートのWHOISサービスを自己負担により提供しなければならない』 強調のため太字にしています。