=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1473【臨時号】2017.2.7 ◆ _/NIC =================================== ---------- PR -------------------------------------------------------- ■■■■ 英語での顧客対応にお困りのICT企業様へ朗報!! ■■■■ □■ インターナップ・ジャパンのバイリンガルITサポートサービス ■□ ■□■ 英語が怖くてせっかくのチャンスを逃していませんか? ■□■ □ 語学に堪能なエンジニアが御社に代わり24時間365日対応します。 □ ■ お問合せ→ http://www.internap.co.jp/lp/bilingual/ ■ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.1473 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2016年11月上旬に、インドのハイデラバードで開催された第57回ICANN会議を 受けて、2017年1月19日に第47回ICANN報告会を開催いたしました。 本報告会では、定例の各支持組織・諮問委員会の動向報告に加えて、今回の ハイデラバード会議から新たにICANN理事に就任した、JPNICの前村からの報 告もプログラムに加わりました。また、パネルディスカッションでは、2012 年に募集された新gTLDの申請処理がそろそろ終了に近付いてきたことから、 次回募集を見据えての議論がありました。 本稿では、このICANN報告会のレポートをお届けします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 第47回ICANN報告会レポート JPNIC インターネット推進部 山崎信 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2017年1月19日(木)に東京・神田のJPNIC会議室にて、JPNICと一般財団法人イ ンターネット協会(IAjapan)の共催で第47回ICANN (The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)報告会を開催しました。これは、2016年11 月3日(木)から9日(水)までの7日間にわたり、インド・テランガーナ州および アーンドラ・プラデーシュ州の州都ハイデラバードにおいて開催された第57 回ICANN会議の内容に加え、その後のICANN関連動向も含めご報告するもので した。 ■ プログラム 今回のICANN報告会のプログラムは、次の通りでした(話者敬称略)。 1. ICANNハイデラバード会議概要報告 ICANNジャパン・リエゾン 大橋 由美 2. 国コードドメイン名支持組織(ccNSO)関連報告 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 高松 百合 3. ICANN政府諮問委員会(GAC)報告 総務省総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課 高村 信 4. ICANN理事からの報告 JPNIC 前村 昌紀 5. 次期新gTLD募集およびgTLD全般に関するディスカッション 背景説明1 (次回新gTLD募集に向けて): JPNIC 山崎 信 背景説明2 (登録者アンケート結果報告書・新gTLD市場健全化指標): ICANN Kelvin Wong モデレーター: JPNIC 前村 昌紀 パネリスト: 株式会社インターリンク Jacob Williams GMOブライツコンサルティング株式会社 Michael Flemming GMOドメインレジストリ株式会社 田村 宣丈 株式会社日本レジストリサービス 村上 嘉隆 楽天株式会社 安高 元気 以降、それぞれの報告の内容について、簡単にご紹介します。 ■ ICANNハイデラバード会議概要報告 ICANNジャパン・リエゾンの大橋由美氏より、会議の概要を報告いただきまし た。ハイデラバード会議は会議形式Cと呼ばれる、ICANNでは三つあるうちの 最大規模の7日間にわたる形式での開催で、参加登録者数は過去最多の3,182 人となりました。発表で触れられた主な内容は以下の通りです。 ・会議のハイライト - 理事改選 - ICANN Leadership Award (JPNIC奥谷泉も受賞) - Community Recognition Program (JPRS佐藤新太氏も受賞) ・関心を集めた話題 - 2012年に実施された新gTLD募集のレビュー - 次回新gTLD募集に向けたポリシー策定プロセス(PDP)検討状況 - WHOIS/次世代登録ディレクトリサービス(RDS) ・APACスペース(アジア太平洋コミュニティによるセッション)について - 次回新gTLD募集手続きに関するPDP ・意見募集中の案件 なお、ハイデラバード会議の概要につきましては、JPNIC News & Viewsの vol.1452もご覧ください。 第57回ICANNハイデラバード会議報告 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2016/vol1452.html ■ 国コードドメイン名支持組織(ccNSO)報告 JPRSの高松氏より、主に以下の点についてご報告いただきました。それぞれ の詳細についてはここでは割愛しますので、当日の資料をご覧ください。 1. TLDの委任(delegation)、取り消し(revocation)、廃止(retirement)に関 するPDP検討 2. Legal sessionでの各国からの報告 3. ccNSO評議委員選挙(JPRS (.jp)の堀田博文氏が再任) 4. 組織横断的なセッションであるHigh Interest Topicsセッションへのト ピック提案 5. TLDにおける2文字コードと3文字コードの扱いに関する、ccNSOとGNSO合同 WGでの検討状況 2番目のアジェンダでは、各国(南アフリカ(.za)、日本(.jp))での法律改正に 伴うレジストリなどへの影響、デンマーク(.dk)よりインターネットにおける 不正利用(タイポスクワッティング等)に関連したレジストリとしての対応に 関する意見募集結果について報告されたとのことです。 ■ 政府諮問委員会(GAC)報告 総務省の高村氏より、主に以下の項目についてご報告いただきました。 1. IANA監督権限の移管に伴うGAC機能の強化 2. GACとしての意思決定の在り方 3. GACコミュニケの概要 4. 理事会への助言の概要 1.は、IANA機能監督権限移管に伴うICANNの説明責任強化についての議論の結 果、ICANN理事会に対して予算や定款変更などへの拒否権、ならびに理事の罷 免や理事会の解散などの権限を持つ「強化されたコミュニティ(Empowered Community, EC)」が設置されたことに伴うものです。ECは支持組織および諮 問委員会(ASO、ccNSO、GNSO、GAC、ALAC)の代表者により構成されることか ら、GACの代表者を誰にするか、およびその選任方法などについて議論された とのことです。 2.は、1.と同様にICANNの説明責任強化について議論された結果、GACによる ICANN理事会への助言の定義などに関してICANN付属定款が改定されたことに 伴うものです。助言のあり方など、GAC内部の運営方針について改正が必要と なるため、引き続き議論が行われているとのことでした。 また4.としては、以下が紹介されました。 1. 次回新gTLD募集について 2. ドメイン名悪用に対するICANNの対応状況に関する、GACから理事会に送っ た質問への回答要請 3. セカンドレベルドメインへの2文字文字列の使用 4. 政府間組織(IGO)、赤十字社や赤新月社等の名称・略称保護 5. 十分にサービスが行き届いていない地域への活動 上記のうちセカンドレベルドメインへの2文字文字列の使用に関しては、2016 年11月8日に行われたICANN理事会決議で「以下の3要件を満たすレジストリに 対して当該文字列の登録を可能とする」と決議されました。 1. 政府等に30日間の事前登録期間を設ける 2. 登録ポリシーに国別コードとの混同を避ける措置を設ける 3. 登録後の政府等からの苦情に適切に対応する そのため、GACは理事会に対し、前回ヘルシンキ会議でのGAC助言(以下)と、 上記決議とが沿っていることを示すよう求めました。 そのためGACは、今回の理事会決議の内容が、前回ヘルシンキ会議でGACが助 言した「当該文字列において利害関係者間で合意できないリスクが存在する ときは、関連するレジストリまたはレジストラが当該政府と連携することを 促す」というものと沿っていることを示すよう、ICANN理事会に求めました。 ■ ICANN理事からの報告 2016年11月にICANN理事に就任したJPNICの前村からは、主に以下について紹 介いたしました。 - ICANN理事会の陣容:現理事および退任した理事、出身地域の分布など - 理事会の権能と責務:定款で定められた権能、理事の責務など - 委員会とワーキンググループ - 理事会の活動:理事会会合以外の活動について ■ 次期新gTLD募集およびgTLD全般に関するディスカッション 2012年に募集された新gTLDは、委任手続きが完了したTLDが1,200を超え、申 請処理全体の完了に近づいており、次回募集に向けての動きも見られる状況 です。このような状況の中、現行(2012年に募集された)新gTLDプログラムの 振り返りと、次回募集に向けての動きを総括すべく、パネルディスカッショ ンを行いました。 ○背景説明(次回新gTLD募集に向けて) 筆者より、現行新gTLDプログラムの振り返りとして統計を紹介した後、次期 新gTLD募集手続きポリシー策定プロセス検討作業部会(New gTLD Subsequent Procedures PDP WG、以下「WG」とする)について説明しました。WGは以下四 つの作業トラック(WT)に分かれて検討を行っており、発表では各トラックの 検討項目の詳細について触れました。 WT1: 全体プロセス、サポート、アウトリーチ WT2: 法規制関係/契約のあり方 WT3: 募集実施方法/文字列競合/紛争解決 WT4: 技術・運営事項(Universal Acceptance(*)、国際化ドメイン名(IDN)を 含む) (*) https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/tld-universal-acceptance.html ○背景説明(登録者アンケート結果報告書・新gTLD市場健全化指標) ICANNのWong氏からは、ICANNから公開されたgTLD関連の以下の報告書につい てご報告いただきました。 - gTLD市場健全性指標ベータ版(gTLD Marketplace Health Index (Beta)) - 世界のドメイン名登録者向け調査結果(Global Registrant Survey Results) 前者は現在ICANNで進行しているメトリクス(判断の基準)関連プロジェクトの 一つで、「ドメイン名市場の健全で安定的かつ信頼される発展を支援する」 ために開始されたものです。「ICANN重要業績評価指標(KPI)ダッシュボード (ベータ版)」における指標の一つである、「健全で安定的かつ回復力のある ユニークな識別子エコシステム」を実現するため、健全な競争、安定性、信 頼の三つが代表的な判断基準となっています。 後者は「競争と消費者の選択肢および信頼に関する実装諮問グループ」の勧 告に従い、ICANNが外部機関を使って、現在のドメイン名環境においてドメイ ン名登録者が持つ信頼感、選択肢および経験の度合いを調査したものです。 調査結果によれば、新gTLDの認知度は上がってきており、ドメイン名業界へ の信頼は高く、登録制限がある場合は信頼性レベルが上がること、アジア太 平洋地域での信頼度が他地域より高いことが判明しているとのことです。 ただし、調査に回答したうちの2割前後のユーザーは、オンライン上での自ら のアイデンティティを示す手段として、ドメイン名登録では無くソーシャル メディアのアカウント取得を選ぶと回答したそうです。この結果から、ドメ イン名をそれほど重視しないユーザーも一定数存在するとの考察が示されま した。 ○パネルディスカッション パネルディスカッションに入る前にまず背景説明を行い、質疑応答を行いま した。その後、各登壇者による自己紹介に続いて、議論が行われました。す べてを取り上げることは難しいため、ここでは議論の概要をご紹介します。 はじめに、2012年の新gTLD募集について意見を述べてもらいました。各登壇 者からは、今回の申請では多数の一般名詞TLDが申請されたことや、知財保護 に改善の余地があったこと、類似文字列の扱いや申請処理の優先順位付けな どに問題があったことから、現場での混乱を招いたのではないかとの考えが 示されました。申請費用については、高すぎるという意見が出た一方で、そ のことがスクワッターなどの申請を防ぐ防波堤となったなど、意見が分かれ ました。また、募集後の問題発覚により後付けで多数のルールができたこと については否定的な意見が多く、今回の申請ラウンド全体がベータ版だとの 声がありました。 続いて行われた次回申請ラウンドに関する議論については、GAC助言などの影 響によりプロセス自体に遅れが出そうだとの懸念のほか、世間のインターネッ トへの依存様態が変わっていることからTLDの活用方法を改めて考え直す必要 があるのではないか、そもそもTLDを増やすことによって誰にメリットがある のかなどの議論が行われました。また、申請方法についても、現状の申請方 法は難解なためわかりやすくする必要があるとの意見や、フィッシングサイ トなどの増加を受けて、正確な登録情報を実現するための方策が必要との意 見がありました。 加えて、ブランドTLDについては利用のされ方が通常のTLDと大きく異なるこ とから、違うカテゴリーとしてほしい、という意見もありました。これはWG の議論より筆者が推測する限り、申請基準を変えてほしいという意味に取る ことができると思います。 議論の最後にモデレータの前村から、今日はそれぞれの立場から見たさまざ まな意見が挙がったが、よりよい次のラウンドにはこのような皆さまからの インプットが不可欠だとして、会場の皆さまにも呼びかける形でパネルディ スカッションを終了しました。 ■ 最後に 新gTLDに関心を持つ方が多いためか、参加者数はいつもより心持ち多く、議 論も活発でした。gTLDへの関わり方は立場によってさまざまで、求めるもの も異なっています。それらを十分に考慮しながら、今後も情報提供を続けて いきたいと思います。 ◇ ◇ ◇ これまでのICANN報告会の発表資料および動画は、JPNIC Webサイトにて公開 しています。今回の第47回ICANN報告会の資料も、近日中に公開する予定で す。公開しましたら、本JPNIC News & ViewsやJPNIC Webなどで、改めてお知 らせいたします。 ICANN報告会資料 https://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ◆◇◆◇◆ 本号のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃ ┃良かった ┃ ┃ http://feedback.nic.ad.jp/1473/ed0904c18fa63209ba719fb7017e5288 ┃ ┃ ┃ ┃悪かった ┃ ┃ http://feedback.nic.ad.jp/1473/15e46f6813aeafd5e0c60cadf68a56fe ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: https://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.1473 【臨時号】 @ 発行 一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田3-6-2 アーバンネット神田ビル4F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には https://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 登録・削除・変更 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ バックナンバー https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/ ___________________________________ ■■■■■ News & ViewsはRSS経由でも配信しています! ■■■■■ ::::: https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/index.xml :::::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ https://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2017 Japan Network Information Center