「.日本」に寄せられたご意見14
2010年3月24日
まず、広く意見を募集する機会を設けていただいた JPNIC に敬意を表します。 また、国際化ドメイン名の技術的な規格を策定された方々、 「.日本」の管理運営事業者の選定基準(案)を策定された方々にも敬意を表します。
「.日本」の少なくとも数年間の利用凍結を提案します。
世界中のさまざまな地域で IDN を使いたい人がいるであろうことは理解できます。
ですが、日本において ccTLD にまで国際化ドメイン名は必要とは思えません。 そもそも日本ではアルファベットに馴染みがあります (これを裏付ける統計は残念ながら持ち合わせていませんが)。 また、 日本での web 閲覧の少なくないトラフィック量を占めているであろう携帯電話からは、 そもそもアドレスバーも表示されず、 またURLとして日本語の入力もできない機種が多くあると思われ、 ドメイン名の言語を意識することはほとんどありません。
国際化ドメイン名は第二レベルのみ、 つまり日本語.jp では不十分なのでしょうか? http://jpinfo.jp/stats/domains.html によれば、2010/03/01 付けの JP ドメインの数は115万余、 そのうち日本語汎用ドメイン名は 13万余。 単純計算で10%強の数字ですが、 中京大学の鈴木さんのご指摘のように、 企業がスクワッティング防止のために複数の日本語ドメインを取得しておくだけ、 といった事例があることを考えると普及率はもっと低いと見てよいと思われます。
ドメイン名は単なる文字列ですから、 理論的にはその論理空間はいくらでも広げられるわけですが、 需要もないのに空間を広げ、 サイバースクワッティング防止のためにドメイン名を取得しないといけないとしたら、 それは健全な市場創造と言えるのでしょうか?
第二レベルでの IDN が成功したかどうかを十分検証しないまま IDN ccTLD を導入することは拙速に思われます。 IDN での名前解決を試みるトラフィック量の統計などを取り (既にどこかに公表されているようでしたらすみません)、 普及度と、 それから需要を見極めてから「.日本」の利用を開始するかどうかを決めても、 遅くないのではないでしょうか。