各位
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
米国政府がインターネット重要資源の監督権限を手放しました
~今後はグローバルなインターネットコミュニティが監督~
2016年9月30日24時(東部夏時間、日本時間では2016年10月1日13時)をもって、 今まで米国政府が有していた、インターネットにおける重要資源(IPアドレス・ドメイン名・プロトコル番号)の監督権限を、 同政府が手放しました。今後この監督については、特定の政府が関わることなく、 さまざまな立場の関係者が集まり構築される、 いわゆる「マルチステークホルダー体制」に基づく「グローバルなインターネットコミュニティ」が担っていくことになります。
-
米国政府(米国商務省電気通信情報局(NTIA))からのアナウンス
http://www.ntia.doc.gov/press-release/2016/statement-assistant-secretary-strickling-iana-functions-contract
米国政府は、インターネットのルーツに基づく歴史的な経緯から、この監督権限を担ってきました。 しかし、これ以外のインターネットの方針策定や管理は、 黎明以来、誰もが参加できるというオープンなプロセスの下、利用者・関係者が直接関与するという運営精神が貫かれてきました。 この精神に基づき発展し、 特定の国・組織に属さない今日のグローバルなインターネットというものの性質を鑑みた場合、 完全に民間主導のグローバルコミュニティによって重要資源の監督がされることになったことは、 象徴的で歴史的な第一歩と言えます。
NTIAがこの監督権限を移管する意向を固めた2014年3月以降のこの約2年半の間、 世界中のインターネット関係者が今までにない規模でグローバルに協働し、移管後の体制に関する提案を策定し、 NTIAに提出しました。また移管に向けた実装準備も進めてきました。
ついに移管にこぎつけたことは、すべてのステークホルダーにとって喜ばしいことです。 「誰もがオープンに方針策定に関与できるというインターネットの運営精神に則ったプロセスの有効性」も証明することになったといえます。
本件にかかる関連団体からのアナウンスを含む詳細や背景などは、とりまとめた上、2016年10月3日(月)に、 当センターのメールマガジン(JPNIC News & Views)で臨時号として発行する予定です。そちらも合わせてぜひご覧ください。
2016年10月3日追記:
下記の記事をメールマガジン臨時号として発行しました
JPNIC News & Views vol.1439「IANA監督権限移管実現 ~これまでの歩みとこれから~」
https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2016/vol1439.html
また、IANA監督権限移管に関する今までの流れは、以下もご参照ください。
2014年3月 |
米国商務省電気通信情報局がインターネットDNS機能の管理権限を移管する意向を表明 https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2014/20140317-02.html |
2014年7月 |
IANA Stewardship Transition Coordination Group (ICG)設立 グローバルインターネットコミュニティのよる提案策定に向けた検討開始 |
2016年3月 |
ICANNがIANA機能監督権限移管に関する提案を米国政府に提出 https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2016/20160315-01.html |
2016年6月 |
NTIAがIANA機能監督権限移管提案への審査報告書を公開 ~米国政府が、提案は移管要件を満たすと判断~ https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2016/20160610-01.html |
2016年8月 |
NTIAが移管実施に向けた現IANA契約終了の意向を発表 https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2016/20160819-01.html |
以上