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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1252【臨時号】2014.11.19 ◆
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◆ News & Views vol.1252 です
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vol.1251から前後編に分けて、2014年10月12日(日)から16日(木)にかけて米
国で開催された、第51回ICANNロサンゼルス会議の報告をお届けしています。

後半となる本号では、新gTLDの話題やgTLD WHOISに関する議論の動向をご報
告します。

前半でご紹介した、IANAの監督権限移管に関する議論やICANN自身の説明責任
に関する議論の動向に関しては、下記のURLよりバックナンバーをご覧くださ
い。

□第51回ICANNロサンゼルス会議報告 [前編] IANAの監督権限移管および
  ICANNの説明責任に関する話題(vol.1250)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2014/vol1251.html

なお、今週より開催されているInternet Week 2014の同時開催イベントとし
て、第41回ICANN報告会を11月19日(水)16:15より、富士ソフト アキバプラザ
にて開催いたします。お席にはまだ少し余裕がありますので、ご興味をお持
ちになった方は、直接会場にお越しください。

  ・第41回ICANN報告会
    https://internetweek.jp/program/j3/

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◆ 第51回ICANNロサンゼルス会議報告 [後編] 新gTLDとWHOISに関する議論
                                     JPNIC インターネット推進部 奥谷泉
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本稿では、第51回ICANNロサンゼルス会議のトピックのうち、定例となってい
る新gTLDプログラムに関する各種動向と、ドメイン名の利用者にも直接関係
してくる話題として押さえておきたい、gTLD WHOISの見直しに関する動向を
中心にご報告します。


■ 新gTLD

2012年から実施された新gTLD第1ラウンドについては、オークションによる
ICANNへの収入として見込まれる、約1,400万USドルの取り扱いが今後の理事
会での決議事項として残っており、一部の参加者にはその判断が着目されて
いるものの、全体としては着々とプロセスが進行している印象です。さらに、
第1ラウンドの結果を検証し、次回第2ラウンドに向けた改善をまとめようと
いう動きも出てきました。

一方、第1ラウンドによる新gTLDの実際の導入が進んでいることに伴い、組織
内などで内部的に使っていた名前と新gTLDが衝突してしまうという名前衝突
の問題や、新たに導入された新gTLDがこれまでのTLDと同様にはすべてのアプ
リケーションで利用できないことがあるという、TLD Universal Acceptance
の問題も出てきています。しかしながら、これらは会議全体の中で、大きな
議論の焦点としては議論されていませんでした。

これらの名前衝突、TLD Universal Acceptanceの問題を含め、今回確認され
た主な進捗を、以下にまとめてご紹介します。

◇ 申請処理状況:

・ロサンゼルス会議時点で、新gTLD418件の委任が完了していることが発表さ
  れた
・競合する文字列(Contention Set)については、233件のうち、約半数を超え
  る120件が解決済み
・オークションに伴う収入、コストを公開

ロサンゼルス会議時点でのオークションによる収入は、13,904,785USドルと
発表されています。最終的な合計額が確定してから、理事会で対応を検討す
ることになります。

・新gTLDに関する進捗報告セッション
  http://la51.icann.org/en/schedule/mon-new-gtld

◇ 名前衝突

現在適用されている、衝突の恐れがあるドメイン名のリストを提示して対応
を促したり、報告窓口を設置したりするなどの対策は、今回のラウンドの新
gTLD申請のみに対して、2年間のみ有効なものとして適用されます。

これを踏まえ、将来的に次のラウンドの開始が決定した場合に備える必要性
や、既存のgTLDも視野に入れた長期的な対策に向けた質問が、今回の会議で
コミュニティに投げかけられました。今後大きな進捗がありましたら、JPNIC
の名前衝突問題に関する情報提供ページで、随時情報更新を行ってまいりま
す。名前衝突問題自体に関する説明も、このページをご参照ください。

・名前衝突セッション
  http://la51.icann.org/en/schedule/wed-name-collision

・JPNICの名前衝突問題についてまとめたページ
  https://www.nic.ad.jp/ja/dom/new-gtld/name-collision/

◇ Universal Acceptance

新たに追加されたTLDが、正しい電子メールアドレスとして識別されない、正
しいWebサイトとして認識されないといったこの問題は、これまでは国際化ド
メイン名(IDN; Internationalized Domain Name)を中心とした問題として捉
えられてきましたが、新gTLDにおいても同様の問題が、実際に発生している
ことが報告されています。

Facebookのようなメジャーなアプリケーション、公共機関の提供しているWeb
サイトなどでも問題が確認されており、「.city」など100を超える新gTLDの
申請を行った、大手のレジストリであるDonuts社などは、ICANNだけではなく
コミュニティ全体として、周知と対策の促進を検討するよう呼びかけていま
す。

  Universal Acceptanceセッション:
  http://la51.icann.org/en/schedule/wed-universal-acceptance

◇ 第1ラウンドの検証

新gTLDプログラム第1ラウンドの検証、次の第2ラウンドに向けての検討事項
のたたき台が、ICANNから発表されています。GACからは、「今回のラウンド
でGACが提出したセーフガードに関する勧告への、ICANNの対応に満足してい
ない。これが適切に対応されるまでは、次のラウンドを開始すべきではない」
といった意見もあるようですが、ICANNからも、「現在のラウンドにおける課
題が整理されるまで、次のラウンドを進める意向がない」ことが説明された
ことから、長期的な検討事項として整理に着手したと見ておくのがよさそう
です。

  https://centr.org/system/files/share/centr-report-icann51-20141017.pdf

◇ その他

新gTLDの導入に伴う政府間国際組織(IGO)・非政府間国際組織(INGO)に関わる
名称の保護、国コードと重複する2文字TLDの申請、IDNラベルの生成に向けた
検討パネルなどについても、継続して検討が行われています。


■ gTLD WHOISに関する検討

ドメイン名の登録者・利用者として押さえておきたい議論としては、これま
でもご報告してきた、gTLD WHOISの見直しを視野に入れた検討です。gTLD
WHOISのあり方を根本的に検証した最終報告書が、理事会に提出されたことを
機に、理事長のSteve Crocker氏からも、WHOISについては重要な検討課題と
して長期的に、慎重に抜本的見直しを行っていくという姿勢が、オープニン
グセッションで示されました。

現時点では、長期的な計画の議論が中心ですが、WHOIS登録者、利用者の立場
から、今後ドメイン名のWHOISにおいてどのような変更があり得るのか知って
おく上で、ご確認いただくとよさそうです。詳細を後述します。

◇ gTLD WHOISの抜本的な見直し

WHOIS情報の参照権限・公開のあり方の変更を含め、gTLDのWHOISのあり方を
抜本的に検証した、専門家グループ(EWG)の報告書が理事会に提出されまし
た。これからICANN理事会が、内容の検証とポリシー策定プロセス(PDP;
Policy Development Process)の必要性について検討に入ります。登録情報に
関するプライバシーが大きな課題となると、Steve Crocker氏は述べていまし
た。

なお、ICANN会議に参加する、技術的な専門家による個別の会議では、全gTLD
に関わるWHOIS情報を1ヶ所に集約する現在の案を、疑問視するコメントも確
認されました。

◇ その他の動向:

プライバシー・プロキシサービスに対する対応として、ドメイン名の登録者
の代理として事業者の連絡先を登録している場合、代理の事業者が登録者に
連絡を取れるようにすることを、レジストラ契約上求める方向で議論が進ん
でいます。

また、英語以外の言語で登録された、連絡先情報の変換と翻訳の必要性が、
専門のWGで検討されています。しかしながら、登録情報の変換と翻訳は、必
須としない意見が優勢となっていました。

・WHOIS Updateセッション:
  http://la51.icann.org/en/schedule/mon-whois


■ ICANN報告会と次回ICANN会議のご案内

第51回ICANNロサンゼルス会議の報告会を、Internet Week期間中、2014年11
月19日(水)に開催いたします。国内からICANN会議に参加されたさまざまな立
場の方から、会議の様子を聴く機会としてぜひご参加ください。参加費は無
料です。

・第41回ICANN報告会
  2014年11月19日(水) 16:15~18:45 (富士ソフトアキバプラザ)
  https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2014/20141105-01.html

次回の第52回ICANN会議は、2014年2月8日(日)から12日(木)にかけて、シンガ
ポールで開催されます(開催地は当初モロッコのマラケシュが予定されていま
したが、変更されました)。現地参加ができない方は、リモート参加も可能で
す。

  ICANN 52 - Singapore
  http://singapore52.icann.org/en/


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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┃悪かった                                                          ┃
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