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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1442【定期号】2016.10.17 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1442 です
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2016年9月下旬から10月上旬にかけて、スリランカのコロンボにて、アジア太
平洋地域の地域インターネットレジストリ(RIR)である、APNICのカンファレ
ンスが開催されました。本号より、このカンファレンスの様子を前後半の連
載にてお届けします。前半となる本号では、全体概要およびアドレスポリシー
関連の動向をご紹介します。後半となる次号では、技術関連の話題をお届け
します。

コラムでは、Internet Weekのプログラム委員会に参画している株式会社ブ
ロードバンドタワー大本貴氏に、「Internet Weekはいいぞ」と題して熱い思
いを語っていただきました。

また、インターネット用語1分解説では、さまざまなベンダーから多くの脆弱
性情報が公開されるようになり、それらの情報の比較や検討のために重要性
を増してきている、「CVE」を取り上げています。

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◆ 目次
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【 1 】特集
       「APNIC 42カンファレンス報告 [前編]
         全体概要およびアドレスポリシー関連報告」
【 2 】News & Views Column
       「Internet Weekはいいぞ」
         株式会社ブロードバンドタワー  大本貴氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「CVEとは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 1 】特集 「APNIC 42カンファレンス報告 [前編]
全体概要およびアドレスポリシー関連報告」
                                               JPNIC IP事業部 川端宏生
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■ APNIC 42カンファレンスの概要

APNIC 42カンファレンスは、2016年9月28日(水)~10月5日(水)に、スリラン
カ・コロンボで開催されました。

既にJPNICからお知らせしていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、
会期中の10月1日(土)に、米国商務省電気情報通信局(NTIA)からグローバルイ
ンターネットコミュニティへの、IANA機能の監督権限移管が実現しました。

  米国政府がインターネット重要資源の監督権限を手放しました
  ~今後はグローバルなインターネットコミュニティが監督~
  https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2016/20161001-01.html

会期の最終日に開催されたAPNIC総会(APNIC Member Meeting; AMM)では、「こ
の移管の実現により、コミュニティ主導のマルチステークホルダーモデルが
機能することを示したこと」を称え、「IANA機能のうちの番号資源に関わる
RIRの一員として、今後も責任を持ってこの重要な機能の監督を行うこと」へ
の決意をしたためた声明がAPNIC理事会議長より読み上げられるなど、IANA機
能の監督権限に関して記念すべきAPNICカンファレンスとなりました。

今回のカンファレンスは、当初バングラデシュのダッカでの開催が予定され
ていましたが、2016年7月にテロが発生したことを受けて、同じ南アジア地域
のコロンボに開催地を変更することになりました。

飛行機を降りると早速、真夏の東京を思わせる蒸し暑さの洗礼を受け、よう
やく秋の兆しが見受けられるようになってきていた東京が恋しくなったのは
言うまでもありません。会場周辺ではいくつかの高層ビルが建築中で、朝夕
の通勤電車には溢れんばかりの人が乗車していることが遠目に見てもわかり、
これからの経済発展を感じさせられました。

主催者からの報告によると、39の国や地域から443名の参加登録があり、開催
地であるスリランカからの登録者は143名とのことでした。次いで登録者が多
かったのは、バングラデシュの98名、インドの47名となっています。443名の
登録者のうち、332名が実際に会場に足を運んだとのことでした。また、APNIC
の会員数は約5,600ですが、今回のカンファレンスに参加した会員数が133と
いうことも併せて発表されています。

これまでのカンファレンスと同様に、会期前半は「ワークショップ」が開催
されました。10月3日(月)からは「チュートリアル」「SIG (Special Interest
Groups)」「BoF (Birds of a Feather)」「AMM」の会議・セッションが開催
されました。これら以外にも、APNICと関連の深い、APIX (Asia Pacific
Internet Exchange Association)やFIRST (the Forum of Incident Response
and Security Teams)が主催する、会議・セッションが設けられていました。

当日の資料、ビデオ、発言録は、以下のAPNICカンファレンスのページに掲載
されています。今回参加できなかった方や現地での発言を聞き逃した方も、
これらの資料を一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

   https://conference.apnic.net/42/program#

今回はこれらのセッションの中から、アドレスに関するポリシー提案の結果
を中心にご紹介します。


■ アドレスに関するポリシー提案の結果について

今回は、ポリシー提案1点のみについて議論が行われました。以下では、提案
の内容についてご紹介します。

・「APNICにおける最後の/8相当のIPv4未割り振り在庫」の移転禁止提案
   (提案番号:prop-116)

  提案者:藤崎智宏氏

  概要:「APNICにおける最後の/8相当のIPv4未割り振り在庫」の移転を禁止
        する旨をポリシーに追加する

  (補足事項)
   ・上記在庫から割り振りを受けたIPv4アドレスが不要となった場合、割り
     振りを受けた組織はAPNICに返却する

   ・M&A(事業移管や吸収合併など、その事実を書面などで客観的に確認でき
     るケース)による移管で、移管先組織が上記在庫から/22の割り振りを受
     けることとなった場合、/22を超えるアドレスについてはAPNICに返却す
     る

  (提案の詳細) http://www.apnic.net/policy/proposals/prop-116

  結果:継続議論

現在APNIC地域では、1組織あたり「APNICにおける最後の/8相当のIPv4未割り
振り在庫」から/22(1,024アドレス)、「IANAから再割り振りされたIPv4返却
在庫」から/22(1,024アドレス)の、合計/21(2,048アドレス)の割り振りが行
われています。

特に「APNICにおける最後の/8相当のIPv4未割り振り在庫」からの/22の割り
振りは、これから新規参入する組織に対して、必要最小限の割り振りを行う
ことを目的として考えられています。

新規の割り振りは堅調に伸びる一方で、M&Aによる移管や、IPv4アドレスの分
配先を変更するIPv4アドレス移転制度を利用して、複数の/22を他の組織から
受け取るといったケースも増えてきているようです。

一つの組織が複数の/22を他の組織から受け取るような、本来の目的とは異な
るアドレスの分配を防ぐことを目的として、今回提案が行われました。

当日の議論では、移転を禁止することで、WHOISデータベースに登録された分
配先組織ではなく、その分配先組織と私的な契約を結んだ第三者にアドレス
を利用させるようなケースが出てくるのではないかと懸念するコメントが出
されていました。データベース登録情報から実際のアドレス利用者がわから
なくなってしまった場合、分配先を登録しておくためのWHOISデータベースの
信頼性が損なわれることや、不正利用の際に連絡先を把握できなくなってし
まうことを危惧する参加者が多かったのではないでしょうか。

この提案は、継続議論とする結果となりましたが、提案者は今回の議論内容
を踏まえて提案内容を改訂し、次回以降のカンファレンスにおいてさらなる
議論が行われる予定です。

ここ最近のAPNICカンファレンスでは、議論の参加者がコメントを述べる際
に、NIRのスタッフが各地域での意見集約の結果を表明することが増えてきま
した。前々回のAPNIC 40カンファレンスでは韓国のNIRであるKRNIC (KISA)か
ら、今回は中国のNIRであるCNNICから、コミュニティに対して事前に意見集
約を行った結果が読み上げられていました。

今回は日本においても、ポリシーワーキンググループからIP-USERSメーリン
グリストの購読者に対して、コメントなどを求める投稿をしていましたが、
特段の反応はありませんでした。APNICカンファレンスにおいて提案が提出さ
れると、提案内容の重要度に応じてポリシーワーキンググループから意見照
会が行われることがあります。提案についてコメントがあれば、ぜひお寄せ
いただければと思います。日本からの意見として、議論の参考となるよう
APNICコミュニティにインプットしていきたいと思います。

また、IPアドレス・AS番号の分配ルールであるポリシーの変更提案ではあり
ませんが、今回のAPNICカンファレンスでは、「SIGの運営方法を定めたSIGガ
イドライン」の改訂についても議論が行われています。

こちらについても議論の結果、継続議論となっていますが、ここではその改
訂点について、簡単にご紹介します。

 1. 現行のガイドラインでは、会場にいる参加者すべてがSIG Chair選挙にお
    いて投票できるようになっています。この投票資格を、参加登録を行っ
    ている者(リモート参加者を含む)に限定するよう変更しようというもの
    です。

 2. SIG ChairおよびSIG Co-Chairの任期は2年となっており、原則として隔
    年でChairとCo-Chairの選挙を行っています。この原則を維持できるよ
    う、任期途中でChairまたはCo-Chairが辞任した場合に、新たに選出され
    たChairまたはCo-Chairの任期を、辞任した者の任期を引き継ぐこととす
    る旨を定めようというものです。

特に1.については、APNICが現在提供するリモート参加の方法では、本人確認
の方法がありません。この状態でリモート参加者まで対象に含めてしまうと、
特定の候補者を当選させたいために、1人で複数投票するようなケースが起き
ることを懸念する参加者が多かったように思いました。

そのため、「IETFのリモート参加者のように、通常の参加者と同様の参加登
録を行った者のみとする」「過去のAPNICミーティングに参加経験がある者の
みとする」「現地での参加者のみとする」「APNIC会員に限定する」など、何
らかの形で投票資格を限定すべきとのコメントが多く出されていました。


■ WHOISの正確性向上について

前回のAPNIC 41カンファレンスと同様に、アドレスポリシーSIGでは、WHOIS
の正確性向上に関する話題が取り上げられていました。

前回のAPNIC 41カンファレンスでの議論を含め、APNICフォーラムでの議論の
状況については、「WHOIS登録情報正確性向上に向けてのAPNICフォーラムで
の議論」と題して、2016年8月に開催された第30回JPNICオープンポリシーミー
テング(JPOPM)でもご紹介しています。ご興味のある方は、JPOPMのWebサイト
に掲載の資料も併せてご覧いただければと思います。

   第30回JPNICオープンポリシーミーティングプログラム
   http://www.jpopf.net/JPOPM30Program

今回は、スリランカ警察やFBIをはじめとする法執行機関からの、WHOISに対
する考え方が紹介されていました。スリランカ警察の担当者からは、サイバー
犯罪では対象のIPアドレスを把握した上で、さまざまなツールを利用して捜
査を行う点、それらの捜査を行うための基礎データとしてWHOISを利用してい
る点が紹介されました。WHOISに登録された情報のうち、特にIPアドレスの割
り当て先組織に関する情報が正確に登録されていることが、迅速な捜査につ
ながると指摘していました。

FBIの担当者からは、実際に起きたサイバー犯罪の例として、米国カリフォル
ニア州で起きた事例が紹介されました。この事例では、不正確で長期間登録
情報の更新が行われていないWHOIS情報から、対象のIPアドレスを選び出し、
そのアドレスをハイジャックしてスパムを大量送信し、その結果、数百万ド
ルの損害をもたらしたそうです。FBIでは、そのようなWHOIS情報が、犯罪に
利用されることに注目しているそうです。

これらの法執行機関からの報告では、WHOISの正確性を非常に重要視している
ことが明らかになりました。またFBIでは、すべてのRIRを対象にして、登録
情報を正確にするためのポリシー提案を行うことも予定しているとのことで
した。WHOIS登録情報の正確性向上に関する話題については、JPOPMやICANN報
告会などで取り上げた際にも、多くの皆様にご参加いただいており、関心が
高いトピックではないかと考えています。JPNICでも、これからの動向に注目
しています。


■ 選挙結果のご紹介

APNICカンファレンスでは、情報提供やポリシー提案に関する議論のほかに
も、各種選挙が行われます。今回行われたNRO NCおよびNIR(国別インターネッ
トレジストリ)に関わる事項について議論を行うNIR SIGの、Chair選挙結果を
ご紹介します。

(1) NRO NC: Brajesh Jain氏(Citycom Networks Pvt Ltd.(インド)・初当選)

  NRO NCは、ICANN理事会がグローバルポリシーを承認する上で、アドバイス
  を行う役割を担います。ポリシーフォーラムより選出された2名と、RIRの
  理事会が指名する1名の合計3名を、各RIR地域の代表者としています。五つ
  のRIRから合計15名で、NRO NCを構成しています。

  Brajesh氏は、任期満了に伴い退任するAjay Kumar氏(インド)に代わり、
  2017年1月から2年間の任期でNRO NCの役割を担います。

(2) NIR SIG Chair: Shyam Nair氏(Sify Technologies(インド)・初当選)

  NIRに関する議論を行うNIR SIGにおいても、退任した橘俊男氏(日本)に代
  わる、新たなChairの選出が行われました。


■ 次回以降のAPNICカンファレンスについて

次回のAPNIC 43カンファレンスはAPRICOT 2017と共催となり、2017年2月20日
(月)~3月2日(木)に、ベトナム・ホーチミンシティでの開催が予定されてい
ます。ベトナムでのAPNICカンファレンスは、2005年9月に開催されたAPNIC
20以来、約11年半ぶりとなります。

また、2017年9月頃開催予定のAPNIC 44カンファレンスは台湾・台中で、2018
年春に開催予定のAPRICOT 2018/APNIC 45カンファレンスはネパール・カトマ
ンズでの開催が予定されている旨も、併せて発表されています。

APNICカンファレンスは、RIRやNIRのスタッフ、APNICメンバーに限らず、ど
なたでも自由に参加することが可能です。今回の報告に目を通されて、興味
を持たれた方は、一度参加してみてはいかがでしょうか。特に日本国外での
開催の場合には、ポリシーに関わる熱のこもった議論のほかに、開催地のイ
ンターネット事情を垣間見られる場面に遭遇するかもしれません。JPNICから
は職員が毎回参加していますので、多くの方と会場でお目にかかれることを
楽しみにしています。


 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
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 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃  http://feedback.nic.ad.jp/1442/4b1eb1237bf3fa405d61015abbda50be ┃
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【 2 】News & Views Column
       「Internet Weekはいいぞ」
                                   株式会社ブロードバンドタワー 大本貴
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本のインターネットインフラ業界には大きく二つのお祭り(イベント)があ
ると私は考えています。一つは初夏のInterop。そしてもう一つは秋深まる頃
のInternet Week (IW)です。Interopで最新の技術動向や機器展示に触れ、
Internet Weekでは技術知識の向上と底固め、といった感じで、自分の知識を
アップデートするため、ほぼ毎年この二つのイベントに参加してきました。

私が初めてInternet Weekに参加したのは2002年のパシフィコ横浜だったと思
いますが、企業主催の勉強会ではないのに、こんな大きな会場で、かつ企業
の垣根を越えた業界横断での勉強会は初めてで、衝撃を受けた記憶が今も思
い出せます。

当時、私はストリーミング技術を業務で担当していたのですが、まだYouTube
もUstreamもなく、動画配信系事業は業界内でも芽吹き始めた頃でしたから、
ストリーミング技術については、まずこうやって国内で勉強会が開かれるこ
と自体が少なく、各自が独学で情報を収集・勉強するしかありませんでした。
もちろん、そういった中で知り得た技術情報は、自身にとっての知識として
だけではなく、会社の重要な情報資産でしたから、他社の現役エンジニアか
らストリーミングに関する知識を披露してもらえるというのは大変貴重な機
会でした。

もちろんストリーミングに限らず、インターネットに関する幅広いジャンル
の知識を吸収できる、しかも著名な現役エンジニアの方々による現場の生の
技術を教えてもらえる。「Internet Weekはいいぞ。」としか言いようがない
魅力がここにあります。

また、ストリーミング技術のセッションを聴講をした最初の機会では、正直
難しくてついていけなかった内容も、翌年のIWで内容をアップデートしつつ、
前年度の基礎部分も内容に含めてプログラムを組まれていたので、翌年度IW
に行ったときにはさらに内容に対する理解力が高まり、「あ、これ去年聴い
て判らなかったところだけど、今回は理解できる。俺、成長したんだ!」と自
分の成長も実感できたものでした。ここにも「Internet Weekはいいぞ。」と
しか言いようがない魅力があります。

さらにこれだけ著名な現役エンジニアたちを揃えているにも関わらず、他の
有料セミナーに比べて、圧倒的に受講料が安い。

特にセキュリティ関連セミナーは他のイベントですと手の届きにくい価格(で
も完売してしまう)ですので、こんな価格で大丈夫かと心配するくらいです。
そんな魅力あふれるセミナーの感想を聞かれたら、くどいようですが
「Internet Weekはいいぞ。」としかもう言いようがありません。

さて、一方、私はその後、昨年はIWの会場ネットワーク構築に参加、今回は
とうとうプログラム委員会に参加することになりました。私はWi-Fiプログラ
ムを担当することになりましたが、自分の体験を踏まえ、昨年のWi-Fiプログ
ラムを踏襲しつつ、昨年時間制約的に触れられなかった部分をアップデート
したプログラムを考えております。

皆さんのInternet Weekへのご参加、心から歓迎します。一緒にスキルアップ
していきましょう!

■筆者略歴

大本 貴(おおもと たかし)

2000年、インターネット総合研究所(IRI)に入社。2001年から2007年まで動画
配信系子会社への出向による経験を経て、2011年にブロードバンドタワーへ
転籍。主に社内ネットワークの構築・運用に従事。

近年はDNSOPS.jp幹事メンバー、CONBU(COnference Network BUilders)コアメ
ンバーとしても活動中。Internet Week 2016プログラム委員。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「CVEとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

CVE (Common Vulnerabilities and Exposures)(*1)は、情報セキュリティに
おける脆弱性やインシデントについて、それぞれ固有の名前や番号を付与し、
リスト化した事典(*2)です。

CVEが登場するまでは、各種製品ベンダーやセキュリティベンダーが、脆弱性
に対して独自に名前を付けていたため、各ベンダーが公表する脆弱性情報は
ばらばらで、ある脆弱性情報が同じ問題についてのものなのかどうか、はっ
きり判別することは困難でした。さらに、脆弱性のデータベースや対応ツー
ルの相互互換性も、有効性に乏しいことになっていました。

そのような状況を改善するため、米国政府の支援を受けた非営利団体のMitre
Corporation (マイターコーポレーション)が、1999年に脆弱性を一意に特定
できるようCVEを提案・実装しました。このCVEの登場によって、脆弱性の一
つ一つに固有の名前、およびCVE IDと呼ばれる固有の番号が付与されるよう
になりました。その結果、ベンダーをまたいだ脆弱性情報の比較が、容易に
行えるようになりました。

現在では、主要なベンダーなどから脆弱性情報が公開される際には必ずと言っ
ていいほど、CVEとCVE IDが付与された上で公開されています。これまでに付
与されたCVEとCVEIDの一覧については、上記のMitre CorporationのWebサイ
ト(*3)で閲覧できます。

(*1) Common Vulnerabilities and Exposures (CVE)
     http://cve.mitre.org/

(*2) About CVE
     http://cve.mitre.org/about/

(*3) CVE IDs
     http://cve.mitre.org/cve/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2016年5月~2016年10月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付|  AD  AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
 5/1|259  3564 383500 587 32999 14104 6527 5039 1875 2350 850454 113128  8727 2600 1425713
 6/1|259  3565 384480 585 33101 14087 6504 5050 1875 2342 852026 112474  8757 2583 1427688
 7/1|258  3563 385609 585 33233 14029 6503 5066 1875 2337 854742 112475  8751 2743 1431769
 8/1|259  3569 386343 584 33327 14004 6487 5075 1875 2331 857469 112382  8804 2735 1435244
 9/1|259  3569 387171 584 33413 13978 6474 5079 1875 2327 860433 112404  8853 2588 1439007
 10/1|260 3566 388263 589 33546 13931 6455 5087 1876 2322 863174 114137  9007 2601 1444814
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2016年4月~2016年9月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
   4 |     3072 |        0 |   93077448
   5 |     1024 |        0 |   93078472
   6 |     5120 |        0 |   93083592
   7 |     2048 |        0 |   93085640
   8 |    13568 |    11520 |   93087688
   9 |     2048 |        0 |   93089736
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2016年10月14日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |     96 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     39 |
 ---------------------
  合計      |    186 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2016年10月13日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           415


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2016.10.17(月)~19(水)       NANOG 68 (Texas, U.S.A.)
  2016.10.20(木)~21(金)       ARIN 38 (Texas, U.S.A.)
  2016.10.24(月)~27(木)       APCERT Annual General Meeting &
                               Conference 2016 [後援] (東京、ロイヤル
                               パークホテル)
  2016.10.24(月)~28(金)       RIPE 73 (Madrid, Spain)
 ---------------------------------------------------------------------
  2016.11.1(火)~2(水)         IPv6対応セミナー(大阪) (大阪、グランフ
                               ロント大阪)
  2016.11.3(木)~9(水)         ICANN 57 (Hyderabad, India)
  2016.11.13(日)~18(金)       IETF 97 (Seoul, South Korea)
  2016.11.25(金)~30(水)       AFRINIC-25
                               (Flic en Flac, Republic of Mauritius)
  2016.11.29(火)~12.2(金)     Internet Week 2016 (東京、ヒューリック
                               ホール&ヒューリックカンファレンス)
  2016.11.29(火)               第14回日本インターネットガバナンス会議
                               (IGCJ)会合(東京、ヒューリックホール&
                               ヒューリックカンファレンス)
  2016.11.30(水)               第31回JPNICオープンポリシーミーティン
                               グ(東京、ヒューリックホール&ヒューリッ
                               クカンファレンス)
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  2016.12.6(火)~9(金)         IGF 2016 (Guadalajara, Mexico)


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
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 JPNIC News & Views vol.1442 【定期号】

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