IPv4アドレス在庫枯渇Q&A対応編
ISPなどインターネットサービス事業者さえ対応すれば問題ないと思うのですが?
基本的にはその通りですが、 IPv6による対応を行う場合、ユーザーの端末、サーバ、アプリケーション、 ネットワーク機器においてIPv6に対応したものに変更する必要がありますし、 事業者が NAT によって対応を行う場合、 ユーザー宅との多段NATとなる可能性があるため、 アプリケーションやNAT機器においてNAT越え機構の改変が必要になる可能性があります。
一般/家庭ユーザーが取るべき対応策を教えてください。
ユーザー側の対応については、 ご利用になっているプロバイダの対応方法によって異なります。 ご契約プロバイダからのご案内などをご確認ください。
IPv4アドレス在庫がなくなった現在は、どういうことに留意してISPを選べば良いですか? また、ネットワーク機器はどういうものを買えばいいですか?
今後のインターネット利用形態を想定して、 将来的にもIPv6などに対応できる ISP であるかを確認した上で選ぶことをお奨めします。 なお必要な機器についてはISPによって異なると思いますので、 事前に契約されるISPによくご確認ください。
利用するISPがIPv6をオプションサービスとして提供することになりましたが、なぜ追加料金を払ってIPv6を使う必要があるのですか?
ISPの各サービスの料金設定については、 それぞれに何らかの事情があると思われます。 一般的に、 オプションサービスは利用者の選択によって提供されるサービスですので、 利用の必要性については利用者でご判断いただくことになります。
一般企業が取るべき対応策を教えてください。
グローバルIPv4アドレスを割り当てているサーバ(Web/メールなど)の IPv4/IPv6デュアルスタック 化の検討と、 契約しているインターネット接続サービスの対応に関してご確認ください。
ISPなどインターネットサービス事業者が取るべき対応策を教えてください。
大きく分けて以下の三つが考えられます。
どれを(どの組み合わせを)選択するかは、各事業者の判断によります。
NATを使えばIPv4アドレスが足りなくなることはないのではないですか?
NATを利用したとしても、接続ホスト数が継続して増加していくことで、 IPアドレスは消費されていきます。 一時的な対応としては効果が見込めますが、 恒久的な対応とは言えないと考えます。
NATによるサービスの場合、一部のサービスが利用できなくなると聞いたのですが?
NATを利用する場合、 TCP、 UDPにおける有限の ポート番号 (65536個)を複数ユーザーで分割使用するため、 同時に通信できるセッション数が少なくなります。 IPアドレスの消費を抑えるために、 一つのIPアドレスに収容するユーザー数を増やした場合、 一ユーザーあたりの割り当て可能なセッション数がそれだけ少なくなるため、 セッションを多重化してコンテンツを表示するサービスを利用した場合などにうまく表示されない可能性があるようです。
現在、自分に割り当てられているIPv4アドレスは回収されるのですか?
現在既に分配を受け利用しているIPv4アドレスを インターネットレジストリ が回収することはありません。 しかし、 利用していないアドレスについてはポリシーに従ってご返却いただくようお願いいたします。
枯渇に備えて早めにIPv6アドレスの割り当てを受けたいと思うのですがどうすればよいでしょうか?
ご利用されるISPにご相談ください。
IPv6でもサービスを提供したいと思っていますが、当社が利用しているISP/iDCがIPv6に対応する気がないようです。乗り換えには多大なコストがかかり現実的ではありません。何か対処策はありますか?
申し訳ございませんが、御社で何らかの対応策をお考えいただくか、 ISP乗り換えを再度ご検討ください。
CATVのインターネットサービスを利用しており、プライベートアドレスが割り当てられています。この場合は特に対応策は必要ないのでしょうか?
既にグローバルIPv4アドレスを持っている場合同様、 既存のサーバへのアクセスには問題はないだろうと思われます。 しかし、 IPv6シングルスタックで構築されたサーバへのアクセスなどには何らかの対策が必要です。 詳しくはご利用される事業者にご相談ください。
IPv4アドレス枯渇後も、アドレスが欲しい場合には、どのようにすれば良いのですか?
APNIC/JPNICにおけるIPv4アドレス在庫枯渇後も、
所定の要件を満たすことにより、
/22までの割り振りを1回だけ受けることが可能です。
http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2011/20110329-01.html
また、2011年7月~8月から、 JPNIC管理下のIPv4アドレスの移転が可能になる予定です。 移転に関する手続き等については、あらためてご案内いたします。
JPNICにIPv4アドレスの申請をしてから実際の割り振りを受けるまでに、どのくらいの時間がかかりますか。
新規の指定事業者契約の場合は、申請を受け付けてから、契約が完了し、 アドレスの割り振りが行われるまで、 平均して1ヶ月程度の期間を要します。 ただし、必要書類の返送や、 割り振り要件確認の際のご返答がすぐにいただけなかった場合などは、 さらに時間を要する可能性があります。 また、既に指定事業者契約を締結しており、 追加割り振り申請をされる場合、必要な審議資料が全てそろっていれば、 3営業日程度で割り振りが行われることもあります。 ただし、申請内容や資料に不備があり、 その確認のために時間を要した場合などは、その分、 割り振りまでの期間がかかることになります。
世界的には、IPv4アドレスが余っていると聞いたのですが、海外で調達することはできますか?
現在のところ、日本国内の組織が、 アジア太平洋地域以外のレジストリからアドレスの分配を受けることはできません。
JPNICでIPv4アドレスの申請の審査を行っているようなのですが、どのような手順で受理しているのですか?
申請窓口宛に申請が届いた順に受付をしております。 ただし、審議の終了の順番は前後する場合があります。