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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.804【臨時号】2010.12.16 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.804 です
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本号では、vol.800、vol.801に続き、2010年11月に中国の北京で開催された
第79回IETFのレポート[第3弾]として、DNS関連WG報告をお届けします。

なお、全体会議およびIPv6関連WGについては、以下のURLからバックナンバー
をご覧ください。

□第79回IETF報告 特集
  ○[第1弾] 全体会議報告 (vol.800)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2010/vol800.html
  ○[第2弾] IPv6関連WG報告 (vol.801)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2010/vol801.html

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◆ 第79回IETF報告 [第3弾]  DNS関連WG報告
                             JPNIC DNS運用健全化タスクフォースメンバー
                                             東京大学 情報基盤センター
                                                              関谷勇司
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2010年11月7日から12日に開催された第79回IETF北京会合のうち、本号では、
DNSに関連した内容を議論するワーキンググループ(WG)である、dnsext WG
(DNS Extensions WG)とdnsop WG(Domain Name System Operations WG)で議論
された概要をご紹介します。


◆ dnsext WG

dnsext WGでは、会合のまず始めに、dnsext WGのメーリングリストが、今ま
でのnamedroppers@ops.ietf.orgからdnsext@ietf.orgへと変更になるとアナ
ウンスがありました。現在登録されている人はそのまま新しいメーリングリ
ストに引き継がれます。

今回の会合での主な議題は、draft-yao-dnsext-identical-resolutionと
draft-vixie-dnsext-resimproveでした。どちらもWG draftではありません
が、前者はIETF77から話題になっている、Zone Aliasing(*)に関するドラフ
トです。後者は、上位ゾーンと下位ゾーンのNSセットが同期していない場合
の、リゾルバサーバの挙動に関する改善を提案しています。

前者のdraft-yao-dnsext-identical-resolutionは、Zone Aliasingに関して
の目的と提案されている方式、問題点をまとめたドラフトです。Zone
Aliasingの方式として、BNAMEとCNAME+DNAMEという二つの提案が出ていまし
たが、IETF78の後、特に進展はありませんでした。そのため、期限を区切っ
て本ドラフトを更新することが提案され、Suzanne Woolf氏を中心として作業
が行われることとなりました。

後者のdraft-vixie-dnsext-resimproveに関しては、NS RRのTTLに応じて、
ゾーンの委譲を再検証し、検証においてNXDOMAINが返ってきた場合には、そ
のゾーンに関してそれ以降の検索を止める、という提案です。リゾルバDNS
サーバの挙動を変えるものであるため、いくつか否定的な意見が出ました。
発表の後、WG draftにするかの挙手による意思確認が行われましたが、ほと
んど手は上がらず、議論はメーリングリストに引き継がれました。

その他には、DNSのリソースレコードとしてURI RRを追加する提案である、
draft-faltstrom-uriや、AAAAレコードとAレコードを同時に問い合わせる手
法を提案した、draft-kitamura-ipv6-simple-dns-queryに関する発表があり
ました。最後に、DNSSEC History Projectに関する発表がありました。この
発表はdnsop WGでも行われたため、以下のdnsop WG報告にて説明します。

(*) 参考:第78回IETF報告 [第2弾]  DNS関連WG報告
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2010/vol774.html


◆ dnsop WG

dnsop WGの会合では、まずWG draftの確認がありました。
draft-ietf-dnsop-name-server-management-reqsがIETF Last Callを通過し
たため、Informational RFCとして発行される予定であることが報告されまし
た。また、draft-ietf-dnsop-default-local-zones、
draft-ietf-dnsop-as112-ops、
draft-ietf-dnsop-as112-under-attack-help-helpの三つのdraftは、早めに
AD(Area Director)レビューに回すことが確認されました。また、
draft-ietf-dnsop-resolver-primingならびにdraft-ietf-dnsop-respsizeは
Expireしているのですが、著者が更新に向けて作業をしているとの報告があ
りました。

次に、DNSSEC History Projectに関する発表がありました。これはDNSSECが
実運用段階に入ったこと、ならびにDNSSEC提案から20周年であることを記念
して、DNSSEC標準化と実運用までの記録を残すというプロジェクトです。
https://wiki.tools.isoc.org/DNSSEC_History_Project に情報が集められて
います。

他には、draft-ietf-dnsop-dnssec-key-timingに関する報告がありました。
現状では、Algorithm RolloverやCSK Rolloverといった項目に関して述べて
いないが、これらを盛り込んでからWG Last Callを行うべきか、これらの追
加の項目に関しては別ドラフトとして発行すべきか、という議論がなされま
した。結論としては、別ドラフトとして執筆し、現状のドラフトはWG Last
Callに向けて更新を行うことが確認されました。

WG draft以外では、draft-livingood-dns-whitelisting-implicationsに関す
る発表がありました。これは、DNSクエリの送信元IPアドレスによって、応答
にAAAAを返すかどうかを決定するという仕組みです。これによって、IPv6接
続性が無い組織のDNSサーバからDNS問い合わせが来た場合に、不要なAAAAを
返さないことによって、IPv6接続タイムアウトの発生を回避することができ
るという提案です。これに関しては、いくつかの質問とコメントが出されま
したが、dnsop WGとしては好ましくない手法であるとの意見が大勢を占めま
した。

最後に、Name Server Control Protocolに関する議論が行われました。これ
は、DNSサーバを制御するための共通のプロトコルを定めようという試みで
す。Nameserver Management Requirementsに関するドラフトがIETF Last Call
を通過したため、次にそのプロトコルに関して定義しようというものです。
具体的には、draft-kong-dns-conf-auto-sync、
draft-dickinson-dnsop-nameserver-controlといったドラフトが提案されて
います。主にNETCONFの枠組みを利用して、DNSサーバの設定や制御を行うと
いう提案です。会場での活発な議論が行われ、引き続きメーリングリストで
議論を行うことが確認されました。


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 JPNIC News & Views vol.804 【臨時号】

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