ニュースレターNo.29/2005年3月発行
新IPレジストリシステムについて
「IPレジストリシステム」とは、IPアドレス/AS番号の申請受付、情報登録、WHOISでの検索・参照等、IPアドレス/AS番号の登録管理に必要な機能を持つシステムを指します。
従来のIPレジストリシステムは、現行のIPアドレス管理指定事業者制度に変わる前から利用してきたものであり、現状の管理体系にそぐわない部分が多くありました。そこでJPNICでは2003年12月より新IPレジストリシステムの開発を開始し、第1フェーズ(2004年11月)、第2フェーズ(2005年3月末~)の2段階に分けて実装を進めています。
以下に、この新しいIPレジストリシステムの主な特徴を簡単にご紹介したいと思います。
新レジストリシステムの主な特徴
1)(株)日本レジストリサービス(JPRS)とのシステムの分離
2)Web申請インターフェースの追加
3)申請窓口の一本化
4)IPアドレス管理指定事業者向け情報提供機能の充実
5)IPv6関連情報の登録、WHOIS検索機能の提供
6)その他登録情報新設
7)WHOIS検索方法、結果表示の変更
1)JPRSとのシステムの分離(2004年11月~)
過去の経緯からこれまでのIPレジストリシステムはドメイン名の登録管理業務システムと共存している部分がありましたが、独立したシステムとして運用を開始し、WHOISの検索サーバも分離いたします。詳細につきましては「新JPNIC WHOISについて」をご参照ください。
※ただし、「担当者情報」(現在の「個人情報」)は、当面はJPNICとJPRSで引き続き共同利用します。
2)Web申請インターフェースの追加(2004年11月~)
利便性向上のため、新システムではWebインターフェースでも申請を行っていただくことが可能となりました。また、従来通り電子メールによる申請もお受けしております。
3)申請窓口の一本化(2004年11月~)
申請者にとっての煩雑さの解消、そして内部の業務の効率化のため、一部の申請を除き、基本的にすべての申請における申請窓口をip-service@nir.nic.ad.jpに一本化しました。
4)IPアドレス管理指定事業者向け情報提供機能の充実(2005年3月22日~)
IPアドレス管理指定事業者に対し、申請の進捗状況、IPアドレスの利用状況の確認、過去の申請の検索、手数料や維持料の検索等、IPアドレス登録管理業務に必要な情報提供機能を充実させ提供を開始しました。
5)IPv6関連情報の登録、WHOIS検索機能の提供(2005年5月~)
これまでのIPv6アドレスサービスは、割り振り申請はJPNIC、情報の登録はAPNIC、となっていましたが、2005年5月以降はサービスの拡張に伴い、JPNIC管理下のアドレスは、すべてJPNICを窓口として申請/情報登録業務を行っていただけるようになります。また、JPNIC WHOISでもIPv6アドレスの検索機能を提供いたします。
6)その他登録情報新設(2005年3月22日~)
IPv6関連の登録情報に加え、以下2つの登録情報を新設いたしました。
「担当グループ情報」
個人情報保護の観点から「担当者情報」のように個人ではなく、部署やグループ単位で連絡先の登録が行える「担当グループ情報」を新設しました。連絡先の登録にあたり、できる限り「担当グループ情報」をご利用いただくことを推奨いたします。
「割り振り情報」
JPNICがIPアドレス管理指定事業者に対して委任を行った単位でのアドレス空間、つまり割り振り空間の情報を登録情報として新設し、WHOISで検索可能となりました。これにより、IPアドレスの割り当て先組織だけではなく、管理元の組織も明確になります。
7)WHOIS検索方法、結果表示の変更(2005年3月22日~)
ネットワーク情報の検索結果の階層的な表示等、検索結果の表示方法が変更となりました。詳細については「新JPNIC WHOISについて」をご参照ください。
より詳細な情報につきましては以下のWebページよりご参照いただくことが可能です。
- 「新IPレジストリシステムへの移行に関するお知らせ」
- http://www.nic.ad.jp/ja/ip/system/
2005年5月の最終的な移行までにみなさまにとってより使いやすいシステムとなりますよう、また、必要な周知を充分に行うよう、現在準備を進めております。ご不明な点、ご質問等ありましたら、ip-service@nir.nic.ad.jpまでお問い合わせください。
(JPNIC IP事業部 奥谷泉)