=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.681【臨時号】2009.10.2 ◆ _/NIC =================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.681 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では、北京で開催されたAPNIC28ミーティングの中で、2009年8月26日に開 かれたAPOPSのレポートをお送りします。 オペレーター向けトピック以外の、APNIC28ミーティングにおけるアドレスポ リシーに関する動向については、vol.679で取り上げていますのでそちらをご 覧ください。 ○[特集]APNIC28ミーティング報告 ~アドレスポリシー動向~ (vol.679) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol679.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆APNIC28ミーティング報告 ~APOPSにおけるオペレーター向けの話題~ JPNIC 技術部 小山祐司/木村泰司 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本稿では、APNIC28ミーティングの中で開かれた、Asia Pacific OperatorS forum(APOPS)(*1)について報告します。APOPSは、AP地域のインターネット・ オペレーターを対象とした技術的な話題を扱うフォーラムで、APNICミーティ ングで開催されるプログラムの一つとして開催されています。APNIC28ミー ティングでは、2日目の2009年8月26日(火)午前11時から15時半にかけて開催さ れ、約90名が参加しました。 (*1) The Asia Pacific OperatorS Forum http://www.apops.net/ 今回のAPOPSは、特にテーマが限られておらず、NAT、IPv6、AS番号、DNSSEC、 DDoSといったさまざまな話題のプレゼンテーションが行われました。日本から は、川村聖一氏(NECビッグローブ株式会社)、芦田宏之氏(イッツ・コミュニ ケーションズ株式会社)、外山勝保氏(インターネットマルチフィード株式会 社)の3名が、プレゼンテーションをされていました。 APOPSの議題 (午前の部) - "DNSSEC deployment in New Zealand" Andy Linton氏 (Victoria University of Wellington) - "IPv6 representation" 川村聖一氏 (NECビッグローブ株式会社) - "Careful planning is needed for introducing NAT" 芦田宏之氏 (イッツ・コミュニケーションズ株式会社) - "Challenges in Large IP network deployment" Echo Liu氏 (WANDL社) - "The strategic value of introducing IPv6" Cancan Huang氏 (China Telecom社) (午後の部) - "APIX Update" 外山勝保氏 (インターネットマルチフィード株式会社) - "AS number report" Geoff Huston氏 (APNIC) - "DITL" George Michaelson氏 (APNIC) - "7.7 DDoS cyber attack in Korea" Ji-Young Lee氏 (KRNIC/KISA) - "The Emperor's New Cloud: An Analysis of the July 2009 RoK/USA DDoS Attacks" Roland Dobbins氏 (Arbor Networks社) 本稿では、上記のプレゼンテーションのうち、DNSに関するトピックを二つと セキュリティに関するトピックを一つ、合計三つについて報告します。 ◆ DNSSEC deployment in New Zealand Andy Linton氏から、ニュージーランドのccTLDである、.nzにおけるDNSSECの 取り組みについて紹介がありました。初めに、.nzは今年中もしくは来年早々 に、DNSSECのサービス開始をする予定であり、それに向けて準備をしている 段階だという話がありました。続いて、DNSSECでサービスを開始するにはさま ざまな課題があり、その解決が必須であることも紹介されました。DNSSECサー ビス開始のためにDNSソフトウェアの整備が必要であることや、DNSSECが加 わったときのドメイン名登録手続きに関わる作業の変化、鍵の管理、レジスト リやレジストラの責任など、多数の検討項目が挙げられました。 ◆ DITL APNICのGeorge Michaelson氏により、DNSの状況を調査するDITL(Day In The Life)というプロジェクトについて紹介がありました。DITLは毎年ある期間、 世界中のDNSサーバにおけるクエリ状況を調査するもので、今年も2009年3月29 日から4月2日まで行われました。37組織190ノードのDNSサーバが対象となって データが収集され、そのデータの総計は4TBにもなったそうです。 APNICのDNSサーバもそのうちの一つであり、この発表ではAPNICが管理する サーバの統計が紹介されました。問い合わせ元のIPアドレスについて、2008年 のものと2009年のものを比較すると1/3が一致せず、流動的なアドレスが比較 的多数を占めること、ごく少数のホストが大量に問い合わせを行っているこ と、2008年と比較してIPv6トランスポートでの問い合わせが増えていること、 毎日午前4時頃に日本から大量の問い合わせがくることなど、APNIC DNSの挙動 について興味深い紹介がありました。 ◆ 7.7 DDoS cyber attack in Korea KRNICのJi-Young Lee氏からは、2009年7月7日頃に韓国および米国で起こった DDoS(Distributed Denial of Services)事件について報告されました。DDoS攻 撃は、最初のうちは米国のホワイトハウスを対象としていましたが、時間の経 過とともに、韓国内のポータルサイトや新聞社のWebサーバへの攻撃に変わっ ていったことがわかっています。zombie PC(*2)となったホスト数を集計した 結果、韓国内ではその台数が77,875台にのぼりました。 KRNICでは、ISPとしての対策が取れるように、DDoSに利用されたzombie PCの IPアドレスを該当するISPに通知したり、主要なポータルサイトにワクチンを 載せるための連携を図ったりしました。それらの活動を通じて、WHOISの情報 を正確に保つことの重要性をあらためて学んだ、とのことです。会場からは、 DDoSが起こった時間的経緯に関する質問がありましたが、技術的な経緯のわか る詳細な情報は、KRNICにはきていなかったようです。他には、DDoS攻撃の あった時間帯にBGPのupdateメッセージが多くなったという情報が寄せられま した。 (*2) DDoS攻撃のパケットを送出するために利用されたホスト 当日のプレゼンテーション資料などは、以下のWebページに載せられていま す。 □ APNIC28 / Program / APOPS http://meetings.apnic.net/28/program/apops ◆ ◆ ◆ APOPSでは、日本からの参加者も活躍していました。チェアを勤める吉田友哉 氏(NTTコミュニケーションズ株式会社)の活躍をはじめ、日本の事業者の方々 が内容の濃い発表されていることが印象的でした。 今回のAPOPSは、APNICミーティング全体に比べると参加人数が少なく、また会 場での質疑応答は多くありませんでしたが、各発表の内容の良さがより多くの 人に知られることで、今後この状況は変わっていくかもしれません。 今後も特筆すべき事項がありましたら、本稿のような形で報告していきたいと 思います。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.681 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には http://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2009 Japan Network Information Center