IP over Ethernetとは
IP over Ethernet(IPoE)は、 通信路としてEthernet(*1)を使って、 Internet Protocol(IP)のデータグラム、いわゆるIPパケットを伝送する方式で、 RFC894(*2)で規定されています。 普段はあまり意識されることはありませんが、 今日、LAN環境においてIPoEは広く使われているため、 多くの方が日常的にIPoEを利用した通信をしていることになります。
一方、ADSLやFTTHなどのインターネット接続サービスでは、 PPP(Point-to-Point Protocol)(*3)というプロトコルを利用した、 PPP over Ethernet(PPPoE)(*4)や、 PPP over ATM(PPPoA)(*5)などが、 エンドユーザーとISP事業者間の接続形態において多く利用されています。 とはいえ、IPoEを利用する接続サービスも存在します。 そこで、PPPoEやPPPoAは俗に「トンネル接続方式」、 IPoEは「ネイティブ接続方式」と呼ばれることがあります。
トンネル接続方式では、エンドユーザーと回線事業者の間で、 PPPによりパケットをカプセル化しEthernetやATMを利用して流すという、 トンネリングが行われた上でIPパケットがISP事業者に転送されます。 一方、IPoEであるネイティブ方式では、 エンドユーザーのIPパケットは直接回線事業者の設備を通りISP事業者まで転送されます。
(*1) "The Ethernet - A Local Area Network", Version 1.0, Digital Equipment Corporation, Intel Corporation, Xerox Corporation, September 1980.
http://research.microsoft.com/en-us/um/people/gbell/digital/ethernet%20blue%20book.pdf
(*2) Charles Hornig, "A Standard for the Transmission of IP Datagrams over Ethernet Networks", RFC894, April 1984
http://www.ietf.org/rfc/rfc894.txt
(*3) W. Simpson, Editor, "The Point-to-Point Protocol (PPP)", RFC1661, July 1994
http://www.ietf.org/rfc/rfc1661.txt
(*4) L. Mamakos, K. Lidl, J. Evarts, D. Carrel, D. Simone, R. Wheeler, "A Method for Transmitting PPP Over Ethernet (PPPoE)", RFC2516, February 1999
http://www.ietf.org/rfc/rfc2516.txt
(*5) PPP Over AAL5. G. Gross, M. Kaycee, A. Li, A. Malis, J. Stephens. July 1998. (Format: TXT=23539 bytes) (Status: PROPOSED STANDARD)
http://www.ietf.org/rfc/rfc2364.txt