PDPとは
PDPとは「Policy Development Process」の略で、 日本語では「ポリシー策定プロセス」と訳されます。
ポリシー(政策や方針など)の策定を行う組織の多くでは、 ポリシーをどのような方法で検討し策定するのか、 また、策定されたポリシーの施行方法などについて、 事前に明文化して定めておくことが重要視されています。 この事前に定められた文書、 もしくはそれに基づいて行われる一連の過程をPDPと呼びます。
このPDPは、 インターネット関連のさまざまな組織においても定められています。 例えば、ICANNや各RIR(*1)などのPDPは、 各組織のWebサイトなどで公開されており(*2)、 誰でも自由に見ることができます。 また、 JPNICが定めるIPアドレス技術文書「JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス(*3)」も、 PDPの一つです。
インターネットではその成り立ちから、 ポリシー策定に誰でも参加できることが重要視されています。 例えば、各RIRは、 コミュニティによるガバナンスを実現するために、 参加者による議論を行うミーティングである「オープンポリシーミーティング」を設置しています。 またメーリングリスト、チャットなどといった、 遠隔での議論およびコメント手段も導入し、 会員だけではなく興味を持つ人に広く門戸を開いています。 つまり、ルール作りには誰でも参加することができ、 これをボトムアッププロセスと呼んでいます。
また、インターネットにおける各種資源の調整業務に関するポリシー策定が自身の重要な役割の一つであるICANNでは、 遵守すべき原則の一つとして、 「民間によるボトムアップ的な調整」が含まれており、 PDPはその原則に沿って実現されたものということができます。 ICANNでは、 GNSO(*4)やccNSO(*5)においてポリシーを策定するための流れをPDPと呼び、 独立した文書ではなく基本定款の細目を規定する付属定款(*6)の中で、 プロセスの詳細が明確に規定されています。(*7)
(*1) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/rir.html
(*2) http://www.nro.net/policy/index.html
(*3) http://www.nic.ad.jp/doc/policy-process.html
(*4) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/gnso.html
(*5) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html#01-ccNSO
(*6) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ij.html#02-icann-bylaws
(*7) http://www.icann.org/en/general/bylaws.htm