DNS-OARCとは
DNS-OARCとは、「DNS Operations, Analysis, and Research Center」の略で、 DNSに関連するさまざまな懸案事項や、攻撃への対応について議論することを目的とした、 米国の会員制非営利団体です。2004年にISC (Internet Systems Consortium, Inc.)により設立され、 ルートサーバやTLD、主要な機器ベンダー、ネットワーク運用者などの、 技術者や研究者により構成されています。 DNS-OARCの目的は、DNSにまつわる運用や実装についての知見を集約し、会員間で共有することで、 インターネットの安定をめざすこととされています。
DNS-OARCは、DNSのセキュリティや安定性の向上を目標として、 以下のような複数の活動が行われています。
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情報共有:
DNSサーバの運用状況など、秘匿情報を含む会員間の各種情報やデータの共有 -
運用評価:
ルートサーバやTLDサーバなどの、重要なDNSサーバのトラフィック解析や、負荷の解析 -
ワークショップの開催:
運用や研究など、DNSに関する最新動向などが発表されるワークショップの開催 -
ツールやサービスの提供:
DNSに関する事項について調査や、問題解決に利用できるインターネットユーザー向けのツールやサービスの提供
DNS-OARCが提供するツールとしては、DNSへの問い合わせを収集し、 統計データとして閲覧できるようにするDSC (DNS Stats Collector)*1が有名です。 また、DNS-OARCが調査しているルートサーバの運用状況や問い合わせ状況の結果は、 ICANNのセキュリティと安定性に関する諮問委員会(SSAC; Security and Stability Advisory Committee)のレポートにも利用されており、 最近では新gTLDの大量導入に伴う名前衝突問題*2への対応策にも利用されています。
DNS-OARCでは、年2回、定期的に会合が開催されており、活発な議論が行われています。
*1 DSC - DNS Stats Collector
https://www.dns-oarc.net/tools/dsc
*2 名前衝突(Name Collision)問題
https://www.nic.ad.jp/ja/dom/new-gtld/name-collision/
■参考
DNS-OARC | The DNS Operations, Analysis, and Research Center
https://www.dns-oarc.net/