ニュースレターNo.21/2002年7月発行
.jp ccTLDスポンサ契約締結およびJPドメイン名業務移管について
2002年2月27日(米国西海岸時間)に、株式会社日本レジストリサービス(JPRS)とICANNの間で、「ccTLDスポンサ契約」が締結されました。
ccTLDスポンサ契約とは、ICANNと各国ccTLD管理組織が結ぶドメイン名管理委任契約のことです。これまで各ccTLD管理組織は、明文の契約書が無いままに、IANAが歴史的に行ってきた委任に基づいて、当該ccTLDの登録管理とそのDNS運用を行ってきましたが、現在IANAの機能を担っているICANNは、これらの組織と明文のccTLDスポンサ契約を交わし、双方の関係を公式なものとすることで、それぞれの責務と権限を明確にすることを目標としています。この.jp ccTLDスポンサ契約は、2001年10月にオーストラリア(.au)が締結したccTLDスポンサ契約に次いで世界で2例目となります。
このccTLDスポンサ契約と、これに先立って2002年1月31日にJPNICとJPRSとの間で締結された「JPドメイン名登録管理業務移管契約」との2つの契約により、これまでJPNICが担ってきたJPドメイン名登録管理業務は、4月1日付でJPRSに移管されました。
このようにして.jpの管理運用を民間会社に移すことにより、エンド・ユーザーのさまざまなニーズへの対応が期待できます。その一方で、JPNICが日本政府と協力してJPドメイン名の公共性を担保することが、.jp ccTLDスポンサ契約に規定されています。エンド・ユーザーにとっては、JPドメイン名の利便性が高まり、また公共性も保証される体制が実現することになりました。
また、この業務移管により、これまでJPNICが行ってきたJPドメイン名の登録管理・運用サービスは、同日よりJPRSが提供することになりました。JPドメイン名に関する各種申請や問い合わせについても、同日以降、JPRSが窓口サービスを担当します。
なお、JPドメイン名の登録管理業務およびそれに付随する業務の一部は、指定事業者に委託されています。この制度により、指定事業者を利用して登録が行われたドメイン名に関しては、引き続き、その指定事業者が登録者に対する窓口サービスを提供いたします。
JPドメイン名の登録管理業務はJPRSへ移管されましたが、JPNICでは引き続き、JPドメイン名の公共性の維持業務、JPドメイン名紛争処理方針の策定および関連業務、JPドメイン名レジストリデータのデータエスクロー関連業務、ドメイン名全般についての情報センター業務、ICANNを中心とする国際的なドメイン名のルール作りへの参画、ドメイン名およびDNSに関する調査研究といったドメイン名事業を行っていきます。
参照URL
- JPRSとICANNが.JPについてのccTLDスポンサ契約を締結
- http://www.nic.ad.jp/ja/pressrelease/2002/20020228-01.html
- ICANNアナウンスメント和訳:auDAとccTLD契約締結
- http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/doc/20011025-auDAccTLD.html
- 「.JP」の登録管理・運用サービスがJPNICからJPRSへ
- http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2002/20020401-01.html