=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1003【臨時号】2012.9.3 ◆ _/NIC =================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.1003 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では、vol.1001に続き、第84回IETFのレポート[第2弾]として、DNS関連 WGの動向についてお届けします。 第84回IETFの全体報告については、以下URLのバックナンバーもご覧くださ い。また、次はIPv6関連WGの報告をお届けする予定です。 □第84回IETF報告 特集 ○[第1弾] 全体会議報告 (vol.1001) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2012/vol1001.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 第84回IETF報告 [第2弾] DNS関連WG報告 JPNIC DNS運用健全化タスクフォースメンバー 東京大学 情報基盤センター 関谷勇司 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012年7月29日から8月3日まで開催された第84回IETFバンクーバー会合のう ち、本稿では、DNSに関連した内容を議論するワーキンググループ(WG)であ る、dnsop WG (Domain Name System Operations WG)と、会合自体は開かれま せんでしたが、dnsext WG (DNS Extensions WG)の動向をご紹介します。 ◆ dnsop WG dnsop WGの会合は、1時間の枠にて開催されました。そのため、現在議論中の Internet-Draftの状態確認を行うことが主な議題となりました。 まず、今回の議題にあがっていないInternet-Draftについて、状況の確認が 行われました。draft-ietf-dnsop-respsizeが取り上げられ、長い間議論され ている文章であるため、すぐにもIESGレビューに進むべきだという確認がな されました。 次に、draft-ietf-dnsop-rfc4641bisに関しての状況報告と議論が行われまし た。この文章は、RFC4641にて定義されたDNSSEC Operational Practicesを更 新したものであり、NSEC3等の新たなDNSSEC仕様に関する運用上の指針を示し たものです。WGチェアとしては、ADレビューの結果を待ってIETFラストコー ルに進みたいという意見が述べられました。会場からも特に質問や指摘はあ りませんでした。 その次に、draft-ietf-dnsop-dnssec-dps-frameworkに関する状況報告と議論 が行われました。この文章は、ドメイン管理者がDNSSEC運用の方針を決定し たり公表するにあたってのフレームワークとなるものです。この文章には、 トラストアンカーの配布やアルゴリズム更新時の手法といった議論点が残っ ており、まだ大きな変更が必要であるとの意見が出されました。この文章に 関しては、メーリングリストにて引き続き議論が行われます。 今回、WG draftとして一番議論が行われたのは、 draft-ietf-dnsop-dnssec-key-timingでした。この文章は、DNSSEC運用時に Key Rolloverを行うにあたっての手法とその手順を時系列で示したものです。 一度議論が中断されて今回再度復活した文章であるため、まだWG draftとし て議論を続ける必要があるか話し合われました。結論として、WGラストコー ルを行うということで合意されました。 最後に、WG draft以外のInternet-Draftとして、 - draft-wkumari-dnsop-omniscient-as112、 - draft-wouters-dnsop-secure-update-use-cases に関する発表と議論が行われました。 draft-wkumari-dnsop-omniscient-as112は、AS112 Projectとして行われてい る、プライベートアドレスの逆引きゾーンを保持するDNSサーバ群について、 新たな"empty" zoneという概念を導入するという提案です。これは、AS112 ProjectのDNSサーバは、管理者同士が緩く結びついているため、それらDNS サーバ群に新たなゾーンを追加したり、既存のゾーンを削除したりすること を一斉に行うのが難しいためです。そのため、empty zoneを用いることで、 上位DNSゾーンからの委譲設定を変更するだけで、逆引きゾーンを追加したり 削除したりすることができるようにするという手法です。これに関して、 empty zoneという概念がはっきりしないため、どのように定義すればいいか といった質問や、すべての問い合わせに対してNXDOMAINを返すことは危険な のではといった意見が出されました。結論としては、AS112 Projectにとって とても重要な問題提起であるため、引き続き話し合っていくことが合意され ました。 draft-wouters-dnsop-secure-update-use-casesは、DNSの委譲設定変更にあ たって必要となる、上位ゾーンのNSやDSレコードの設定変更を、DNS Dynamic Updateを用いて行う手法を提案したものです。この提案に関しては、多くの 人が質問の列に並び、意見が交換されました。反対意見もありましたが、結 論としては重要な提案であり、今後継続して議論するべきかを含めてメーリ ングリストで議論を行い、次回のIETFにてもう一度話し合いを行うことにな りました。 今回は1時間の会合であったため、少し時間オーバーして議論を行っていまし た。dnsop WGは引き続き、次回のIETFにおいても会合が開かれるものと思わ れます。 ◆ dnsext WG dnsext WGは、前回のIETF83の会合にて宣言された通り、会合は開かれません でした。WGとしてのメーリングリストは残っており、議論は引き続きメーリ ングリスト上にて行われています。そのため、今回のIETF報告では、IETF83 からIETF84までの間にメーリングリスト上で行われた議論に関して、主な話 題を報告します。 まず、draft-ietf-dnsext-rfc6195bisに関する議論がありました。この文章 は、DNSのパラメータ番号の割り当てに関して、IANAからの割り当ての指針を 示したものです。RFC6195からの主な変更点は、パラメータ割り当て要求に関 する審議の方法を一部修正したことです。この文章に関してWGラストコール が行われ、いくつかの修正提案が出ました。その後、更新版が発行され、引 き続き議論対象となっています。 また、draft-ietf-dnsext-dnssec-algo-signalも議論されました。この文章 は、DNSクライアントがDNSサーバに対して、DNSSECでどのアルゴリズムをサ ポートしているかを問い合わせるシグナリング手法を定めたものです。この 文章の更新版が発行され、意見は無いのかといった呼びかけに対して、いく つかの意見や指摘が出されました。多くの意見は前向きにこの提案に賛成す るものであり、引き続き議論が行われています。 draft-damick-dns-associated-names-recordという文章も発行され、議論が 起こりました。この文章は、"AN (Associated Names)"という新たなRRをDNS プロトコルに追加する提案をしたものです。このRRは、名前とその名前に関 連付けられたサービスを指定して問い合わせることで、そのサービスを提供 している実体のサーバの名前やIPアドレスといった情報を集めて返答すると いう挙動を定義しています。この文章に関しては、否定的な意見が複数出さ れました。何の問題を解決するためのRRなのかが明確ではないといった意見 が出され、著者も一度考え直す旨のコメントを出しました。 dnsext WGはメーリングリスト上での議論のみになったため、ある文章に対し てラストコールがかかると意見や提案が集中してよせられたり、新しい-00版 の文章が発行されると、その文章に対して意見が多く付いたりといった傾向 があります。そのため、ある文章に対する議論が長期にわたって継続して行 われる事例は無く、ラストコール等の節目にて集中的に議論が起こる傾向に あります。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ◆◇◆◇◆ 本号のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃ ┃良かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1003/ec66869ce644b6f7fea035680c7950ba┃ ┃ ┃ ┃悪かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1003/572d6644c6d72726ffaee860e54654d2┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.1003 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田3-6-2 アーバンネット神田ビル4F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には http://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ バックナンバー http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/ ___________________________________ ■■■■■ News & ViewsはRSS経由でも配信しています! ■■■■■ ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/index.xml :::::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2012 Japan Network Information Center